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圓光寺の観光!坐禅体験や苔庭など見どころ、アクセス

枯山水の奔龍庭と苔と紅葉の競演する十牛之庭という、対照的な雰囲気の2つの庭園が楽しめる圓光寺。洛北最古の栖龍池が静寂さを醸し出す十牛之庭は、夏は圧倒的な緑、秋は緑と赤とのコントラストで見る者を魅了します。寺宝館に展示される貴重な文化財にも注目!

塩田 典子

執筆者:塩田 典子

一人旅ガイド

京都・圓光寺の見どころ解説! 立地と歴史

圓光寺 円山応挙筆「雨竹風竹図屏風六曲一双」

円山応挙筆「雨竹風竹図屏風六曲一双」※撮影不可。特別に許可を得て撮影

慶長6年(1601)に徳川家康が足利学校から禅師を招いて開いた学校が始まりで、多くの人材を育んできたほか、多くの書籍の出版も行ない、日本最古の木製活版文字約五万個(重文)が所蔵されています。また運慶作と伝わる御本尊の千手観世音菩薩坐像や、開山した元佶禅師頂相(重文)、円山応挙作の「雨竹風竹図屏風六曲一双」(重文)など多くの貴重な文化財が所蔵されているお寺です。

<目次>  

圓光寺の見どころ1.荒々しい動きのある、平成の枯山水「奔龍庭」

正門を入ると目の前に広がるのが、平成25年に造られた枯山水「奔龍庭」です。渦を巻き、さまざまな流れを見せる白砂を雲海に、石組みを龍に見立てているそう。切り立った石柱は稲妻を表し、荒々しく躍動感のある印象を受けます。通常、庭園の境界に置かれる留め石を置かないことで、未完のままとされています。園内からは美しい山並みが映え、春はしだれ桜が、秋は紅葉が色を添えます。
圓光寺 奔龍庭

奔龍庭

「奔龍庭」の奥に圓光寺の本堂が

奔龍庭の奥に瑞雲閣が

圓光寺の見どころ2. 苔と青モミジの「十牛之庭」

もうひとつの庭園が、本堂に面した池泉回遊式庭園「十牛之庭」。江戸時代に造られたこの庭は、まず本堂の柱を額縁に見立てた“額縁庭園”として、絵画のように鑑賞することができます。縁側に敷かれた毛氈に腰を下ろし、心静かに眺めたいもの。毛氈の赤が庭園の緑を一層鮮やかに見せてくれます。
圓光寺の額縁庭園

額縁庭園

額縁庭園で心を落ち着かせたら、庭園を散策してみましょう。本堂から庭園への出入り口に置かれた水琴窟の竹筒に耳を澄ませると、美しい音色が響き渡ります。
圓光寺に行ったら聞きたい水琴窟

本堂前の水琴窟

庭園に出てみると、ウマスギゴケのじゅうたんの美しさにより一層心打たれるでしょう。
圓光寺の苔庭・十牛之庭

十牛之庭

庭園の題材となった、牛を追う牧童の様子を描いた「十牛図」に登場する、牛に見立てた石やお地蔵さまが苔庭に点在。うっすらと苔をまとって、苔庭と一体化して見えます。庭園南側には洛北最古の栖龍池が静かに水をたたえています。池の横には、円山応挙が訪れたという応挙竹林が広がります。
圓光寺のお地蔵さま

苔をまとったお地蔵さま

2019年9月30日(月)まで「苔と青もみじの名所/御朱印めぐり」キャンペーンを実施中。ツアー参加特典として、青もみじの名所と呼ばれる圓光寺をはじめ、対象11社寺で季節限定の青もみじのデザインが施された特別御朱印を2枚受けることができます。
圓光寺の青もみじ御朱印

圓光寺の青もみじ御朱印


【関連サイト】
JR東海「そうだ 京都、行こう。」苔と青もみじの名所/御朱印めぐりキャンペーン
 

圓光寺の見どころ3. 早朝の苔庭作務と坐禅体験

こちらでは毎週日曜早朝、事前予約制で坐禅会を開催していて、朝6:00~8:00に暁天坐禅、作務、法話、朝粥を体験できます(志納金1000円。前日の17:00までの要予約)。
圓光寺のご住職からの法話

ご住職からの法話もしっかり心に留めておきましょう

坐禅堂では坐禅を組み、心がざわついたら警策(きょうさく)を受けて喝を入れていただきます。こちらの坐禅堂は明治以降、日本で唯一の尼僧専門道場で近年まで実際に修行が行われてきた場所だけに、10分ほどの坐禅後、経行(きんひん)といってお堂の周りを歩き、足をリラックスさせ、再び坐禅を組むという本格的な流れをひと通り行います。
坐禅体験

早朝の坐禅体験

圓光寺でおこなう経行(きんひん)

坐禅を10分ほど行ったあと、経行(きんひん)を行う


また作務とは苔庭の落ち葉などを集める作業のこと。澄んだ朝の空気に包まれてもくもくと作務に集中するうち、心まで澄み渡ってくるような心地になれます。
早朝の苔庭作務

早朝の苔庭作務

通常は草履を履いての作務体験のところ、2019年6月30日(日)6:30~10:30(雨天実施)の「早朝の苔庭作務と坐禅体験」では、坐禅体験を行った後、特別に裸足で体験することができます(希望者は草履貸与)。また圓光寺の苔を一部使った苔玉を持ち帰ることもできます。ひんやり、しっとりと潤う苔を素足に感じながら行う作務は、ひと味違った体験になるはずです。
圓光寺の苔庭作務

早朝の苔庭作務

【関連サイト】
JR東海「そうだ 京都、行こう。」苔むす京の名刹で一流から学ぶ本気の苔体験プラン
 

圓光寺の見どころ4. 秋は紅葉と苔庭の競演が。早朝の庭園開放も/見頃 例年11月下旬

苔庭を覆うのはモミジの木々。例年11月下旬ともなると、真っ赤に色づき、敷紅葉として楽しむことができます。毎年、紅葉の最盛期の1週間程度に限り、拝観時間前に1日70人限定で早朝の庭園を開放しています。朝露に濡れた秋の庭園を静かに鑑賞できる、またとない機会です(例年11月20日前後の1週間程度、7:30~、参拝料1000円。※完全予約制(申込は10月20日頃~)。紅葉時期のライトアップは行われません。
圓光寺の苔庭で見られるウマスギゴケ

ウマスギゴケの上に色づいた散りモミジが

圓光寺の御朱印について

御朱印は拝観受付で拝受できます(9:00~16:30、300円)。御朱印は1種類で、オリジナルの御朱印帳の用意は特にありません。

圓光寺へのアクセス、拝観料、拝観時間など基本情報

  • 住所:京都府京都市左京区一乗寺小谷町13
  • TEL:075-781-8025
  • 拝観時間:9:00~17:00閉門
  • 拝観料:大人500円
  • アクセス:叡山電鉄叡山本線一乗寺駅から徒歩15分、または市バス5系統の一乗寺下り松町下車徒歩10分
  • サイト:http://www.enkouji.jp/


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