子どもたちに迷惑をかけないよう、老後の準備をしておきたい

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、大学生と高校生の子を持つ50歳・公務員のシングルマザー。次男の大学卒業から定年まで3年しかなく、自分の老後は大丈夫なのか不安を感じるといいます。そんな、はなさんのお悩みに、ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。
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これから老後の準備をするには?

これから老後の準備をするには?



■相談者
はなさん(仮名)
女性/公務員/50歳
持ち家(マンション)
 
■家族構成
子ども2人(大学2年・高校1年)
 
■相談内容
次男の大学卒業から定年まで3年しかありません。私の老後は大丈夫なのか不安です。
 
■家計収支データ
相談者「はな」さんの家計収支データ

相談者「はな」さんの家計収支データ



 
 
■家計データ補足
(1)住宅について
住宅ローンは団体信用生命保険で返済済み。子どもたちが独立したら、もう少し駅に近い1LDKのマンションに住み替え、介護が必要になったら介護付き有料老人ホームに入居したい。40代で2回手術をし、70歳とか80歳になっている自分をイメージしにくいが、子どもたちに迷惑をかけないように準備しておきたい。
 
(2)加入している保険
・終身保険(1000万円、医療特約〈80歳まで〉=年間の保険料(特約分のみ)2万9000円
 ※終身保険部分は支払い済み、受取人は母
・個人年金(600万円、60歳から10年確定)=年間の保険料6万円
・職場の共済保険(詳細不明)=月2000円天引き
 ※ライフイベントのお祝い金請求などに使っている
・学資保険(100万円。次男名義、31年11月満期)=全期前納済み
 
(3)ボーナスの支出明細
長男の授業料、固定資産税、貯金、服飾費、家族旅行、家電の買い替え、家族の小遣い。保険料の年払いなど。直近のボーナスでガス給湯器とガスレンジを交換。
 
(4)自動車について
8年前後、10万キロになる前に買い替え続けている。次回は5年後、その際は軽自動車にする予定。
 
(5)60歳以降の働き方
再雇用かアルバイトで働くつもり。月に20万円が目標。
 
(6)退職金の有無、年金受給額の見込み
退職金は2000万円、年金は月18万円くらい。
 
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 次男の教育費をどうするか。これが解決すれば問題なし!
アドバイス2 子どもたちの独立後はコンパクトな生活に
アドバイス3 最大のポイントは、はなさんの健康。場合によっては保険の解約も
 

アドバイス1 次男の教育費をどうするか。これが解決すれば問題なし!

結論から申し上げると、はなさんは上手に家計を管理されていらっしゃいます。次男の教育費支出を乗り越えられれば、はなさんが老後資金に困ることはないといっていいでしょう。
 
その理由は、次男の大学卒業から退職まで3年しかないとおっしゃいますが、お子さん二人が独立すれば何の節約をしなくても教育費や生活費の一部を貯蓄に回すことができますから、毎月貯めている4万5000円と合わせると最低でも年間200万円は貯めることができるはずです。これに、現在の貯蓄をくわえた約1000万円と退職金の2000万円が老後資金ということになります。
 
60歳の定年以降も月収20万円程度の収入は確保できそうとのことですし、65歳以降の年金は月18万円くらい。ということは、60歳以降も貯蓄を増やすことはできなくても生活費が赤字になることはありませんから、3000万円の老後資金は特別支出や介護が必要になったときのお金として備えておくことができるのです。
 
ポイントとなるのは、次男の教育費です。学資保険で準備できているのは100万円ですから、これは入学時の資金です。幸い長男の卒業後に次男が入学しますから、長男と同程度の学費の学校へ自宅から通学するのであれば問題ありません。ただ専攻する分野の学費が高い、自宅外から通学するといったことになると、マネープランの見直しが必要になります。場合によっては奨学金の利用なども考えた方がいいかもしれません。進路を決める際は、お金のことも含めて次男とよく話し合ってください。
 

アドバイス2 子どもたちの独立後はコンパクトな生活に

はなさんのコメントにも、お子さんたちが独立したらコンパクトで利便性の高いマンションへ住み替え、自動車は軽自動車にするといったプランが書かれていましたが、これはぜひ実行してください。住居費や車両費は固定費ですから、少なくすればするほど家計管理はラクになります。ほかの支出を見ると食費や電気ガス水道料金は高めですが、お子さんたちが独立すれば必然的に安くなると推察できる費目ですから問題ないはず。コンパクトな生活を心がけ退職後も赤字家計にならないようにすれば、お金に困ることはないでしょう。
 
介護が必要になったら有料老人ホームも考えているとのこと。私が知っている範囲でいうと、お住まいの地域は入居一時金がそれほど高くなく、毎月の費用もはなさんの年金でカバーできる程度の施設があります。お子さんたちが独立したら時間を見つけて見学へ行って、費用などのシミュレーションをしておくといいでしょう。
 

アドバイス3 最大のポイントは、はなさんの健康。場合によっては保険の解約も

以上のように、はなさんの老後はマネープラン的には問題ありませんが、ひとつだけ心配なことがあります。それは健康です。2回手術をしていらっしゃるとのことですから、平均よりはリスクが高いと考えていいでしょう。幸い公務員なので、仕事を続けながらの治療は民間会社よりもしやすいはずです。高額療養費制度の仕組みを理解して入院の際は限度額適用認定証を交付してもらうなど、各種の制度をしっかり利用して負担を軽減することを意識してください。
 
どうしても手元の現金が足りなくなった場合の最後の手段としては、貯蓄性保険の解約や契約者貸付を利用するという方法があります。最終的にこういうバッファがあるということは、はなさんにとって大きな安心につながりますが、使わずに済むよう健康にはくれぐれも留意してください。
 

相談者「はな」さんから寄せられた感想

何度も読み返し、ちょっと安心しました。採用して頂き、本当にありがとうございます。自分では身の丈にあった生活を心がけてきたと思っていますが、このように専門家の方に後押しして頂けると自信と安心に繋がります。本当にありがとうございます。



教えてくれたのは……
藤川太さん 
 
 

 


All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。

取材・文/鈴木弥生

 


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