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消えない老後不安……年金はやっぱり信用できないのか?

「老後2000万円不足」ショックにより、年金不信の声はより大きくなっているようです。私も先日、「年金はあればラッキー程度に」というコラムを書きましたが、だからといって年金を払わないという判断はおすすめしません。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

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年金を払うことは、本当にムダなのか 

「老後2000万円不足」ショックにより、年金不信の声はより大きくなっているようです。そういえば私が学生だった30年前も、年金不信は根強くあり、当時も「自分たちが老後を迎える頃には、年金はどうせもらえないかすずめの涙程度だから、払ってもムダ。元は取れそうもないからもったいない」といった認識を持っている人は少なくありませんでした。
 
私も先日、「年金はあればラッキー程度に」というコラムを書きましたが、だからといって年金保険料を払わないという判断はおすすめしません。というより、払った方がよいというのが私の考えです。
 
年金

なんだかんだ言っても年金は払っておくべき

 
会社員の場合は社会保険料として天引きされているので、未納ということは原則ありませんが、学生や自営業者など国民年金対象者の未納は157万人(平成29年度)もいるそうです。

この年には6万6270件の督促状が送付され、1万4344件の財産差し押さえが行われたそうで、経済的な問題から納付できないというより、意図的な人が多いということでしょう。
 

「生涯もらえる」はやっぱり心強い

貯蓄で代替できるほどのお金持ちならともかく、年金を払わないことは得策ではないでしょう。たとえば2017年の日本人の平均寿命は、女性が87.26歳(87.66歳の香港に次いで世界2位)、男性が81.09歳(81.70歳の香港、81.5歳のスイスに次いで世界3位)で、いずれも過去最高です。今後も寿命は長くなる可能性が指摘されています。

民間の保険にしても先日ご紹介した確定拠出年金にしても、自分が払った保険料に見合った分しか返ってきません。だからいつかは底をつくでしょう。
 
しかし、公的年金は一生涯受け取れます。支給開始年齢の引き上げ、給付金額の減額など、払った額ともらえる額を差し引きすれば、確かに元は取れないかもしれませんが、「生きているうちはずっと受け取れる収入源がある」ことは、仮に金額が微々たるものであっても、やはり安心材料の一つです。
 
他にも、万が一病気やケガで障害が残った場合、公的年金から「障害年金」を受給することができるなど、介護保険としての機能もあります。このような保険を放棄するのはもったいないでしょう。
 

ぜひ一度、自分の加入状況の確認を

ただし国民年金(老齢基礎年金)の注意点は、加入期間(保険料を収めた期間)が10年に満たない場合、一切の年金を受け取れないことです。また、加入期間が20歳から60歳までの40年の払い込みでようやく満額支給となり、それに満たない場合は減額の対象となります。

ゼロにはなりませんが、未加入の期間に応じて満額から減らされます。そのため自営業者に限らず、学生の時に免除申請をせずに払っていなかったとか、転職する時に空白期間があったとかで未納がないか、自分の加入状況のチェックが必要です。
 
年金の加入状況は、毎年自分の誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でわかります。ただし、50歳以上の人でないと、将来いくらもらえるかという受取見込額はわかりません。また、年金定期便には直近1年間の納付状況しか示されていないですから、それ以前にうっかり納付忘れがあっても、この書類からはわかりません。
 
そこでおすすめなのが、日本年金機構のホームページから申し込み、専用のIDとパスワードを取得することです。そうすれば、自分の年金記録をいつでもウェブから参照できます。将来受け取れる年金額を試算できる他、過去に保険料を払っていなかった期間を確認できるなど、自分の年金に関するすべての情報がチェックできます。
 

60歳以上でも、任意加入すれば未納分を補える

もし未納期間があっても、任意加入制度を使って未納分を補うことができます。通常、年金の支払いは60歳までですが、60歳以上65歳までの人であれば任意で加入し、保険料を納めて未納期間を補うという方法です。

たとえば学生時代の2年間は保険料を納めていなかったという場合、62歳まで任意加入で保険料を納めれば、満額期間となる40年を満たすことができます。
 
「学生の時に払っていたか微妙」「転職したことがある」「自営をしている」という人は、ぜひ一度確認をおすすめします。

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