人生100年時代も折り返しに入り、今まで家族のために頑張ってきた50代。子どもの教育費もなんとか目途がついて、健康管理とともに、自分がいつまで働けるかと先々が気になりはじめる方も多いのではないでしょうか? 結婚当初や家族形成期に加入された医療保険も、時代の変化とともに大きく様変わりしています。今回は、加入している医療保険と最新の医療保険との保障内容の違いや保険料の負担に悩む50代男性の例をご紹介します。
 
<ご相談者 男性 Sさん(51歳)>
・本人:会社員、妻:自営業、子ども22歳と20歳
・長男がもうすぐ大学卒業。次男もあと少しで自立でき、ホッと胸をなでおろしている。
・自分はタバコも吸わず健康診断でも特に問題はないが、兄やおじは健診でひっかかったという話を聞き、油断できないと思っている。
・貯蓄は子どもたちの大学の学費でかなり減ってしまったが、先々に向けて医療保険は持っていたい。
・若い頃に加入した医療保険は、短期入院の保障や先進医療などもなく、最近のものへ見直したいが、毎月の保険料が膨らんでしまうのが怖い。
・昔しつこい営業にあったことがあり、自分のペースで必要かどうか見極めて選びたい。
 

ここ20年で医療保険はどれだけ変わってきた?

Sさん:自分は今、健康状態は問題なく過ごせていますが、これから60・70歳になるにつれて、健康面やちょっとした治療費の支出が気になっています。今、加入している医療保険は結婚当初、今から20年くらい前に加入したものですが、今さら見直すメリットってあるのでしょうか?
 
ガイド:医療保険の見直しのメリットを気になさっているのですね。実はここ20年くらいで、医療保険も、社会環境や医療技術に合わせて内容がかなり変わってきています。Sさんは健康でいらっしゃるので、ご自身の目的に合わせて、医療保険もしっかりと選べばメリットを感じられる方法があるのではないかと思います。
 
Sさん:医療保険ってそんなに変わってきているのですか?
 
ガイド:例えば、1990年代後半から保険の競争促進に向けた規制緩和が進み、2001年には医療保険分野に大手の生損保会社が特約ではなく、単独の商品として参入することが認められました。それによって、単独の医療保険商品が一気に増えてきたわけです。
 
Sさん:大手生保でしたら、頻繁に訪問に来たのを覚えています。
 
ガイド:そうでしょうね。その後、医療保険の内容も、各社の競争によって、入院日数の扱い、手術の種類、先進医療、保障期間や解約返戻金の有無など、様々なタイプが増えてきました。
 
Sさん:今聞くと、そんな変化があったのかと思いますが、当時は実感がなかったですね。
 
ガイド:また、健康保険制度でも大きな変化がありました。病院などにかかった際の1ヶ月の自己負担額に上限がある高額療養費制度(※参考記事)はご存じですよね。

(※)参考記事:健康保険でカバーできる範囲ってどこまで?(高額療養費について)
 
Sさん:はい。それは知っています。
 
ガイド:高額療養費制度そのものは1973年からスタートしましたが、時代とともに自己負担上限の金額が変わり、1991年より一律6万円、その後、徐々に上がり、1996年5月末には6万3600円となりました。しかし、その計算方法が大きく比例的な計算に変わったのが2001年。年収約370~約770万円の方については、「8万100円+(総医療費※ ‐26.7万円)×1%」を上限とする現在のような計算式になりました。しかも所得の多い人は自己負担上限が引き上げられて多く負担するようになったのです。
 
Sさん:そんなふうに自己負担額が上がってきたとは知りませんでした。少子高齢化で医療費の負担が大きくなってきたからですね。
 
ガイド:おっしゃるとおりです。2001年以降も何回かの改正で、高額療養費制度の自己負担額が引き上げられ、それに備えて医療保険に注目し、見直す人も増えたと言えます。今でも保険会社の商品内容や価格競争が続いているのが実情でしょう。

※)総医療費とは保険適用される診察費用等の総額(10割)