マレーシア

マラッカの観光!世界遺産の美しき町の見どころ

世界遺産の町マラッカには、美しく繊細なプラナカン文化など、独特の文化が根づいています。世界中から観光客が訪れるマレーシア屈指の観光スポット、マラッカ。歴史的町並みの見どころやクアラルンプールからのアクセス方法を紹介します。

古川 音

執筆者:古川 音

マレーシアガイド

歴史を語る町、ノスタルジックな古都マラッカ

マラッカundefinedピンクundefined教会undefinedオランダ広場

インスタ映えするオレンジの建物。オランダ広場にあるこの建物は、東南アジア最古のオランダ建築といわれる「スタダイス」。

さかのぼること約600年前、マレーシアで初の王朝が建国された町、マラッカ。マラッカ海峡を有する貿易港として栄え、その発展がゆえに、ポルトガル、オランダ、イギリスの列強3か国に数世紀という長きに渡って支配された歴史があります。
マラッカ川

マラッカ川と町並み

この時代を生き抜いた人々がつくりあげたマラッカの町は、今では東洋と西洋の文化が織りなす独特の表情を見せ、世界中から人々が訪れるマレーシア屈指の観光スポットになりました。2008年、歴史的に重要な場所としてユネスコの世界遺産に登録されてからは、ますます注目が高まり、おしゃれなカフェやゲストハウスも増えています。

クアラルンプールから車で約2時間のマラッカは、マレーシアの原点ともいえる町なのです。

マラッカの文化と見どころ

ニョニャ・クバヤ

プラナカン民族の女性のおしゃれ着、ニョニャ・クバヤ。透け感のあるレースの上着で、ボディラインにぴったり沿うように細目に作られている

特徴的なのは、なんといっても植民地時代の華やかなりし頃に育まれたプラナカン文化でしょう。プラナカン文化は、このマラッカを起点とし、ペナン、シンガポールに広がっていきました。

香り高いハーブやスパイスをたっぷり使ったプラナカン家庭に代々伝わるニョニャ料理。レースの生地に細やかな刺繍がほどこされ、“着る宝石”とも称されるニョニャ・クバヤ。精巧な手作業で作られたビーズサンダルなど、美しく繊細なプラナカンの文化は、見るものすべてを魅了します。
マラッカのモスク

スマトラ様式の3層の屋根をもつ「カンポン・クリン・モスク」。土台部分に装飾されたプラナカンタイルに注目

また、多民族がともに暮らすマラッカの町並みも見ごたえ十分。細かな彫刻が施された中国寺院、多種の神様で装飾されたヒンズー寺院、かわいらしいプラナカンタイルに彩られたモスク。この3つの祈りの場所が、数メートルおきに並んでいるハーモニー通りは、その象徴的なスポットです。

マラッカへの行き方

さて、クアラルンプールからマラッカへ行くには、長距離バスが手軽で安価です。市内のバスターミナル、もしくは空港から直接向かうことができるので、日本からマレーシアへ移動した日にそのままマラッカに向かえば、効率的に動けます。

ただ、マラッカの中心地とバスの発着場は離れているので、初めての渡航で移動が心配な人は、タクシーを利用しましょう。所要時間は2~3時間で、金額は300~400リンギット程度。もちろん、現地の旅行会社のツアーに参加するのも手です。
トライショー

観光スポットをまわるマラッカ名物、トライショー。1時間で40~50リンギット程度。

マラッカでは、街歩で散歩してもいいし、トライショーと呼ばれる人力の三輪車を利用するのも楽しいです。ど派手な装いで、音楽を流しながら町をねりゆく三輪車の姿は、ほほえましいものがあります。

マラッカのおすすめスポット

■オランダ広場とキリスト教会
オランダ広場

かつてはオランダの提督らの居住地だった。現在は歴史博物館が併設され、見学できる。

マラッカのランドマークといえば「オランダ広場」。ここからマラッカ川を見て手前がオランダ時代の建築物が残るエリアです。
マラッカundefinedセント・ポール教会undefined宣教師ザビエルの像

