『給与所得者の保険料控除申告書』の書き方、記入の方法

サラリーマンが、年末調整で生命保険料、地震保険料などの保険料控除を受けるために提出する書類のことをいいます。用紙は大きく4つに分けられており『生命保険料』『地震保険料』『社会保険料』『小規模企業共済等掛金』について記入する様式となっています。

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給与所得者の保険料控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書



 

生命保険料控除欄と保険料控除証明書

生命保険料控除は、「一般の生命保険料」、「介護医療保険料」、「個人年金保険料」の3種類に分けられており、合計で最大12万円の控除を受けることができます。加入している保険がどの種類に該当するのか、年間に払い込んだ(払い込む予定の)保険料がいくらなのかは生命保険会社から送られてくる『保険料控除証明書』に記載されていますのでそれを転記します。なお証明書には年間払い込み予定額が記入されていると思いますので記入にはその額を使用します。
 
生命保険料控除欄

生命保険料控除欄


なお生命保険料控除は「一般」「介護医療」「個人年金」合計で最大12万円受けられると書きましたがそれぞれの上限額は決まっており、例えば「一般」しか加入してない方がそれのみで12万円まで受けられるわけではありません。また「一般」「個人年金」には加入した時期で旧契約(平成23年までに契約)と新契約(平成24年以降に契約)があり、それを含めたそれぞれの上限額、全体としての概念図は下図のようになります。

 
生命保険料控除限度額(国税HP図一部改筆)

生命保険料控除限度額(国税HP図一部改筆)

 

一般の生命保険料控除の記入例

国税のHPには記載例が載っていますのでそれを基に実際の記入方法をみていきます。
モデルケースの渡辺正さんは次の2つの生命保険に加入されています。

①●●生命 養老保険 期間10年 契約者(渡辺正)保険金受取人(妻:渡辺弘美)区分は新契約 年間支払い保険料25,000円

②●●生命 養老保険 期間10年 契約者(渡辺正)保険金受取人(妻:渡辺弘美)区分は旧契約 年間支払い保険料80,000円


生命保険会社からの『保険料控除証明書』をもとに上記情報を転記します。次に新契約に該当する保険料の合計額を(A欄)に、旧契約に該当する保険料の合計額を(B欄)に記入します。モデルケースでは新契約保険、旧契約保険は各1つですので各年間保険料をそのまま(A欄)に25,000円、(B欄)に80,000円と記入します。

 
生命保険料控除証明書転記例(国税HP図一部改筆)

生命保険料控除証明書転記例(国税HP図一部改筆)




次に新契約保険料合計額(A欄)、旧契約保険料合計額(B欄)からそれぞれの控除額を計算します。計算には申告書下部にある計算式を使いますが、新契約には『計算式Ⅰ(新保険料等用)』を、旧契約には『計算式Ⅱ(旧保険料等用)』を使いますので間違わないようにしてください。モデルケースではそれぞれの控除額は以下になります。

新契約控除額:25,000×1/2+10,000=22,500円
旧契約控除額:80,000×1/4+25,000=45,000円


控除額を計算したら新契約については(①欄)に、旧契約については(②欄)に記入したうえで(①欄)と(②欄)の合計額を(③欄)に記入しますが、新契約と旧契約を合計する際の控除額上限は4万円ですので注意が必要です。モデルケースでは(①欄)22,500円、(②欄)45,000円であり合計は67,500円ですが上限額が4万円なので(③欄)へは40,000円と記入します。最後に(②欄)と(③欄)を比べて大きい額を『イ欄』に記入します。

モデルケースでは(②欄)が大きいので『イ欄』は45,000円となり最終的にこの額が一般の生命保険で受けられる控除額となります。お気づきのように今回のケースでは新契約と旧契約の合計で控除を受けるより旧契約のみで控除を受けた方が控除額は大きくなり税負担が少なくなります。申告書は手順に沿って記載していけば納税者に有利になるよう作られていますので新旧契約を合わせるかどうか悩む必要はありません。

 
一般生命保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

一般生命保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

 

介護医療保険控除の記入例

モデルケースの渡辺正さんは以下の介護保険に加入されています。

①●●生命 介護保険 期間10年 契約者(渡辺正)保険金受取人(妻:渡辺弘美)

年間支払い保険料80,000円

先ほどと同様『保険料控除証明書』をもとに上記情報を転記したのち年間保険料を(C欄)に記入します。介護医療保険が複数ある場合は年間保険料の合計額を記入します。その後(C欄)の金額をもとに控除額計算をしますが計算には申請書下部の『計算式Ⅰ(新保険料等用)』を用います。モデルケースでは控除額は以下になります。

介護医療保険控除額:80,000×1/4+20,000=40,000円

『ロ欄』には40,000円と記入し、これが介護医療保険で受けられる控除額となります。
 
介護医療保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

介護医療保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

 

個人年金保険控除の記入例

モデルケースの渡辺正さんは次の2つの個人年金保険に加入されています。

①●●生命 ○○年金 期間30年 契約者(渡辺正)保険金受取人(渡辺正)区分は新契約 年間支払い保険料90,000円
②●●生命 ○○年金 期間30年 契約者(渡辺正)保険金受取人(渡辺正)区分は旧契約 年間支払い保険料30,000円


手順は一般の生命保険料控除の際と同じです。まずは『保険料控除証明書』に書かれている内容転記します。そののち新契約に該当する個人年金保険料の合計額を(D欄)に、旧契約に該当する個人年金保険料の合計額を(E欄)に記入します。モデルケースでは新契約保険、旧契約保険は各1つですので各々の年間保険料をそれぞれの合計額として(D欄)には90,000円、(E欄)に30,000円と記入します。
 
個人年金保険料控除証明書転記例(国税HP図一部改筆)

個人年金保険料控除証明書転記例(国税HP図一部改筆)




次に新契約は『計算式Ⅰ(新保険料等用)』を用いて、旧契約は『計算式Ⅱ(旧保険料等用)』の計算式を用いてそれぞれの控除額を計算し新契約は(④欄)に旧契約は(⑤欄)に記入します。次に(④欄)と(⑤欄)の合計額を(⑥欄)に記入しますが(⑥欄)記入の際には新契約と旧契約を合計する場合の控除額上限が4万円であることに注意が必要です。

モデルケースでは新契約控除額(④欄)は40,000円、旧契約控除額(⑤欄)は27,500円であり計算上は合計額が67,500円になりますが上限額は4万円なので(⑥欄)には40,000円と記入します。最後に(⑤欄)と(⑥欄)を比べて大きい額を『ハ欄』に記入します。モデルケースでは(⑤欄)が大きいため『ハ欄』には40,000円と記入し、この額が個人年金保険で受けられる控除額となります。
 
個人年金保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

個人年金保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)



 

最終的に生命保険料控除額はいくら?

これまで「一般」「介護医療」「個人年金」それぞれの種類ごとの控除額を計算してきましたが、最終的な生命保険料控除はその合計額になります。ただし前述したように生命保険料控除額の上限は12万円でありそれ以上は控除を受けられません。モデルケースでは「一般(イ欄)」45,000円+「介護医療(ロ欄)」40,000円+「個人年金(ハ欄)」40,000円の合計額は125,000円ですが、上限額が12万円ですので最終的な生命保険料控除額は12万円となります。
 
個人年金保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)

個人年金保険料控除額計算(国税HP図一部改筆)



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監修・文/井出やすひろ(CFP・1級FP技能士・MR)
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