4月1日から特定家庭用機器再商品化法、通称家電リサイクル法(以下リサイクル法と略)が施行されました。1日のニュースでは、3月の駆け込み需要に流れたのか大手家電店の来客数がぐっと減ったと報道していました。今回のリサイクル法ではテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の4品目が対象ですが、パソコンは近い将来追加されることになっています。パソコンは物理的に使用できなくなって廃棄されることは非常にまれで、大体は使用するソフトウェアや新しい機能に追いつかなくなったときに廃棄される運命にあります。まだ使えるパソコンを廃棄しなければならない、非常に理不尽な印象を受けますが、今回のCloseUpでは華やかな新型パソコンの陰に隠れてなかなか日の目を見ることのない中古パソコンについて考察してみたいと思います。

パソコンのリサイクルに熱心なメーカーとして、テレビなどでも富士通が良く取り上げられています。富士通ではリサイクル法で行われている、素材まで至るリサイクルを専門の工場で行えるようなシステムを構築しています。しかしながらパソコンの場合は、素材のリサイクルに限らず、俗に2個1(2台以上の個体から動作する部品を集めて1台の完成品にすること)と呼ばれるような方法でリサイクルをすることも不可能ではありません。これを押し進めていくと、パソコンの中古サイクルというものがきちんと出来そうに感じますが、そこまで至っていません。何故自動車などのような中古サイクルが確立しないのでしょうか。それは冒頭あげた「使えるパソコンでも廃棄される」運命がそうさせているのです。

パソコンは「ソフトがなければただの箱」ですので、ソフトと一体でないと機能を発揮しません。問題の一つ目は、中古パソコンの場合、新品の時に付いてきたソフトや説明書が行方不明になり、ハードウェアのみが存在するケースが多いと言うことです。個人ユーザーの場合はそれらを持っていることも多いのですが、企業や団体で使用されるケースでは、恐らく箱は99%、付属品も80%程度、捨てられてしまうと思います。それでもリースやレンタルの場合は付属品が別途管理されたり、まとめてリサイクルされたりしますので良いのですが、一般的に中古パソコンは、ある程度の数がまとまらないと中古業者側もメリットがなくなってしまうのです。不完全商品であるが故の「サポート」が必要になってしまうからです。加えて、著作権も絡んできますから話は複雑です。

また、他方、中古パソコンを使用するためのノウハウというか、高い「スキル」が必要になってしまうという点もあります。発売当時の状態でない可能性が高いと言うことで、動かす迄の追加投資やそのための技術力が必要になってくるわけです。スキルさえあれば掘り出し物、ということで中古パソコンショップにはそのような人々が出入りしていますが、普通はそんなイバラの道を選択するでしょうか。また、追加の投資だって大変です。筆者もそのような改造を趣味として沢山行ってはいますが、投資に見合う性能はなかなか得られません。同じ金額でサポート付き、ソフト付きの最新鋭パソコンが電話一本、クリック一発で自宅まで届く時代になってしまいました。

かようなわけで、パソコンのリサイクル、中古サイクルの確立は、急務であるにもかかわらずいっこうに未来が見えてきません。しかしながら近い将来、いや既に、Windows95出荷以来のパソコンが大量に中古化しています。筆者としては、素材のリサイクルは勿論ですが、是非、もう少し中古サイクルが機能してくれればいいと願ってやみません。

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