駐車場に止まる中古車たち

貯蓄で備えられるかが車両保険が必要かのカギ

自動車保険料に大きな影響を与えるのが、車両保険の有無。新車を買ったときは加入する人が多いですが、中古車を買って購入価格を抑えたときは車両保険に入るか悩む人も多いようです。どのように判断したらよいか、考えてみましょう。
 

貯蓄で対応できるリスクは保険で備えなくてもよい

購入価格を抑えた中古車でも車両保険に入るべきかを考える前に、保険についての基本的な考え方を知っておくとよいでしょう。私たちが払う保険料は、事故が起こったときに保険会社が保険金の支払いに充てる部分と、保険事業を運営するために必要な経費の部分で構成されています。後者があることによって、加入者が払い込んだ保険料以上の保険金を受け取る確率は低くなります。つまり、保険は得することを期待して入るのではなく、そのリスクに備える必要性があるかどうかで加入を判断するべきです。

最大損失額が少額なため貯蓄で対応できるようなリスクは、あえて保険で備えるより貯蓄で対応したほうがよさそうです。発生確率が低くても、貯蓄での対応が難しい高額な損失が発生する可能性があるリスクに絞って保険で備えるというのが、合理的な考え方の一つと言えるでしょう。
 

車両保険の必要性が高い人ってどんな人?

この考え方を自動車保険に当てはめてみましょう。例えば、対人賠償は対象となる事故の発生確率はそれほど高いわけではないのですが、発生した場合には賠償責任として負う損害額が非常に大きくなる可能性があるため、ほとんどの人は保険で備えるべきリスクと言えそうです。一方、自分の車の損害を補償する車両保険では、補償対象となる損失の最大額は自分の車の価値分ということになります。その金額が貯蓄で対応できる金額の場合は車両保険には入らず、対応が難しい金額の場合は車両保険に入ることを検討するのが基本的な判断になるでしょう。
 
購入価格を抑えて中古車にしたのであれば、事故で全損となり買い直す場合でも貯蓄で対応できる可能性は新車に比べて高いはずです。「車両保険は入るもの」と何となく思っているとしたら、一度、その前提を外して考えてみるとよいでしょう。
 
貯蓄での対応が難しい金額は、個々の家計の状況により大きく異なります。金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」(2018年)によると、二人以上世帯の22.7%、単身世帯の38.6%が「金融資産を保有していない世帯」でした。貯蓄がない状況であれば、車の購入金額が数十万円だったとしても、車両保険に入り事故に備える必要があるでしょう。また、貯蓄がある程度あったとしても、車両保険の必要性が高い人もいます。その例を次に挙げてみます。
 
・車の購入代金の全額あるいは近い金額をローンで借りている
・子どもが私立の小・中・高等学校、大学へ進学予定、あるいは通学中など教育費負担が大きい
・住宅購入時に頭金や諸費用の支払いをし、手元のお金が少ない
・販売台数が少ない、古い車のため買い直しが難しく、修理費用が高くなっても乗り続けたい

 
これらの状況とは逆に、車のローンは借りていない、あるいは少額しか残っていない。さらに事故で車を買い直したとしても当面の生活費は十分賄える貯蓄額があり、貯蓄額が減っていくことが考えにくい家計収支の状況であれば、車両保険に入る必要性は低いと言えるでしょう。