決算発表一巡、好決算の5銘柄をピックアップ

19年3月期の第1四半期(4~6月)、18年12月期の第2四半期(1~6月)決算発表が一巡しました。日本経済新聞によれば、4~6月期の経常利益(除く金融)は前年同期比16.5%増となりました。19年3月期通期では2.1%増益で、期初からは若干の上方修正になっているようです。米中貿易摩擦など外部環境が不透明な割には健闘した感もあります。そこで今回は好決算の5銘柄をピックアップしてみました。主力株は避け、私の独断で決めています。参考になれば幸いです。
 

銘柄① ファンケル <4921>

同社は通信販売が主力の無添加化粧品メーカー。サプリや健康食品にも展開。中国や米など海外展開を拡大している。

1970年代に業界全体として化粧品を腐らせないために防腐剤などの保存料が使われていたが、これを使用した消費者が肌のトラブルに見舞われることが激増していた。同社ではこれに解決するために化粧品が傷まないうちに使い切ることができる小さな容器(5ミリリットル)に無添加の化粧品を入れて発売。「世界初の無添加化粧品」の誕生となった。現在ではスキンケア、メイク、ヘアケア、ボディケアにいたるまで防腐剤や香料など肌の負担になる可能性のある成分を一切使用しない製品のラインナップを拡充してきている。

先に発表した19年3月期の第1四半期(4~6月)決算は売上高307億9900万円(前年同期比19%増)、営業利益44億8700万円(3.7倍)となった。化粧品では主軸のファンケル化粧品で「マイルドクレンジングオイル」や基礎化粧品、シャンプーなどが拡大している。サプリでは内脂サポートのほか、「ディープチャージ コラーゲン」、「年代別サプリ」などが伸びている。販路は注力している店頭販売が前年比72%増となっている。出足の好スタートを背景に、早くも19年3月期業績予想を上方修正。売上高は期初予想を75億円上回る1220億円(前期比12%増)、営業利益は27億円上乗せの122億円(同44%増)、1株利益は132.1円になる見通し。インバウンド需要が想定を上回っていることなどを要因としている。

営業利益はこれまで最高だった2000年3月期の115億4300万円を抜き、19年ぶりの最高益更新となる。
 

銘柄② JUKI <6440>

アパレル向け工業用ミシンの世界トップメーカー。チップマウンター(表面実装機)にも展開している。

足元で業績をけん引しているのが、このチップマウンター事業だ。チップマウンターとはプリント基板の表面に電子部品を実装(配置)する装置。チップ型の電子部品はリール上にまとめられ、専用の供給装置で自動供給される。ここからプリント基板にクリーム状のはんだを塗った状態で配置される。次の工程で電子部品とプリント基板がはんだ付けされる。同社はシェアで世界2位グループにあると推計される。FA(工場の自動化)の進展で、このチップマウンターの需要が急増している。また、高性能な新製品を投入し、これが世界最大の市場である中国で高評価。需要に生産が追いつかない状況となっているという18年12月期の第2四半期(1~6月)の産業機器&システム事業部門の売上高は183億2300万円(前年同期比17%増)、セグメント利益は18億100万円(同60%増)となった。

全体としては売上高532億3500万円(同10%増)、営業利益36億5000万円(同1%増)だった。上期の営業利益は計画を11億5000万円上回っている。主力の縫製機器部門ではハイエンド向けの拡大で売上高が同7%増となったものの、人民元高やミドルマーケット向けの販促費用の計上などで同28%減益となった。下期に入り元安となっており、損益の改善が期待される。通期では売上高1040億円(前期比微増)、営業利益55億円(同33%減)、1株利益119.41円を計画している。上期時点での営業利益の進ちょく率は66%と高水準。
 

銘柄③ 竹本容器 <4248>

化粧品・食品向けが主力のプラスチック製包装容器専業。自社開発の金型を多数保有し、短納期に強みがある。

インバウンド(訪日外国人)客やシニア層など向けに化粧品の売上高が増加する中にあって、同社の容器への引き合いが強まっている。同社が先に発表した18年12月期の第2四半期(1~6月)決算は、売上高76億8500万円(前年同期比10%増)、営業利益8億5800万円(同20%増)となった。同社所有の金型を使って生産したスタンダードボトルの品揃え強化と、開発提案型営業の進展で、売上高の約6割を占める化粧・美容関連を軸に売上高を伸ばしている。