セント・ポール教会と宣教師ザビエルの像

ヨーロッパ列強の足跡を今も残すのが、丘の上にたたずむ「セント・ポール教会」と「宣教師ザビエルの像」。その先には、大航海時代の貿易の要所であった広大なマラッカ海峡が広がっています。

<DATA>
  • オランダ広場
    住所:Jalan Gereja, Bandar Hilir, 75000 Melaka(Googleマップ
  • セント・ポール教会
    住所:Jalan Kota, Bandar Hilir, 75000 Melaka(Googleマップ
■チャイナタウン
マラッカ川を渡り、豪華なプラナカン文化を体験しましょう。マラッカ川を渡ると、古いショップハウスが並ぶチャイナタウンになります。
マラッカ

オランダ広場からマラッカ川を渡ると、チャイナタウンが広がっている。15~19世紀にプラナカン文化が栄えた場所

プラナカン一族の豪邸をそのまま公開している「ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館」、ジョンカー通りの骨董品巡りも楽しいです。また、ジョンカー通り周辺には、おしゃれなビーズサンダルやバティックの小物、カラフルな中国食器など、かわいらしい雑貨店がたくさんあるので、買い物好きの方にはぴったり。
チェンドル

暑さにバテたら、カフェで休憩。ココナッツミルクたっぷりのかき氷「チェンドル」で涼をとろう

<DATA>
  • ジョンカー通り
    住所:20, Lorong Hang Jebat, 75200 Melaka(Googleマップ
  • ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館
    住所:48-50, Jalan Tun Tan Cheng Lock, 75200 Melaka(Googleマップ
    営業時間:月~木10:00~13:00、14:00~17:00、金~日9:45~18:00
    休館日:祝・中国正月
    入館料:大人RM16、子どもRM11
■マスジット・スラット・ムラカ
水上モスク

マラッカ市内から車で約20分。埋め立て地のエリアに忽然と現れる「マスジット・スラット・ムラカ」。お祈り時間以外は、見学もできる

もうひとつ、マラッカ海峡にまるで浮かんでいるように見える海辺のモスク(Masjid Selat Melaka)は、カメラにおさめたい絶景スポットです。夕暮れに、アザーン(イスラム教における礼拝への呼び掛けのこと)の曲を聞きながらモスクを眺めていると、自分がどこにいるのかを忘れてしまいそうな、そんな旅のマジックを体験できるでしょう。

<DATA>
  • Melaka Straits Mosque
    住所:Jalan Pulau Melaka 8, 75000 Melaka(Googleマップ
    ※お祈りの時間以外は、中も見学可能

ジョンカー通りとおすすめのホテル

ジョンカー通りの夜市

ジョンカー通りの両側に数えきれないほどの露店がならぶ夜市は、にぎやかで楽しい。ゆる~い感じの公開カラオケもたまらない

週末にマラッカに訪れたなら、ジョンカー通りの夜市(ジョンカーウォーク)をチェック。夜風にあたりながら、マラッカ人の日常を一緒に味わってみてください。

ホテル・プリ・マラッカ

ホテル・プリ・マラッカの中庭にあるカフェ。陽射しのさしこむ空間はプラナカン屋敷ならではのもの

宿泊は、プラナカンの屋敷をホテルに改造した「ホテル・プリ・マラッカ」がおすすめ。ジョンカー通りから歩いてすぐ、ロビーの先にある奥行き100メートルの回廊が特徴的な居心地のいいホテルです。

<DATA>
  • Hotel Puri Melaka
    住所:118, Jalan Tun Tan Cheng Lock, Jonker Street, 75200 Malacca Johor and South, Melaka(Googleマップ
    ホームページ:hotelpuri.com
    電話番号:+60 6-282 5588
マラッカは、町の規模はけっして大きくないのですが、世界中の人を惹きつけてやみません。クアラルンプールからの日帰り旅も可能ですが、見どころ満載なので、ぜひ宿泊をおすすめ! 心に残る滞在になることを保証します。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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