インテル社がパソコン用CPUメーカーの雄であることは、誰も疑う余地はないと思います。ところで、その昔、インテルの技術を供与され、i8086などの初期のCPUを製造分担(セカンドソースといいます)していたアメリカの半導体メーカーの1つにAMDという会社があります。
Windows95が爆発的な人気を呼んだ頃、主力CPUはPentium100MHz程度の物でした。その後徐々にCPUの速度は上がり、Pentiumは最終的に233MHzの物(ノート用では300MHz)まで出荷されました。その後インテルはPentiumProというCPUを出荷しましたが、色々問題が多く、PentiumIIからPentium!!!に順次切り替えていきました。PentiumとPentiumPro以降のCPUは互換性が無く、Windows95ブームに乗ってパソコンを購入した人は悔しい思いもしたはずです。そこに現れた救世主が、このAMDだったわけです。

前置きが長くなりましたが、これこそが今でも現役のK6シリーズだったのです。メルコやアイオーデータといった、周辺機器メーカーが、こぞってこのK6を採用したCPUアクセラレータを出荷しました。Pentiumに差し替えて、400~500MHz程度までスピードアップさせたわけです。ところがそれもつかの間、インテルがセレロンプロセッサを出荷し、価格攻勢をかけた頃から安泰ではなくなってきました。勿論、AMDも手をこまねいていたわけではなく、1~2世代も古い技術では、いつか限界がくるのを判らなかったわけではありません。

満を持して発表、出荷開始されたCPUがAthlonプロセッサです。それまでのインテルCPUは外部との信号のやりとりを100MHという速度で行ってきていましたが、このAthlonプロセッサは200MHzで行うようになりました。また、CPU自体の高速化のために様々な工夫も凝らしました。インテルのSIMD命令に対抗し、3D-NOW2命令を搭載していたのもその一つです。
ただ、唯一の欠点として、インテルCPUとの互換性がなくなってしまいました。「新しい葡萄酒には新しい酒袋」という有名な言葉がありますが、新しいCPUであるAthlonは新しいシステムでないと動かすことが出来なくなってしまったわけです。一部の新しい物好きの方には受けましたが、さすがに大メーカーは採用を躊躇していました。

ところが世の中というのは面白いもので、この時期インテルが、製造上、営業戦略上、失敗をしてしまいます。安価なシステム向けセレロンを、製造工程の簡略化のためPentium!!!と同じ物にしてしまったのがそれです。インテルは否定しているようですが、一時期セレロンが市場から姿を消しました。
AMDは丁度そのころ、Thunderbirdと呼ばれた新しいAthlonを出荷しました。また、これと合わせ、廉価版のDuronプロセッサも出荷します。この2つは丁度Pentium!!!とセレロンの関係にあたります。設計の新しさ、外部信号の倍速化により、Athlonプロセッサは最速プロセッサの名を欲しいままにしました。そして、ローエンドプロセッサDuronも、セレロンの問題に嫌気が差したNECや富士通といった大手が搭載機を発表、出荷するにいたっています。モバイルDuronプロセッサをNECがノートPCに採用したニュースは、正直私も驚かされました。

昨年暮れにPentium4プロセッサが出荷されると、最速CPUの称号こそ譲りました。しかしながら、現状のプログラムではまだそれを生かす物が少ないため、価格の面も含め、ハイエンドシステムとしてAthlonを採用するケースが増えているようです。我が家でもAthlonを今流行の(自作)テレパソで使っていますが、全くストレス無く動く様はさすがです。


筆者宅の900MHz版Athlon


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