<今回のポイント>

平日に問い合せ、その日のうちに現地見学も珍しくない都心店舗

不動産仲介会社の店舗(営業所)には、日々さまざまなお客様が訪れます。郊外の店舗の場合は、平日に物件サイトからの資料請求やメールでのお問い合わせがあり、週末に現地見学をする傾向が強いようです。一方、都心の店舗では、週末に限らず平日に見学をするお客様も少なくありません。

サラリーマンの中でもフレキシブルな勤務形態の方、経営者、自営業、自由業の方など、時間や曜日を問わずに、問い合わせや来店があります。実際、私が勤める広尾の店舗では、平日の昼前後に「このマンション、前から気になっていたんだけど、今からすぐに見られるかな?」とメールや電話で問合せをいただくこともよくあります。

野村の仲介プラス広尾センター入り口写真

平日の昼過ぎにお問い合わせがあり、その日に来店される方も珍しくありません

私が勤務している広尾センターは、店舗から歩いていける範囲内にプレミアムマンションが豊富にありますから、空室で鍵をお預かりしている物件であれば、その日の夕方に即見学という対応も可能です。

今回は、普段どんなお客様が来店され、どのように対応しているのか、私たち不動産営業マンの日常のひとコマを紹介しましょう。

※以下の記事は、お客様の了解を得た上で、実際の話を基に再構成したものです。


出産を機に賃貸暮らし脱出。夫妻で仕事の合間に物件探し

夫婦で見学・写真1

「昔このあたりによく遊びに来ていたから懐かしいわ」とAさんの奥様。


Aさん(33歳)は、赤坂にオフィスがある外資系金融機関に勤務している金融ディーラーです。年収は2,000~2,500万円で、若き富裕層と言えるでしょう。結婚後しばらくは共働きだったため、勤務先への近さと眺望の良さを重視し、六本木にある家賃約40万円の賃貸タワーマンション(約60m2、1LDK)にお住まいでした。

今回お子さんが産まれたのを機に、もう少し落ち着いた場所にマンションを購入しようと探し始めたのです。Aさんは、古い街並みが魅力的なヨーロッパに赴任していたこともあり、中古マンションを選ぶときも、築年の古さは気にしないとのこと。そこでネットで検索するうちに、公園や緑が多い広尾や麻布周辺のエリアが気に入り、最初に目を付けたのはヴィンテージマンションの代表格として知られる『広尾ガーデンヒルズ』でした。

最初のコンタクトは、ネットを通じた資料請求でした。返信メールで物件資料を送り、くわしいニーズを伺うために週末に電話をしてみたところ、「月曜日の昼過ぎなら少し時間が取れる」とのこと。さっそく、週明けの午後1時に店舗にお越しいただくことになりました。

私が勤務する店舗から『広尾ガーデンヒルズ』までは徒歩で数分と近いため、まずは店舗に来ていただいてから現地まで歩いて向かい、物件の周辺を案内することにしました。ちなみに、都心の物件案内では、土地勘をお持ちのお客様の場合は、直接、現地で待ち合わせをすることもよくあります。

山田「お問い合わせいただいたのは『広尾ガーデンヒルズ』で、ご予算は1億3,000万~5,000万円ということでしたね。まずはご予算に近い物件の図面をご覧ください。専有面積が約70m2で、1億2,900万円となります」
広尾センター内接客中写真

フルカラーの物件図面とタブレット端末を使い、候補物件の詳細をご説明。

Aさん「価格も広さもちょうどよさそうだね」

奥様「でも、間取りが1LDKなんですね」

山田「2LDKにリフォームすることもできますよ」

奥様「室内の写真を見ると、カーペットが多いですね。子どもが小さいので、掃除しやすいフローリングにできるかしら。キッチンも対面式がいいわね」

山田「あいにく『広尾ガーデンヒルズ』はリフォームでフローリングにすることは原則として認めないという管理規約があります。これは、ある意味では、静かな居住環境を守っていこうという分譲当時から続く高い管理意識の表れともいえるかもしれません。それが資産価値を守り、ヴィンテージマンションとしての評価につながっているのでしょう。

おっしゃる通り、最近はフローリングを好む方が多いですが、実際にお住まいになると、お子様が転んでも安心で音が響きにくい点や、冬のひんやりした感じがしなくてかえって良かったというお客様も少なくありません。いろんなタイプを比較してみてください。

もし、リフォームやフローリングを前提にご検討であれば、他にもいくつか参考になる物件を用意してみました。すぐ近くの『広尾ガーデンフォレスト』はご存知でしょうか? こちらは築10年で、床がフローリングです」

Aさん「こちらのほうが少し広い75m2で築年も新しいのに、価格が1,000万円以上安いんですね(1億1,300万円)」

山田「ええ、土地の権利が所有権ではなく定期借地権のため、その分、何割か価格が低めになっています。同じ定期借地権タイプのマンションがもう一つありまして、こちらの『プラウド南麻布』です。今売りに出ているのは、100.66m2でも1億8,800万円の物件ですね。

今、タブレットで雰囲気だけでもご覧になりますか? 売り出し中の物件は、“360°パノラマ画像”も各部屋の雰囲気を見られます。隣のフランス大使館の緑豊かな庭とつながっているように見えるんですよ」
プラウド南麻布の庭写真

すぐ隣はフランス? 隣接するフランス大使館の豊かな緑が美しい。/ノム・コムより

プラウド南麻布・共用デッキ写真

プラウド南麻布のパーティールームのデッキから見たガーデンテラス。/ノム・コムより

奥様「あら素敵ね! 私、本当は子どもが小さいときは庭付きの一戸建てもいいなと思っていたの。こういう雰囲気ならマンションもいいわね。今日はそんなに時間がないけど、どんな場所か見てみたいわ」

山田「もしよろしければ、この店舗から歩いて5~10分なので駅からの経路やフランス大使館などの周辺環境だけでもご覧になりませんか?」

Aさん「いいね、ちょっと回ってみようか」

こうして、ご夫婦とともに『プラウド南麻布』までいっしょに歩いてみることになりました。
プラウド南麻布横の坂で話す3人の写真

『プラウド南麻布』に横にある青木坂にて


山田「左手の建物が『プラウド南麻布』です。南側にフランス大使館、西側に在日米軍のための宿泊・保養施設ニュー山王ホテルがあって、セキュリティ面でも安心と言われています」

Aさん「このあたりは大使館が多いせいか、外国人の方もよく見かけますね」

奥様「確かこの近くに、全国からのお取り寄せスイーツが食べられるカフェ(天現寺カフェ)があったんじゃないかしら」

Aさん「天現寺の交差点の近くでしょ。その隣に、例のカプコン創業者の辻本憲三さんがオーナーをしてるワイナリーの直営店(ケンゾーエステイトワイナリー)があるんですよね。ナパ・ヴァレーのプレミアムワインをテイスティングできるから、一度行って見たかったんだ」

奥様「今度行って見ましょう。今日はあまり時間がないと思って子どもを預けてきたんですけど、改めて一緒に連れて来てじっくり来ようかしら?」

Aさん「そうだね!」

こうしていくつかの物件に興味を持っていただき、改めて週末にお時間をいただくことになったのです。

次のページでは、現地周辺の写真を交えて、現地見学の様子を紹介します。>>