亀山早苗の恋愛コラム

平穏だけでは生きられない女性は、結婚してもなお…

夫にとっても妻にとっても家庭は平穏がいちばん。だが、平穏だけでは生きていけないタイプの人たちがいる。男女関わらずだ。そういう人たちが、外で恋を求め、その恋には刺激を必要とするのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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家庭に平穏を、恋に刺激を求める私はヘン?

家庭に平穏を、恋に刺激を

夫にとっても妻にとっても家庭は平穏がいちばん。だが、平穏だけでは生きていけないタイプの人たちがいる。男女関わらずだ。そういう人たちが、外で恋を求め、その恋には刺激を必要とするのかもしれない。


 

恋を繰り返す既婚女性

「割り切っているわけではないんです。恋はそのつど、つらいと思う。だけど私にとって長期間の恋は刺激がどんどん減っていくだけなんですよね。だから恋心が頂点になったときに別れたほうがいいと思っています」

楚々とした雰囲気のイズミさん(46歳)は、物静かにそう言った。大学を出てやりたかった仕事につき、穏やかで家事万端何でもできる男性と28歳のときに結婚した。キャリアを積み、33歳のときに子どもを産んだ。育休もとらずに仕事に復帰、育児も家事も夫に負担がかかりがちだが、夫は淡々とこなしている。

「週末はなるべく仕事を入れずに家族で過ごそうと夫が言うので、私もそれには賛同しています。中学生になった娘は、なかなか生意気に自由に育っていて、それもいいかな、と。夫との関係は結婚前からあまり変わっていませんね。夫はとにかく穏やかな人なので、彼相手にケンカする気にもなれません」

夫がいれば家庭は平穏だ。母と娘がときおり言い争いをしても、夫がうまく仲裁してくれる。平日、仕事でイライラしがちなイズミさんにとって、夫は「話しているだけでストレスが抜けていくような」相手なのだという。結婚は大正解だった。

「ただ、問題なのは、私が平穏無事だけでは生きていけないタイプだということなんでしょうね」

結婚してすぐ、イズミさんは他社の男性と恋に落ちた。この人がいなければ生きていけないと思ったが、彼女の激しさに相手が恐れをなして、関係は3カ月で終わってしまった。

その後も、彼女は短期間の恋を繰り返している。


 

バランスをとるために……

「よく結婚後に恋をするくらいなら離婚してからにしろとか、恋をしたいなら結婚するなとかいいますが、両方ないと生きていけないタイプがいると思うんです」

イズミさんはそう自己弁護をする。平穏な家庭を心から愛して大切に思っているが、外で激しい恋をしないと仕事もうまくいかないのだという。

「わかっているんです、自分勝手だということは。でも恋してしまう。その恋が長く続くとまた惰性になるので、ある程度のところで自分から打ち切る。打ち切るとつらくて寂しい。それが仕事へのエネルギーになる。恋をしているときも失ってせつないときも、それはエネルギーになります。ただ、結婚生活だけだったら、きっと私は腐ってしまう」

心の底からの声のように聞こえる。

よくできた妻をもつ夫は不倫に走りやすいと感じたことがある。安泰で盤石なものへの不安があるのだろうか。イズミさんにもそうした感覚がありそうだ。

「安定したものと不安定なもの。両方が必要なんですよね」

一般的には賛同を得られないだろうが、確かにこういう人はいる。本人がそう思い込んでいるだけなのか、あるいは本当にそういう資質の人なのかはわからないが。

「恋だって遊びじゃないんです。いつだって命がけの大恋愛。私はそう思っています。男性は最初は同じようなテンションでいてくれるんだけど、そのうち『疲れた』と言い出すんですよね。疲れるくらいなら不倫なんかするなと思います。それをエネルギーに変えなければ、意味がないじゃないですか」

イズミさん、どんどんテンションが上がっていく。恋愛感情に溺れることで、どんどん強さを増していく女性、彼女に限らず最近、徐々に増えているような気がしてならない。
 
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