月2万円×40年で1000万円貯まる

1000万円貯めると言うと、現実味がない、と感じる人もいるでしょう。総務省の『家計調査報告(貯蓄負債編)2017年』によると二人以上世帯の平均貯蓄額は1812万円ですが、中央値では1074万円と、1000万円は貯蓄の1つの目安となっています。
 
貯金1000万円をあきらめないで!

貯金1000万円をあきらめないで!



こうした平均貯蓄額を見ると、多額の貯蓄のある世帯が平均を押し上げていて、実際は違う、と考えてしまいます。確かに、そうした一面はありますが、だからと言って、貯蓄1000万円をあきらめてしまっては元も子もありません。
 
たとえば、20代が老後に必要な資金を貯めようとしたら、月2万円×40年で960万円貯めることができます。30代であれば、月2万7000円×30年で約970万円。当然、年齢が上がれば、リタイアまでの時間が減りますので、その分、毎月の貯蓄額を増やさないといけません。しかし、若ければ、お金を貯める時間はたくさんあります。1年でも1日でも早く、1000万円貯めるための貯蓄行動を起こすことが、重要だと言えます。
 

子どもの教育費、住宅購入資金も必要。どうしたらいい?

貯蓄の目的は、大きく分けて3つあります。子どもの教育費、住宅購入の頭金、そして老後資金。この3つを同時並行で貯めていこうとすると、毎月いくら貯めないといけないのでしょう。
 
親世代であれば、子どもの教育費を学資保険(こども保険)で準備し、次に住宅購入資金を貯め、50代になり子どもが独立してお金がかからなくなったら、定年退職までの10年で老後資金を貯める、というように、順番に貯蓄の目標クリアすることができました。
 
しかし、今の時代は、同時並行に貯蓄しなければならない世帯も増え、60歳以降も子どもの学費、住宅ローンの返済が残る世帯も少なくありません。ずっと教育費や住宅関連費の支出が続き、1000万円貯まったという実感を持つことが難しくなっています。実際、前述した家計調査によれば、二人以上世帯の負債額の中央値は1080万円で、貯蓄額の中央値は1074万円ですから、プラスマイナスゼロ。というのが実態なのです。
 
では、どう1000万円を貯めていけばいいのでしょうか?
 
「安全確実な積立」+「絶対減らせない貯蓄」+「時間をかけて増やす積立」。
 
この3つを各世帯の状況に合わせて組み合わせていくのが、ポイントです。当たり前と思うかもしれませんが、この当たり前のことをできていない家庭が多いのも事実なのです。
 

運用に対するアレルギーをなくすことが1000万円への早道

月2万円×40年で960万円貯まりますが、これは元本のみ。これを少しでも増やすとしたら、預貯金ではなく、投資、運用をしなければ、現在の低金利の状況では、これ以上増えることはありません。
 
仮に、1%の運用利回りで40年積み立てたとしたら、1130万円(税引き後)に増えます。2%なら1340万円、3%なら1600万円です。運用にはリスクが伴うため、期待する利回りが高ければ、その分リスクも高くなります。40年後に、このとおりになる保証はありませんが、40年という長い時間が、運用のリスクを最小限に減らすことを可能にします。
 
若い年代であれば、増やすチャンスは今であり、「時間をかけて増やす積立」で、老後資金のための1000万円を目指すことができるのです。積立運用の時間が少なくなればなるほど、リスクの高いもので運用しがち。運用や投資に対するアレルギーがある人ほど、早い段階から投資の積立を始めるべきなのです。加速度的に普及しはじめた個人型確定拠出年金(iDeCo)は、利用すべき最適な制度と言えるでしょう。
 
気が遠くなる話かもしれませんが、老後の1000万円は準備できている、と思えれば、漠然とした不安から解放されます。その上で、子どもの教育費や住宅購入の頭金は、「安全確実な積立」で準備していき、100万円などまとまった金額になれば、「絶対減らせない貯蓄」としてキープすることです。とかく子どもの教育費や住宅購入に過剰なお金をかけすぎて、貯めても、貯めてもお金が出ていく家計は、これからの時代は避けるべきです。
 
1000万円をいつまでに貯めるのか、途中で出ていくお金はいくらなのか、60歳で貯蓄は終わりではなく、リタイア後も貯めて、運用できる仕組みは何か、こうしたことを、あらためて考えなければならない時代になっているのです。



執筆/伊藤加奈子 
 
 

 

All About貯蓄ガイド。金融誌や住宅関連誌、ライフスタイル誌などの数多くの媒体を立ち上げたメディアプロデューサー・FP。取材や体験に基づいたお金の知恵を紹介、各種WEBサイトに住宅関連、マネー関連のコンテンツ提供を行っている。
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