100%国産米から生まれたジャパニーズクラフトウオツカ

 
ジャパニーズクラフトウオツカHAKU

ジャパニーズクラフトウオツカHAKU

いまやウオツカといえばアメリカ。歴史的にみればロシア、ポーランドやフィンランド、スウェーデンなど、どちらかといえば東欧、北欧あたりの酒のイメージがあるが、ウオツカ生産量が最も多い国はアメリカである。
そしてウオツカという蒸溜酒を語ろうとすると極めて面倒くさい。一般的には大麦、小麦、ライ麦やその他の穀物を原料としたグレーン、そしてジャガイモなどからつくられる蒸溜酒だ。ただEUではサトウキビやぶどうなど、原料を明記すればウオツカと名乗れる。また白樺炭での濾過についても、EUでは言及されていない。
さらにはハーブやフルーツなどを風味付けしたフレーバードウオツカもある。
国や地域によって定義も異なり、語り出すと膨大な文字数が必要だ。ブランド数も数限りなく、といった表現をしても大袈裟ではないだろう。
ロシアや東欧では一般的にストレートで嗜まれ、その他の地域ではカクテルベースとしての貢献度が高い。ベースとしてアルコール感をしっかりと湛え(たたえ)、他の酒類や果汁と見事に溶け合い調和する。カクテルの世界では不可欠といえるスピリッツなのだ。
 
HAKU&ペリエ

HAKU&ペリエ

さて、日本らしい日本のウオツカ、米を原料にしたウオツカが誕生した。今年、2019年に100周年を迎えたサントリー大阪工場(『クラフトジンROKUを生む大阪工場クラフト蒸溜工房』記事参照)から世に贈り出された。
デビューはなんとアメリカである。昨年、2018年10月にまずは米国と漢字で当てられるウオツカの国で衝撃的デビューを果たし、現在人気上昇中だという。
そして米国先行発売から半年後の2019年4月、日本デビューとなった。
その名は「ジャパニーズクラフトウオツカHAKU(白)」(700ml・40%・¥3、000税別希望小売価格)。
ここしばらく、極めてクリーンな感覚のすっきりとしたキレ味を強調したウオツカが登場してきたが、昨年に日本に登場したフレンチウオツカ「ピナクル」が原料小麦由来の独特の風味で魅了するように、この「HAKU」も米ならではの“まるみ”のあるジューシーさというかフルーティーさを味わいに抱いている。
 

「ROKU」とともにクラフトの世界を伝えていく

 
HAKUハーフロック

HAKUハーフロック

この「HAKU」は国産白米を米麹で発酵させて醪(もろみ)をつくり、これを単式蒸溜器(ポットスチル)で1次蒸溜する。まず米焼酎、米スピリッツをつくるのである。
次に2回目の蒸溜をおこなう。「HAKU」は2次蒸溜に独自の工程がある。1次蒸溜のスピリッツを異なる蒸溜法によってつくり分け、2タイプのニューメイクを生みだす。
ひとつは一般的な連続式蒸溜機で蒸溜するもの。いわゆるベーススピリッツといえるクリーンでニュートラルな味わいとなる。
もうひとつはサントリー独自の単式蒸溜器での蒸溜。こちらのスピリッツはリッチな香味となる。
この2タイプのスピリッツをブレンドした後、白樺炭と竹炭を併用した濾過をおこなう。よく知られている白樺炭だけでなく、竹炭に含まれるミネラルによってスムースで柔らかいウオツカに仕上がっていく。
こうして生まれた「HAKU」は、ウオツカならでのクリーンで冴えた感覚のなかに原料の米由来のほのかな甘みを抱いた、まさにジャパニーズクラフトウオツカといえるものだ。独特のまるいコク、フルーティーさが感じられる、いままでになかったウオツカである。
ダシ文化の淡麗な味わいに慣れ親しんだ日本人はもちろんのこと、海外の人たちにとってはかなり新鮮な味わいといえるだろう。
 
ジャパニーズクラフトジンROKU

ジャパニーズクラフトジンROKU

「HAKU」の飲み方だが、まずはストレートでしなやかで弾力感のある味わいを楽しんでいただきたい。ソーダ水で割るのもいいが、わたしは「HAKU」の甘みのあるまるいコクをしっかりと感じたくて、ライムを絞り入れたグラスに天然炭酸水「ペリエ」を満たし、爽やかさのあるやわらかい味わいを楽しんでいる。
料理とともに味わうならば、ミネラルウォーターとの1対1のハーフロックをおすすめする。これは最高である。
もちろんいろんなスタンダードカクテルも楽しめる。とりあえずは1本買い求めてみよう。
和のボタニカルの香味が麗しいクラフトジン「ROKU」(『六[ROKU]ジャパニーズクラフトジンの魅力』記事参照)は、国内はもとより海外での人気が伸張しつづけている。クラフトウオツカ「HAKU」もまた高い評価を得て、ジャパニーズクラフトの世界が広がることを願う。
 

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