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「お酒好きが酒を断つ」ことから学ぶ、賢い節約とは?

お酒が大好きなあの人が、完全に断酒してお金を節約をすると宣言。さて、これはいい節約方法といえるのでしょうか? ちょっと思考訓練として考えてみましょう。節約する上でのヒントになるはずです。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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節約するとき好きなものを完全にやめてしまう人がいる

節約というと「完全に断つ」と考えて実行する人がいます。お酒が大好きならお酒を完全に断ったり、アニメが好きならグッズやDVDを買うのを完全にやめてしまうようなやり方です。

特に「好きなものを断つ」というところから節約を始める人はマジメな人が多いと思います。おそらく「好き、というだけで使っているお金はムダづかいなのだ」と考えているため、趣味や娯楽のための予算を一気に削り始めます。

あなたがもしギャンブル大好きで、パチンコや競馬に毎月10万円以上つぎ込んでいたり、アルコールに溺れつつあり毎日1万円以上飲み代を使ってしまう(焼酎のボトルが毎日1本空くとか)、というのであれば、これは家計を明らかに圧迫していますし、依存症の恐れがありますから、「完全に断つ」はやむを得ないと思います。

しかし、そこまでの荒療治を必要としていない人、普通に趣味の予算を確保していた人が無理をして予算を削っても節約はあまりうまくいきません。

なぜでしょうか。
 

苦しい節約は満足度は低く、しかも続かない

実は私も30歳の頃、あまりにもとりとめもなく消費をする自分の買い物ルールと、「惰性」で買い続けることに疑問を持って「とりあえず買わない」をやってみたことがあります。

確かに節約の意識付けにはなったのですが、やめなくてもいい消費をやめてしまった部分についてはずいぶん後悔が残りました。「そこまでやらなくてもよかったのだ」ということです。

私たちは生きていくためだけにお金を使っているわけではありません。マンガを読むのも音楽を聴くのも人と話をしながらお酒を飲むのも、「生活必需」ではありませんが、生活に潤いを与え、生きがいを生み出すものです。

そうした好きなものに対する予算を完全に断つ、というのは「苦しい節約」になってしまいます。むしろストレスがたまり、仕事のやる気も出てきません。そして節約は続きません。

そもそもの間違いは「節約は苦しまなければならないもの」と思うあまり、好きなことの予算から削り始めることにあります。そもそも節約は苦しむべし、なんてルールはどこにもありません。

あなたがもしアルコール依存症の問題があって、完全にやめなければいけない、というわけでなければ、「断酒」ではなく「お酒の量を減らす」でいいのです。

「好きなものの予算を減らす」にするだけで、実は節約は続けやすくなります。
 

そもそも「好きなもの以外」の節約から考えるのが正しい手順

節約をする人が、好きなことの予算から削ろうとする理由のひとつは、たぶんその消費に後ろめたさを感じているからでしょう。ムダづかいじゃないのか、というわけです。

ムダづかいというのは「無感動消費」のことだと私は考えています。だとしたら趣味に使っているお金は自分の生きる力を作る原動力ですからムダではありません。

発想を切り替えて「好きなものの予算は削らず、そうでない削りやすいものだけで節約をする」という選択肢だってあります。

例えば、オタク趣味がある人がその予算を削りにくいというのであれば、それ以外の予算を削る方法を考えてみます

飲食費や被服費予算を「お酒が好きな人」や「服を買うのが好きな人」と同じ額にする必要はないわけです。服ならZARAやH&Mやユニクロや無印良品を徹底的に活用してローコストの被服費を追求してみたりします(最近はそういう雑誌特集も多いので参考になります)。なんとなく駅ビルのファッションブティックで買うより効率的な支出になるはずです。

最新機種のスマホを最高速度で利用しなくてもよい人は、格安スマホに切り替えれば端末の分割代と通信費を足しても月3000円程度で済みます。趣味の予算を5000円削るのが苦しい人は、もし今8000円払っているスマホがあればそれを機種変更するだけでいいわけです。

むしろそのほうが節約は「簡単」で「苦しくない」うえに「金額的にも結構削れる」ということになったりするものです。
 

好きなものの節約は「断」ではなく「減」でいこう

すでに答えは示していますが、好きなものについては「断」、つまり全部をストップするアプローチより、「減」、つまり今よりも何割かの予算をセーブするようなアプローチのほうが、節約が続けられます。

好きなものの支出はムダではないと言いましたが「使いすぎ」はやはりムダづかいの恐れが高まります。月2万円の趣味予算でも月3万円の趣味予算でも満足度に大差ないことが分かれば、自分にとってのちょうどいい出費ラインは2万円だと考え、そこまで「減」させていけばいいわけです。

そうすれば、「ここまでの予算はOK」とはっきりするので気持ちも楽になります。大好きなスマホゲームのガチャを回すのも「とりあえずやりたいときだけだらだら回す」のと「月10000円を上限としてどのイベントでつぎ込むか真剣に考える」のとはおそらく金額的にも満足度的にも後者のほうが賢いはずです。

好きなものは、ちょっとだけ予算制限があるとより楽しむための工夫をするやる気が出たりします。ぜひ上手に趣味予算「減」を実現させ、「好きなもの以外」の予算「減」とセットにしつつ、効果的な節約を実現させていきましょう。

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