年金保険料を払っていなかった人は、年金自体が受け取れないリスクもある

過去に収入が低かった、失業したなどの理由で国民年金に未納期間がある場合、受け取る年金額が減額されてしまうだけでなく、年金自体が受け取れないことがあります。今回は過去に未納期間がある場合の対処法について触れてみたいと思います。

 
過去に年金を払っていなかった人は、どんなリスクがある?

過去に年金を払っていなかった人は、どんなリスクがある?



 

保険料が未納のままだと将来受け取る年金が減額される

20歳以上60歳未満の日本国民であれば国民年金に加入し、その保険料を納める必要があります。サラリーマンや公務員、またその方たちに扶養されている配偶者ならば、会社が一括して徴収する厚生年金保険料に国民年金保険料も含まれていますので、基本的に「未納」ということはありません。一方で自営業、フリーター、学生、サラリーマンだったが失業した人などは自分で国民年金保険料を納付する必要がありますが、収入が低いために保険料を払わず未納にされたままにしている方がおられます。

保険料が未納のままだと将来受け取る年金が減額されますし、受給資格期間(国民年金に10年間加入)が満たされない場合は年金自体が受け取れなくなります。そのほかにも障害年金や遺族年金がもらえない場合があるなど、未納すると将来だけでなく現時点でのデメリットも大きいのです。
 

過去2年分の未納なら支払い可能

未納期間がある場合には、さかのぼって支払うことを考えましょう。本来、国民年金の支払い期限は「翌月の末日」ですが支払い期限から2年以内ならば支払うことができます。例えば2017年7月に未納した分は、2019年8月末までならば支払うことが可能です。なお、過去5年間分にさかのぼり支払うことができた「後納制度」というものがありましたが、平成30年9月30日に終了しています。
 

今後は未納にしないために取るべき方法とは?

過去の未納を解消したあとは未納期間を増やさないために「保険料免除・納付猶予制度」の利用を考えてみましょう。「保険料免除制度」では保険料を納めることが経済的に困難と判断されれば「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」のいずれかが認められ、将来の年金額にも反映されます。

「納付猶予制度」は50歳未満の方が対象で保険料の納付を先延ばししてくれる制度ですが、将来の年金額には反映されない点が免除制度との違いです。また学生には「学生納付特例制度」が独自にあり、本人の所得が一定以下の場合に保険料の支払いを猶予する制度です。いずれも免除や猶予を受けている間は受給資格期間(10年間)にもカウントされますし、ケガや病気で障害や死亡した場合には障害年金や遺族年金を受け取ることができるため、未納にする前にまず考えたい制度です。またいずれの制度も10年以内ならば後から保険料を納め(追納)将来の年金額を増やすことが可能です。
 

受給資格期間が足りない場合の対処方法とは

前述したように年金受取には受給資格期間(10年)を満たす必要があります。納付できる未納期間を解消しても年金が受け取れないのならあまり意味がありません。その場合は本来60歳までの国民年金の加入期間を65歳まで延長できる「任意加入制度」を利用した保険料納付を考えましょう。それでも受給資格期間に足りない場合は70歳までなら加入延長することが可能です。
 
監修・文/井出やすひろ(CFP、1級FP技能士、MR)

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