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衝動買いの誘惑からお金を護る4つのルール

「気づいたらサイフからお金が無くなってた!」という経験、あなたにはありませんか? 今回は、「衝動買いの大本を断つ!」ことをテーマに、衝動買いの誘惑からお金を護る4つのルールをご紹介します。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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衝動買いからお金を護るには?

「気づいたらサイフからお金が無くなってた!」という経験、あなたにはありませんか?
 
2012年に行われたあるアンケート調査(1)によれば、「よく衝動買いをしてしまう」「たまに衝動買いをしてしまう」という人は、消費者の約7割にものぼるのだとか。どうやら、過半数の方が、衝動買いに悩まされているようです。
 
この問題を解決すべく、以前は「買い物の後悔を防ぐ3つの質問」という記事を執筆しました。この記事では、不要な買い物や割高な買い物を防ぐのに使える、3つの質問を掲載しました。
 
衝動買い

衝動買いをしてしまい、気づいたらサイフからお金が無くなってた……という経験はありますか?

 
とはいえ、「こんな質問で後悔が防げたら苦労しない!」と思っている方もいるようでして。そもそも、「冷静に自問できるような状況だったら、衝動買いなんてしないでしょ?」と思った方も多いでしょう。
 
そこで今回は、「衝動買いの大本を断つ!」ことをテーマに、衝動買いの誘惑からお金を護る4つのルールをご紹介します。
 

元ネタ:自制心が弱まる瞬間「HALT」とは 

個人的な見解としては、「衝動買い」と「自制心」には密接な関係があるのでは?と考えておりまして。その証拠に、自制心を高めるような習慣(感謝)がある人は、衝動買いしにくい傾向がある(2)んです。
 
ですから、衝動買いを抑える根本的な方法としては、「常日頃から自制心が強い人間になる!」というのが効果的かと思います。
 
とはいえ、自制心に関する研究者らによれば、「自制心には限りがあるのでは?」なんて説もある(3)ようでして。自制心を高めることはできても、そうはいっても無限に湧き出てくるものではないようです。
 
よって、衝動買いを抑える現実的な解決策としては、「自制心が弱まっているときに、余計なことをしない!」のがよろしいかと思います。
 
そこで気になるのが、「自制心が弱まる瞬間って、どんなときなの?」という点です。この点については、アルコール依存症やニコチン依存症など、依存性の高い悪習慣の矯正で問題視されている(4)、「HALT」なタイミングというのが、個人的にはしっくりきました。
 
HALTとは、4つの英単語の頭文字を取った造語で、「お酒の誘惑に負けやすい瞬間」や「タバコの誘惑に負けやすい瞬間」をまとめた4つのタイミングを指します。4つの英単語は、それぞれ以下のとおりです。
 
  • Hunger(空腹)
  • Anger(怒り、ストレス)
  • Loneliness(孤独感、寂しさ)
  • Tiredness(倦怠感、疲れ)
 
つまり、「お腹が空いているとき」「ストレスが溜まっているとき」「寂しいとき」「疲れているとき」の4つ​​​​​​​のタイミングでは、人間は(お酒やタバコなどの)誘惑に負けやすく、悪習慣に陥りやすい!ようです。
 

衝動買いを防ぐ4つの対策 

衝動買いを防ぎたい!と考えている方は、誘惑に負けやすい「HALT」に焦点を絞って、それぞれの状況での対策を練っておくのがよいと思います。具体的には、ハイディ・グラント・ハルバーソンが、彼女の著書(5)で取り上げている「if-thenルール」を利用するのがよいかと思います。
 
個人的なオススメは、「Hunger(空腹)」「Anger(怒り、ストレス)」「Loneliness(孤独感、寂しさ)」「Tiredness(疲れ)」を感じたときに、買い物をしないようにルールを決めておくことです。
 
たとえば、こんな具合です。
 
【空腹時の衝動買いを防ぐif-thenルール】
(if)お腹が空いているときは
(then)余計な食べ物を衝動買いしそうだから、買い物の前に食事を済ませる
 
【ストレスを感じるときの衝動買いを防ぐif-thenルール】
(if)ストレスを感じているときは、
(then)運動してストレスを解消してから、買い物に行く
 
【寂しさを感じるときの衝動買いを防ぐif-thenルール】
(if)寂しいと感じているときは、
(then)家族とLINEで2~3通やりとりしてから、買い物する
(if)家族とLINEできないときは、
(then)最近、一緒に行った食事の写真を見て、孤独感を紛らわせてから出かける
 
【疲れを感じるときの衝動買いを防ぐit-thenルール】
(if)疲れを感じているときは、
(then)15分ほど昼寝(パワー・ナップ)をしてから、買い物へ出かける
 
以上のように、自制心が弱まる「HALT」な瞬間に併せて、衝動買いしないための別のプランを用意しておくとよいでしょう。ぼく自身、HALTが原因で衝動買いをしていたことが多かったので、効果はバツグンだと実感しています。
 

まとめ 

衝動買いは、「無意識」のうちに、「自制心が弱まっているとき」に生じがちです。だからこそ、衝動買いを防ぐには、「自分は、どんなときに自制心が弱まってしまうのだろう?」と考え、大本を断つ姿勢が肝心です。
 
とはいえ、「自分は、どんなときに衝動買いをしているだろうか?」とゼロから考えても、なかなか答えは見つかりません。本記事でお伝えした「HALT」を参考にして、あなたなりに、衝動買いを防ぐ作戦を考えてみてはいかがでしょうか。

【関連記事をチェック!】  
●参考文献
  1. 調査:株式会社アスマーク, 2012, "衝動買いに関するアンケート調査"
  2. 論文:David DeSteno, Ye Li, Leas Dickens, and Jennifer S. Lerner, 2014, "Gratitude: A Tool for Reducing Economic Impatience", Psychological Science, 25(6), pp. 1262-1267
  3. 書籍:ロイ・バウマイスター, ジョン・ティアニー, 2013,『WILLPOWER 意志力の科学』, インターシフト
  4. 資料:高木敏, "アルコールに関連した医学的問題", 新町クリニック健康管理センター(厚生労働省WEBページ内にて閲覧, 2018年12月3日時点)
  5. 書籍:ハイディ・グラント・ハルバーソン, 2013, 『やってのける』, 大和書房
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