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40歳から10年で2800万円! リストラと2年間の失業が人生を変えた55歳の貯蓄達人

自らの努力と工夫で数千万円の貯蓄を手にした方に、その極意を語っていただく「貯蓄の達人」。今回は、40歳から怒濤の節約を敢行、わずか10年で貯蓄2800万円を達成した貯蓄達人・香港さんの登場です。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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わずか10年で貯蓄2800万円を達成した貯蓄達人の節約方法

自らの努力と工夫で数千万円の貯蓄を手にした方に、その極意を語っていただく「貯蓄の達人」。今回は、40歳から怒濤の節約を敢行、わずか10年で貯蓄2800万円を達成した香港さんの登場です。

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●基本データ
⾹港さん(仮名)
(男性・55歳・⾃営業)

家族/妻55歳・専業主婦
持ち家・マンション
貯蓄達人「香港」さんの家計収支データ

貯蓄達人「香港」さんの家計収支データ



 

「お金をかけなくとも豊かな生活」を実感

香港さんの経歴は異色です。かつて大手機器メーカーに勤務していましたが、今から15年前、40歳のときにリストラに遭遇。それまでは夫婦揃って浪費家で、消費することでしか満足を得られませんでした。当然、貯蓄意識はゼロ。ところが、リストラによって得た退職金で貯蓄額は一気に1000万円に。そこから人生そのものが180度変わりました。
 
実は香港さん、リストラ後、思うように再就職できず、2年間の失業経験を味わいます。やがて失業給付の受給も終了し、無収入の日々。もしかしたら、そこで退職金をあらかた使い果たしていたかもしれません。
 
ところが、この人生の岐路に立ち、「お金をかけない生活でも、豊かさを感じることはできる」という心の真理に気付いたのです。その後、香港さんは契約社員、奥様はパートで働き、10年後には貯蓄を2800万円にまで増やしました。夫婦2人だけの生活とはいえ、マンションのローンもこの10年で完済して、それでこの貯蓄ペース。世帯年収は300万円台だったといいますから、驚異的と言わざるを得ません。一体、どのように貯めたのでしょうか……。
 

メモをすることで衝動買いがなくなる

貯蓄に励んでいた頃の生活費は、税金や社会保険料を除いて、月に12万~13万円ほど。当時は少なくとも月10万円は貯蓄できていたが、現在は収入も下がり、収支はトントンに。しかし、その生活ぶりは今も当時もほとんど変わらないとのこと。つまり、現在の節約スタイルが、10年で貯蓄2800万円にした原動力ということになります。
 
それを踏まえて、現在の支出データを見てみると、どの費目もくまなく低いのがわかります。何も突出していません。例えば、水道光熱費の1万円。記録的猛暑の2019年夏も「エアコンは使いません。暑い夜は除湿をする程度。マンションの3階なので風通しがいいんです。日中、どうしても暑い場合はショッピングモールに出掛けます。電気の契約は20A。夏でも月3000円台です」
 
趣味娯楽費は月1万円。地下鉄1日乗車券を購入し、東京巡り。クレジットカードの会員無料で使えるラウンジもよく利用します。年に数回、平日限定の格安温泉旅行にも出掛けています。

 
クレジットカードの会員無料で使えるラウンジもよく利用しているという

クレジットカードの会員無料で使えるラウンジもよく利用しているという香港さん


そして特筆すべきは雑費0円。厳密には不定期で支出も発生していますが、原則、定期的な支出はありません。一般にここは無駄遣いの温床といわれている費目。コンビニやスーパーで、あるいは出先で気が付けば買ってしまう、何か。香港さんはそういうことが一切ないのです。

「以前は何であれ購入するとき、その場で即座にメモをするようにしていました。メモを取ることで気持ちがリセットされ、衝動買いを防止できるのです」
 

今は貯蓄を守る時期

では、香港さんの生活は節約一辺倒かといえば、そうではありません。必要なモノ、必要なコトには出し惜しみをしない。資金は貯蓄から捻出する。それが香港さんの「お金哲学」でもあります。
 
現在、自営でキャリアコンサルティングをしていますが、自己研鑽のための講習には出掛けています。必要な付き合いを断ることはしません。そして、実は香港さん、その名のとおり、無類の香港好き。少なくとも年に1回、必ず奥様と香港旅行に出掛けています。老後を迎えたら、香港と日本を行き来するような生活を送りたい。そのような夢も描いています。

 
老後を迎えたら、香港と日本を行き来するような生活を送りたい

老後を迎えたら、香港と日本を行き来するような生活を送りたい。写真は2019年の香港旅行の時に撮影したもの



さて、先にも触れましたが、ここで現在の収入では貯蓄ができても1万円程度。ときに赤字になる月もあるといいます。ただし、香港さんは一時的なマイナスは気にしないといいます。「収入が少ない月や支出が多かった月は、単発のアルバイトで家計を穴埋めするようにしています。今の貯蓄を取り崩さない。それが今の基本的考え方です」
 
いわば香港さんの家計は、貯蓄を「増やす時期」から「守る時期」に移行しているといえます。貯蓄はあと10年で老後資金に、その役目を変えます。2800万円が足りるかどうか、ここでは断言できません。しかし、その日まで家計から赤字をなるべく出さない。それもまた、重要な貯蓄術なのです。

 
キャリアコンサルタントのテキスト

キャリアコンサルタントとして自己研鑽するための費用は必要な支出

 

香港さんならではの貯蓄術

決してストレートな貯蓄術だといえませんが、香港さんには大変ユニークなお金に関するこだわりがあります。それは各預金通帳(目的別に複数の口座を持っている)の残高が絶えず、「000」円と百単位以下はキリのいい数字にしておくことです。手数料が発生しない時間帯に預金を引き出すことでそれを実現しています。その理由は「お金の管理がしやすいのと、あと根拠はないのですが、通帳に000が多い人ほどお金を貯めている、そんな気がするんですね」
 

なかなか貯蓄できない人へ、達人からのアドバイス

「お金で買えない楽しみを何かみつけてはどうでしょうか。例えば、私は生きているだけで幸せだって思うと、心が楽になれます。結果、ストレスもたまらず、今までコストで消えたものが貯蓄に回せます。焦らず、頑張ってください

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取材・文/清水京武 図版/引間良基


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