医療機関にかかっていなかった自殺者も多い

自殺対策白書undefined日本と米国の対策

自殺の現状と対策


この6月、厚生労働省より、平成30年版「自殺対策白書」が公開されました 。

昨年の自殺者数は2万1,321人で、前年と比べ20歳代以上の各年齢層で減少したものの、19歳以下の自殺者数は、前年より微増しています(※1、2) 。

実は、15~39歳の各年代の死因の第1位が「自殺」。こうした若い世代で死因の第1位が自殺であるのは先進国では日本のみで、その死亡率も他の国に比べて高く、深刻な状況にあります。

自殺の原因を考えるとき、よく「うつ病」等のメンタルヘルスの問題を思い浮かべますが、実際は、多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きているため、「精神科や神経科、心療内科等にかかっていなかった」という自殺者も少なくありません。

米国では「医療機関にかかっていなかった人が全自殺者のうち半数以上にのぼる」ことを明らかにしたうえで、「自殺リスクのある人の存在に気づき、助けよう」と疾病管理予防センター(CDC)が『CDC Vital Signs (命にかかわるサイン)』 を公開しました。
 

このサインが現れたら要注意!12の自殺の危険信号

まずは「自殺前に、人はどのような言動をとるものなのか?」、12の自殺の危険信号をご紹介します(※3)。
 
  1. 自分が重荷になっているように感じている
  2. 孤立している
  3. 不安になることが増えている
  4. 陥れられたように感じる、あるいは、耐えられない痛みのなかにいるような感じだ
  5. アルコールや薬物等、依存性物質の使用が増えた
  6. 致死手段にアクセスする方法を探している
  7. イライラすることや激怒することが増えた
  8. 気分の起伏が激しい
  9. 絶望を表している
  10. ほとんど眠らない、あるいは、眠り過ぎる
  11. 「死にたい」と話したり、SNS等に書き込んだりしている
  12. 自殺の計画を立てている
 

自殺リスク者を助ける5つのステップ

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自殺リスク者を助ける方法


次に「上記の危険なサインが見られる人を、どう助けたらいいのか?」です 。

米国自殺予防ライフラインは、「命を救うのに、必ずしもメンタルヘルスの専門家である必要はない」と述べています。

もし大切な人に、自殺リスクがあるようであれば、次の5つのステップでアプローチしてみてください(※4)。

1.質問する
難しい質問ではありますが、
「自殺について考えていますか?」
とダイレクトに尋ねましょう。

2.安全を確保する
もし自殺を考えているようであれば、
「どんな手段を用いるつもりか」
を尋ね、その人を傷つけるものから離しましょう。

3.傍にいる
自殺を考えるほど絶望的になったり、傷ついたりしている理由を聞きましょう。軽く流したり、判断したりすることなく、思いやりの気持ちをもって、共感しながら話を聞きましょう。

4.つながる支援をする
後述する「いのち支える相談窓口」や「こころの健康相談統一ダイヤル」、家族や友だち、教員や聖職者、上司や同僚、医療者等、サポートシステムとつながれるように手助けしましょう。助けの手を差し伸べてくれるネットワークを持たせるのです。

5.フォローアップする
定期的に、様子をチェックしましょう。
危機的な出来事があった数日間、数週間後に連絡をとり続けることが、自殺をとどまらせられるか否かを左右するのです。
 

誰に相談すればいいのか?

「自殺総合対策推進センター」のサイトに、全国の「いのち支える相談窓口」一覧が掲載されています。

メンタルヘルスだけでなく、経済や仕事、家庭生活、福祉等、多様な悩みに対応できるような各種相談先が掲載されていますので、苦しいときは一人で抱えずに、地域・悩みに該当する窓口に、早めに相談してください。

いのち支える相談窓口
https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

また、厚生労働省が公的な電話相談事業に、全国共通の電話番号を「こころの健康相談統一ダイヤル」として設定しています。

こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556

詳細はこちら → http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188813.html


【引用文献】
※1 厚生労働省.自殺対策白書.http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18-2/index.html
※2 厚生労働省.平成29年中における自殺の概況.
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/h29kakutei-01_1.pdf
※3 Centers for Disease Control and Prevention. CDC Vital Signs. https://www.cdc.gov/vitalsigns/suicide/
※4 The National Suicide Prevention Lifeline. http://www.bethe1to.com/wp-content/uploads/2017/08/BeThe1To-Graphics-Info-FINAL.pdf
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