ミスショットの高く舞い上がったボールが飛び込んできた

 
ティーチャーズ ハイランドクリーム

ティーチャーズ ハイランドクリーム

ハイボールとは、のつづき。前回の『ハイボールの歴史2』は、19世紀後半アメリカで鉄道網の広がりとともにウイスキー&ソーダという飲み方が定着、敷設工事のなかでハイボールという呼び方が生まれた、という説を紹介した。
今回はもうひとつ、よく語られているイギリスでのゴルフ場誕生説を紹介しよう。
ハイボールの歴史1』で、19世紀前半にワインのソーダ水割の「スプリッツァー」が人気となり、また19世紀半ばのイングランドの上流階級では「ブランデー&ソーダ」がよく飲まれていた、と述べた。
イングランドでは、フランスからはじまったぶどう樹のフィロキセラの害によって19世紀半ば過ぎからワイン、ブランデーの入手が難しくなった。そこに1860年以降、スコッチのブレンデッドウイスキー誕生とともに、ブランデーに変わってウイスキーが人気となる。
ウイスキーの品質が玉石混淆の時代に、モルトとグレーンを混和したブレンデッドウイスキーは口当たりがよく飲みやすく、味わいも安定していたのである。しかもイギリスは19世紀後半にソーダ水大量生産時代に突入した。「ブランデー&ソーダ」を嗜んでいた人たちが「ウイスキー&ソーダ」に移っていったことだろう。
さて、ハイボールである。ゴルフ場はどこか。どこのゴルフクラブだったのか。どうやら記録はないらしい。それらしい文献にも出会っていない。わたしはイングランドのゴルフクラブだと思っている。またはイングランド人だと。スコットランドの人が、ウイスキーをソーダ水で割って飲む、という感覚はなかったのでは、と勝手に思っているだけなのだが。
 

ティーチャーズ・スモーキーハイボールを飲もう

ゴルフ場説はこうである。前回記事のアメリカ鉄道説よりも、なんだか嘘くさい。
あるゴルフクラブのテラスで、ゆったりとウイスキーを飲みながらスタート待ちをしていた紳士がいた。ところが予定時刻よりも早く自分の名前がコールされる。紳士は慌てて、チェイサーにしていたソーダ水をウイスキーの入ったグラスに注ぎ、急いで口に流し込んだところへ、誰かが打ち損じたボールがテラスに飛び込んできたので、「おお、ハイボール」と叫んだらしい。
そこからウイスキー&ソーダをハイボールと呼ぶようになったというものだ。
ニュアンスが微妙に異なる説もある。わたしがなんとなく、まあこっちのほうじゃないのと思えるのが、はじめから紳士はウイスキー&ソーダを飲んでいて、そこへ高く舞い上がった打ち損じのボールが飛び込んできた、というもの。
 
ティーチャーズ・スモーキーハイボール

ティーチャーズ・スモーキーハイボール

早い話、ハイボールのはじまりがどうのこうのより、美味しければ、ああ旨いなー、とこころが満たされればいいのである。
今回おすすめするのは、ブレンデッドスコッチのスモーキーハイボール。
「ティーチャーズ ハイランドクリーム」(700ml・40%・¥1,270税別希望小売価格)をソーダ水で割ってみよう。
1863年誕生の「ティーチャーズ」は大麦由来の甘みやほのかなフルーティーさが感じられる古典的なブレンデッドの味わいをいまに伝えつづけている。そしてキーモルトであるアードモアの爽やかなスモーキーさも抱いているので、ソーダ水で割ると、すっきりとした心地よいスモーキーさのなかから柔らかい甘みが浮遊する。
ティーチャーズ・スモーキーハイボールにはまる人は多いのではなかろうか。
では次回はその他のハイボール説も含めて、ウイスキー&ソーダのお話をしよう。(ウイスキーハイボールの歴史4へ)
 

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