マーケティング

ペルソナとは? ビジネスでの意味と使い方

マーケティング業務に関わる人なら聞いたことがあるであろうビジネス用語、「ペルソナ」。ペルソナとは、商品やサービスを利用するターゲットとなる顧客モデルのことを指します。ペルソナの基本知識をはじめ、マーケティングにおける重要性やメリット、設定する上での注意点について解説していきます。

執筆者:All About 編集部

ペルソナとは?ビジネス・マーケティングの基本知識

ペルソナとは?意味とマーケティングにおける使い方や作り方

ペルソナとは

マーケティング業務に関わる人なら必ず聞いたことがある「ペルソナ」という用語。「ペルソナ」とは、商品やサービスを利用するターゲットとなる顧客モデルのことを指します。この記事では、ペルソナの基本知識をはじめ、マーケティングにおける重要性やメリット、設定する上での注意点について、詳しく解説していきます。
   

マーケティングにおけるペルソナの意味とは?

ペルソナ(persona)とは、直訳すると「人格」という意味。商品やサービスを利用する典型的な顧客モデルのことで、マーケティングにおける概念です。

商品開発やwebサービスについてビジネスを考える際に、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、家族構成、趣味、特技、価値観、ライフスタイルなど、実際に実在しているかのようにリアリティのある仮想の顧客プロフィールを作ります。このように細かく作り上げた顧客プロフィールがペルソナであり、具体的な顧客モデルを想定して戦略を明確にするためにペルソナの設定は有効です。
 

ペルソナとターゲットはこんなに違う!具体例

ペルソナと同じような意味のマーケティング用語に「ターゲット」がありますが、ペルソナはターゲットよりも一層人物像をはっきりとさせたものであるといえます。

■例:ターゲット
30~40代 専業主婦

■例:ペルソナ
名前:後藤智美
年齢:38歳
職業:専業主婦
住所:宮城県仙台市
家族構成:大手地銀に勤める夫と高校生の息子の3人家族
具体像
  • 最近スマートフォンに機種変更、機械類の使い方に疎い
  • 息子の大学受験を視野に入れ、パートタイム勤務しようか検討中
  • ネットでは時短料理のレシピなどをよく閲覧する
このように、ペルソナでは「専業主婦」からさらに踏み込んで、顧客の人物像を絞り込んでいきます。代表的な顧客としてペルソナを設定することで、背後にいる多くの顧客が求めるものを提供することにつながるのです。
 

マーケティングにおける重要性

商品開発やwebサービスのマーケティングには、性別や世代もさまざまな人間が関わります。関係者間での認識が共有できていないままマーケティングを始めてしまうと、それぞれの考える顧客像にばらつきが出てしまうため、そのばらつきを統一する手段としてペルソナが必要となります。

また、マーケティングにおいてターゲット像を絞り込むことで効果的な集客や情報伝達に繋がります。「誰もが対象」のものは誰にも響かないのです。ターゲットを統一して商品に関する方針や具体的なイメージを固めるのに、ペルソナは有効といえます。
 

ペルソナを設定するメリット

■顧客像を明確化し、需要とのズレを防ぐことができる
定量データやユーザーの意見を反映させてペルソナを作ることで、顧客像を明確化することができます。また、ペルソナが何に困っていて、何を必要としているのかなど、すべて顧客像を軸に考えていくことになるので、ペルソナの背後にいる実際の想定ユーザーの要望を満たすことになり、需要とのズレを防ぐことができるのです。

■顧客像を明確化することで時間、コストの削減ができる
リアリティのあるペルソナを設定することで、ペルソナの要求に応えるためのアイディアだけに専念して考えることができます。あらゆるターゲットに当てはめようとせず、対象内のユーザーやアイディアに集中してクオリティを高めることができるので、コストカットやタイムロスを防げます。
 

ペルソナ設定における注意点

1.思い込み、先入観はペルソナに反映しない
ペルソナは、精度が低ければ効果的に機能しません。ペルソナを作成する上で注意しなければならないのは、思い込みや先入観を反映させないことです。「こういうものが好きな人は、○○も好むはずだ」とイメージや希望でペルソナを作り上げてしまうと、ただの都合のよい架空人物になってしまいます。統計などの定量データを参考にしたり、ユーザーの生の声を反映させるなど、必ずリアルな情報を基準にして反映させることで、精度の高いペルソナの作成につながります。

2.必要な情報に絞る
ペルソナは、基本的には架空のユーザー1人を作成するものです。統計から得たデータをもとに、平均的な人物像を作り上げていきますが、大量にある情報を1人にまとめるのはなかなか大変です。場合によっては必要な情報だけに絞る必要もあります。

また、ペルソナは無理に1人に絞る必要はありません。ターゲットとなる年齢層にばらつきがある場合などは2、3人のペルソナを考えてもいいですが、施策や方針がブレてしまう可能性もあるので、それぞれのペルソナが共通する部分は明らかにしておきましょう。あくまでペルソナは、顧客像を明確化するために作成するものです。

3.誰にでもイメージできるようにする
ペルソナを設定することで関係者の認識の共有に役立ちますが、同じイメージを持てなければ意味がありません。関係者間で常にイメージを共有するためにも、イメージに合う人物像の写真を探してきて、その写真に写る人の外見からイメージして人物像を考えてもいいでしょう。ペルソナは誰でもイメージできる平均的な人物像であることが望ましいのです。

4.ペルソナは定期的に見直す
ペルソナは、その時代の背景に合わせて作られた架空の人物です。ビジネスをすすめていく上で変更や修正が加わっていくものなので、定期的に見直すことを前提に作るようにしましょう。1年に一度は見直して、今の時代にペルソナが合っているかを定期的に見直しましょう。
 

まとめ

顧客のニーズを的確に把握するために、典型的な顧客モデルであるペルソナを設定することで、顧客像を明確化してマーケティングに活かすことができます。マーケティングの軸となるペルソナ設定、簡単ではありませんが、ぜひ挑戦してみてください。

文/鈴木麻理奈


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