旅の準備・お得・便利

乗り放題のきっぷをフル活用してお得な旅を楽しもう!

せっかく旅行するのであれば、いろいろな場所に立ち寄りたいという方も多いでしょう。名所・旧跡ガイドであり、プライベートや取材で日本各地へ足を運ぶ村田博之さんが、お得な乗り放題きっぷをイチオシしてくれました。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

週末パス(1)

プライベート、取材の移動で大活躍する「週末パス」
 

「週末パス」はJR東日本が販売している乗り放題きっぷ。大人8730円、子ども2560円で購入すれば、首都圏・上信越・南東北エリアのJR線とエリア内にある私鉄14社を土曜休日の連続2日間自由に乗り降りできます。

私自身も取材やプライベートの旅行で頻繁に利用しているきっぷです。

「特別な会員にならなくても誰でも買える」「距離が長ければ長いほどお得に移動可能」「いろいろな駅で乗り降りしてもその都度きっぷを買う必要がない」「急に予定変更した場合でもエリア内ならきっぷの買い直しや変更が不要」「特急券を別途買うことで、新幹線や特急列車にも乗車可能」など、メリットがたくさんある「週末パス」。
   

基礎編:お得感が増す週末パスの使い方

週末パス(2)

東京から日本三景・松島と飯坂温泉を訪ねる旅が、週末パス利用で4750円もお得に!
 

私が取材などで実際に活用したケースをもとに、週末パスのお得度を紹介します。

まず、2地点の距離が離れている場合、単純な往復運賃が通常のきっぷより安くなることがあります。例として、東京~新潟の通常大人運賃は1万1240円のため、「週末パス」であれば2510円お得に移動可能です。東京~仙台は通常1万1880円のため、週末パスを使えば3150円お得になります。

さらに、JRの移動にからめて私鉄14社を利用するとよりお得になることも。例として、私が実際に決行した松島への旅行プランをご紹介します。「週末パス」があったからこそ、松島以外のいろいろな観光地にも立ち寄れたプランです。

1日目は東京から仙台へ移動し、松島海岸を見学。そのまま、仙台に宿泊しました。2日目は仙台から福島に移動。東北の名湯のひとつとして数えられる「飯坂温泉」に立ち寄り、その後東京へと戻ってきました。この間、移動で使用したのは「週末パス」と特急券のみです。

通常は東京~松島海岸で6260円、松島海岸~仙台で410円、仙台~福島で1320円、福島~飯坂温泉で740円(往復)、福島~東京で4750円、合計1万3480円の運賃が発生します。この経路が8730円の「週末パス」だけで乗り降りできるのですから、4750円もお得になった計算です。

この旅では松島で天気に恵まれ、飯坂温泉では名所のひとつ、立ち寄り湯の鯖湖湯への入浴も叶いました。お湯の熱さとまわりののどかな雰囲気が印象に残っています。このように私鉄を含んだ旅行も、「週末パス」を活用すると通常運賃を大きく下げられることが分かります。
 

応用編:エリア外に行くときもお得にできる週末パス

週末パス

エリア外の乗車券と組み合わせればお出かけプランの幅が広がる
 

「週末パス」のエリア外に行くケースでも、エリア外の乗車券を別途購入すれば連続利用ができます。私も実際に、「週末パス」とほかの乗車券を併用し、お得に移動することができました。鉄道趣味でつながっている友人たちと長野で集まるのが決まった際のことです。

友人と一緒に行動するのは土曜だけなので、この機会に北陸新幹線金沢開業でJRから第三セクターに移管されたしなの鉄道、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道の各路線に乗る以下プランを組みました。

1日目:東京→(北陸新幹線)→軽井沢→(しなの鉄道)→長野泊まり
2日目:長野→(しなの鉄道~えちごトキめき鉄道)→直江津→(えちごトキめき鉄道~あいの風とやま鉄道~IRいしかわ鉄道)→金沢→(北陸新幹線)→東京

しなの鉄道の全線とえちごトキめき鉄道の直江津までは、週末パスで利用可能です。週末パスのエリア外となる直江津~金沢への各鉄道会社の乗車券とJR線の上越妙高~金沢間のきっぷをプラスすることでこのプランができあがりました。

通常運賃と「週末パス」利用での運賃比較は以下のとおりです。

(通常運賃の内訳)
東京-軽井沢:2590円
軽井沢-長野(しなの鉄道):1640円
長野-直江津(しなの鉄道~えちごトキめき鉄道):1500円
直江津-金沢:3390円
金沢-東京:7340円
合計:1万6460円

(「週末パス」利用の内訳)
週末パス:8730円
直江津-金沢:3390円
金沢-上越妙高:3020円
合計:1万5140円

「週末パス」で1320円お得に移動できました。

友人との集まりには無事出席でき、その前後では乗り鉄を楽しんだうえで最後に短い時間ながら金沢市内も観光するという、欲張りなお出かけを楽しむことができました。

ちなみに、金沢から帰るときは「週末パス」とエリア外の乗車券、新幹線特急券と3枚のきっぷが必要です。金沢駅の新幹線自動改札では3枚まとめて投入できます。もちろん新幹線を途中で降りる必要もありません。
 

「週末パス」を使い倒して素敵な旅をもっとお得に!

使い方を工夫することでお得さが増していく「週末パス」。

ただし、お得なきっぷである反面、注意していただきたい点が2つあります。購入期限は利用する週末の前日までです。また、お盆や年末年始、ゴールデンウィークなど、いわゆる繁忙期の週末に有効な「週末パス」は販売されません。

通常の週末までに余裕を持って購入していただければ、問題なく利用できます。みなさんも週末のお出かけのお供としてぜひ週末パスを購入し、お得で素敵な旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
DATA
JR東日本┃週末パス

購入・問い合わせ:指定券券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、提携販売センター、提携旅行会社
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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