同社ではボトルのカスタマイズ(着色や印刷などの加飾)を行うことで顧客商品の価値を高め、リピート受注をつかんでいる。容器の成形に不可欠な総金型数を増やし、ニーズを取り込んでいる。国内では化粧品メーカーが中身に専念し、ボトルを外注する動きが活発化している。幅広い品揃えと短納期で応える同社の存在感が増している。一方、中国でも所得の向上により、高価格帯の化粧品や美容関連製品が拡大している。上期の中国向け売上高は前年比19%増となった。

通期では売上高155億円(前期比9%増)、営業利益15億500万円(同7%増)を見込んでいる。営業利益は前回予想より1億6600万円の増額となり、一転して増益見込みとなっている。人件費や原料のプラスチック価格上昇、生産設備増強による減価償却費増などを、販売増でカバーする。上期時点での進ちょく率は57%となっており、なお余裕含みと見ることができる。
 

銘柄④ ヤマハ <7951>

同社はピアノやギター、管楽器など楽器を総合的に扱う大手。電子ピアノで世界首位。音響機器や、FA機器などにも展開している。

好調な業績を素直に評価したい。先に発表した19年3月期の第1四半期(4~6月)決算は、売上高1051億円(前年同期比4%増)、営業利益132億円(同15%増)となった。部門別では主力の楽器事業がけん引し、同24%増の102億円となった。ギターやポータブルキーボードが2ケタ増となり、デジタルピアノが新商品の投入効果が発現。全商品カテゴリーで前年を上回ったとしている。

地域別では中国が好調に推移している。国民の所得向上や文化レベルの底上げで楽器に対する関心が高まっていることが背景。中国での楽器販売は前年比15%増になったと見られ、会社計画を上回っている。「これまでは現地の音楽学校の先生が勧める楽器を購入する傾向にあったが、SNSなどネットが普及するにつれて当社製品の品質の高さが認知されてきた面がある」(会社側)とい、同国内でのシェアが拡大基調にある。値上げも順調に進んでいるという。足踏みとなっていた北米も復調している。

FA(工場自動化)機器を含むその他事業の部門利益は前年比8%増の15億円となった。同社では産業用ロボットに使われる電動アクチュエーター(駆動装置)、研削研磨加工用ロボットシステムなどを手がけているが、FA化の流れで引き合いが活発になっている。一方、音響機器事業が減益となった。これは自動車など他の産業同様に電子部品の需給がひっ迫し、コストアップになっていることなどが要因。下期からの改善を目指しているもようだ。
通期では売上高4420億円(前期比2%増)、営業利益550億円(同13%増)、1株利益219.9円を計画している。営業利益は連続での過去最高益更新となる。
 

銘柄⑤ ビジョン <9416>

WiFiルーターレンタルサービスとWebマーケティング支援などの情報通信サービスが収益の2本柱。特にグローバルWiFiサービスが業績をけん引している。

海外旅行客、インバウンド(訪日外国人)客向けにWiFiルーターを定額でレンタルする。海外向け「グローバルWiFi」は、世界30以上の通信会社と連携。携帯のパケットに比べて半額以下の料金が可能となっている。日本と同じ高速通信規格4GLTEに対応している国数が業界最多クラスを誇り、高速インターネットが使え利用にストレスを感じることがない。また、大容量のプランでSNSでの写真のアップなども安心して使えるという。国内空港や現地で受け取り、返却できるなど使い勝手も良い。

グローバルWiFiで筒買ったノウハウを活かし、インバウンド向けの「NINJA WiFi」も展開している。政府観光局によれば、18年1~6月に日本から海外への渡航者は878万人(前年同期比4%増)、訪日外国人は1598万人(同16%増)となった。同社では言語をサポートする音声翻訳機「ili」(イリー)や「POCKETALK」(ポケトーク)のレンタルも行っている。

業績は好調だ。先に発表した18年12月期の第2四半期(1~6月)決算は、売上高98億5500万円(前年同期比18%増)、営業利益12億3600万円(同45%増)となった。新規やリピート利用のレンタル件数が増加しているほか、RPA(ロボットによる業務自動化)活用による原価率低減などの効果も出ている。情報通信サービス事業も安定的に伸びた。通期では売上高205億9900万円(前期比17%増)、営業利益22億5200万円(同26%増)、1株利益93.7円を計画している。

※株式投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願いします。
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