「自動車保険の選び方」ガイド 平野 雅章

「自動車保険の選び方」ガイド 
平野 雅章

自動車保険の場合、基本的な補償内容については各保険会社で大きな違いはありませんが、実は「保険会社によって差があり、契約者にとって重要なポイント」があります。

私が自動車保険を選ぶときに重視するポイントは次の3つです。
 
  1. 事故対応
  2. 保険料
  3. 特約
 
それでは、ひとつずつ詳細を説明していきましょう。
 

【事故対応】事故対応の評価で参考にしている情報は?

保険会社の事故対応に契約者が満足できるかどうかは、例えば、事故の受付から初期対応までの体制、事故対応担当者の対応、保険会社の調査・認定結果の納得感、保険金支払いのスピード、修理サービスの品質など多くの要素があり、人によってその要素ごとの重要度は異なります。
 
また、これらの要素は、保険会社が提供している情報だけでは差がわかりにくいものも多いのです。そのため、自動車保険について私に相談されるお客様は、インターネットの口コミサイトに書かれた、特定の保険会社の事故対応に関する投稿に強い影響を受けていることも少なくありません。
 
否定的な投稿はどの保険会社でも一定数はあるものですが、体験が生々しく綴られたインパクトのある投稿は、ひとつでも目にしてしまうとその保険会社の印象を大きく変えてしまうこともあります。
 
とはいえ、警察庁交通局 「平成29年中の交通事故の発生状況」によると、平成29年に日本国内で発生した交通事故は約47万2千件もあるのです。気になる否定的な投稿は、この47万件近くもある事故、そしてそれらの事故対応の中の極めてわずかな例である、と理解した上で参考にする必要があるでしょう。
 
「各保険会社の事故対応について多くの契約者がどう評価したか?」を知るために私が参考にしているのは、第三者機関による事故対応満足度の調査です。顧客満足に関する調査・コンサルティングを専門としている会社の中には、自動車保険の事故対応の満足度調査を行っているところもあります。こうした調査は、調査対象者数も多く、人によって重視の度合いが異なる要素を整理してばらつきを抑える方法もとられており、その調査結果は客観性が高いと考えています。調査結果の抜粋はその会社のホームページで誰でも見られるようにしているところもあります。
 
調査会社による事故対応の顧客満足度調査の例
J.D.パワー 2018年自動車保険事故対応満足度調査™
oricon ME「2018年 オリコン顧客満足度ランキング 自動車保険ランキング(事故対応 満足度ランキング)」
お客様の満足・不満の声をまとめて公開している保険会社も
 

初期対応と現場かけつけサービスもチェック

事故対応の評価では上記のような調査結果を私は重視していますが、もちろん各保険会社が明示している情報にも、重視しているポイントはあります。多くの契約者は事故の経験は少なく、全く経験がない人もいます。そして実際に事故にあったときには現場で大きな不安を感じる可能性も高いでしょう。担当者の当日のスピーディーな対応や電話でのサポートだけでなく、現場に頼れる人が来てくれることが、不安感の解消に大きく貢献すると考えています。
 
これらを保険会社が明示している情報に当てはめると、「当日中の初期対応の締切時間」、そして「現場かけつけサービスの有無」ということになります。
 
①当日中の初期対応の締切時間
事故時の初期対応として多くの保険会社が挙げている内容は、事故の相手への連絡、代車の手配、修理工場への連絡、医療機関への連絡などで大差はありませんが、「当日中の初期対応の締切時間」は保険会社によってかなり違いがあります。
 
現時点(2018年9月)で、ダイレクト自動車保険では、「平日・土日・祝日とも20時までに事故受付を完了すると当日中の初期対応を行う」としている保険会社が多いです。「土日・祝日は17:00まで」としている保険会社もあります。もちろん、締切時間が遅い保険会社を高く評価しています。

②現場かけつけサービスの有無
事故にあったとき、保険会社の事故受付センターは24時間365日対応してくれるのが当たり前になっています。しかし通常、保険会社の担当者が事故現場に来てくれるわけではなく、わからないことがあれば電話でサポートを受けるのが基本です。
 
しかし、このところ、ダイレクト自動車保険を中心に導入する保険会社が増えてきたのが、提携したセキュリティ会社の警備員が24時間365日対応で事故現場にかけつけ、契約者のサポートをしてくれるというサービスです。現時点(2018年9月)では、4社がいわゆる「事故現場かけつけサービス」を無料で提供していますが、特約の補償・サービスの一部として有料で提供している保険会社もあります。
 
サポートの内容は自分たちでやろうと思えばできるものではあるのですが、そもそも事故現場で当事者は平常心でいられないことも多く、現場で冷静に状況を見てサポートしてくれる人がいる安心感はとても大きいものです。また、事故の相手方とのコミュニケーションが難しい、あるいは問題が発生しそうな場合に、第三者であるセキュリティ会社の人がいることで、トラブルの発生を防ぐ効果も期待できそうです(ただし示談交渉をしてくれるわけではありませんのでご注意を)。
 
現時点では、このサービスを導入している会社ごとにサポート内容を比較しても、ほとんど差はみられません。具体的なサービス内容は、例えばソニー損保の「セコム事故現場かけつけサービス」の内容を確認するとよいでしょう。サービスを導入している保険会社はまだ多くはないですが、私は事故対応の評価を加点して考えるようにしています。
 
 
【保険料】保険料の評価は条件に左右される