<今回のポイント>

売りアパートはいくらくらい? 利回りは?

投資対象としてのアパートについて、新築と中古、築年帯別のメリット・デメリットを分析。

投資対象としてのアパートについて、新築と中古、築年帯別のメリット・デメリットを分析。


マイホームの場合は「中古より新築がいい」という新築志向が根強くあります。そのせいか、不動産投資について考える場合も「新築か中古か」という見方をしてしまいがちです。しかし、投資対象として検討する場合は、こうした二者択一的な見方は適切ではありません。

というのも、オーナーが「新築」として入居者を募集できるのは、築後1年未満かつ各部屋について最初のひと組目だけです。一度でも入れ替わるとその部屋を「新築」として広告することはできません。賃料も、最初の募集時と2回目の募集時では、それほど大きな差がつきません。

新築・中古というよりは、築年数がとても大切なポイントになります。築年数が新しいか古いかは、買いやすさ(融資の受けやすさ)や買った後の収支を左右するからです。まずは、アパート投資のイメージをつかんでいただくために、価格、利回り、選択肢の多さ(売り出し物件数)について、新築と中古、「築浅」と「築古」の傾向を見てみましょう。

※築浅(ちくあさ)と築古(ちくふる)の厳密な定義はありません。築5年以内など新築に近いものを築浅、耐用年数に近づくほど「築古」としています。

<1.アパートはいくらで買える?価格帯の平均は?>
まずは、新築・中古を問わず、アパートの価格はどの程度なのかを見てみましょう。
図1.売りアパートの売り出し価格帯の円グラフ

 

不動産投資サイト「ノムコム・プロ」に掲載されている「売りアパート」の平均価格は1億1,000万円(2018年4月6日時点)(※注1)です。平均値では1億円を超えていますが、図1の価格帯別のシェアを見ればわかるように、最も多いのは「5,000万円超~1億円以内」(39%)の物件です。

※注1.売り出し物件のうちノムコム・プロに掲載したデータを基にした統計のため、首都圏のアパート市場全体の傾向を反映しているとは限りません。

比較対象として、区分マンションの平均価格は約3,800万円(平均面積42m2)、一棟マンションの平均価格は2億3,000万円です。一棟マンションの価格帯別の物件数で最も多いのは「1億5,000万円超~2億円以下」となっています。(いずれもノムコム・プロの掲載物件数平均)。
イメージとして、アパートの価格は、区分マンションと一棟マンションの間にあるといえます(※2)。

※注2.地域や物件の規模・築年などによって価格は大きく異なりますので、個々の物件を比較した場合に当てはまるとは限りません。


<2.アパートの利回り水準は?>
次に、アパートの表面利回りの水準を見てみましょう。図2では、6%台から9%台と築年数によってかなりの差があります。
図2.アパートの築年別利回りグラフ

 

さらに、このグラフを見ると築年数帯が古いほど、表面利回りが高いことがわかります。

不動産投資の表面利回りは「年間賃料(満室想定時)÷購入価格」で計算します。賃料が一定なら、価格が上がると表面利回りは下がり、価格が下がると表面利回りは上がるということです。

一般的に、築年数が古くなるほど、賃料も価格も下がります。しかし、賃料より価格の下がり方のほうが大きい傾向があるため、古い建物ほど表面利回りが相対的に高くなっていくわけです。


<3.アパートは築何年くらいの売り物件が多いか>
最後に、築年数ごとに流通量を見てみましょう。図3は、不動産投資サイト「ノムコム・プロ」の築年帯別の掲載物件数の割合を示したものです。
図3.アパートの築年別供給シェア

 

図3の通り、現在、もっとも割合が高いのが「築1年以内(新築)」です。首都圏全体では27.9%、東京23区内では42.4%と4割を超えています。次に多いのが「築2~10年」です。比較的築年数の新しい物件が豊富であることがわかるでしょう。

現在、東京23区内の新築の割合が特に高いのは、都心に近いエリアのニーズが高いために、新規開発や古いアパートの建て替えが盛んになっているためだと考えられます。ここ数年、一戸建て住宅を手掛けていた事業者のアパート分野への進出が増えていますが、東京23区限定で供給しているところも少なくありません。

さて、以上の点を踏まえて売りアパートの特徴を整理すると、次のようになります。
  • 価格の高さ    新築>築浅>築古
  • 表面利回りの高さ 新築<築浅<築古
  • 売り物件の量   新築>築浅>築古
こうした一般的傾向では、物件数の豊富さを除けば、価格が安くて利回りの高い築年数の古いアパートが有利に見えます。しかし、実際に収益不動産を買って経営していくには、他にも大事なポイントがあります。

>>次のページでは、収支に大きく影響する融資や、修繕費の違いなどについてみてみましょう。