ボーナスから引かれるお金とは?手取り額の計算方法を解説

「賞与の額面」に比べて手取り額が少なくてガッカリ……明細を見てもどんな計算がされてるかよくわからないし、もしや取られ過ぎてない? こんなふうに思ってる方も多いのではないでしょうか。今回はそんな皆さんの疑問を解決したいと思います。

●目次
賞与から引かれるものは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税
(1)健康保険料の計算方法
(2)厚生年金保険料の計算方法
(3)雇用保険料の計算方法
(4)所得税(源泉徴収税)
賞与の手取り額を自分で計算してみよう


 
気になるボーナスの手取り額の計算方法とは

気になるボーナスの手取り額の計算方法とは

 

賞与から引かれるものは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税

賞与の手取り額を計算するには、賞与から何が引かれているのかを知る必要があります。まず引かれているものは次の4つであることを頭に入れておいてください。

(1)健康保険料
(2)厚生年金保険料
(3)雇用保険料
(4)所得税(源泉徴収税)


(1)(2)(3)はまとめて『社会保険料』と総称されますがそれぞれ計算方法が異なりますので、分けて考えていきます。また(4)は年末調整や確定申告までは暫定で徴収されている(源泉徴収税)が正しい呼び方ですが分かりやすいよう今回は(所得税)と呼ぶことにします。

 
賞与内訳イメージ

賞与内訳イメージ

(1)健康保険料の計算方法

健康保険料は以下の計算式で算出します。

健康保険料=標準賞与額×健康保険料率÷2(注1)
(注1:健康保険料は会社との折半のため2で割ります)

いきなり難しい言葉が出てきましたが『標準賞与額』とは賞与額面から1000円未満の端数を切り捨てた額のことです(例:賞与額面416300円⇒標準賞与額416000円)

『健康保険料率』はここでは主に中小企業にお勤めの方の加入する『協会けんぽ』の例を挙げて説明します。料率は協会けんぽホームページの『平成31年度保険料額表』 に記載されています。なお料率は会社の存在する都道府県によって異なりますので、今回は福岡県と仮定し選択しますと、以下の表が表示されます。
 
協会けんぽ 保険料額表 福岡県

協会けんぽ 保険料額表 福岡県


表にもあるように40歳以上は介護保険料も負担していますので39歳以下の方との料率が異なる点に注意してください。ちなみに健康保険組合がある企業にお勤めの方の料率は独自に決められていますので会社に問い合わせてそちらをお使いください。
 

(2)厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は以下の計算式で算出します。

厚生年金保険料=標準賞与額×厚生年金険料率(18.3%)÷2(注2)
注2:厚生年金保険料も会社との折半のため2で割ります

計算には先ほどと同じく『標準賞与額』を使用します。なお標準賞与額は1回につき150万円が上限でそれを超える部分には厚生年金保険料はかからないので計算時には注意してください。また『厚生年金保険料率』は2017年9月に引き上げが終了し18.3%で固定となりました。
 

(3)雇用保険料の計算方法

雇用保険料は以下の計算式で算出します。

雇用保険料=賞与額面(注3)×雇用険料率
注3:雇用保険料計算には賞与額面を用いて計算します

計算には『標準賞与額』ではなく『賞与額面』を使用することにご注意ください。『雇用保険料率』は厚生労働省ホームページ『平成31年度の雇用保険料率について』を参照します。
 
雇用保険料率は、業種によって異なる

雇用保険料率は、業種によって異なる ※厚生労働省ホームページ『平成31年度の雇用保険料率について』より


雇用保険料率は勤めている会社の事業形態によって異なりますが平成31年度は一般0.3%、農林水産・ 清酒製造・建設事業は0.4%となっています。
 

(4)所得税(源泉徴収税)

所得税の計算は今まで計算してきた(1)健康保険料、(2)厚生年金保険料、(3)雇用保険料がないと計算できません。なぜならば以下の計算式で算出するからです。

所得税(源泉徴収税)=(賞与額面-(1)(2)(3)の合計額(注4))×源泉徴収税率

注4:(1)健康保険料、(2)厚生年金保険料、(3)雇用保険料の合計額を社会保険料と呼びます。

『源泉徴収税率』は『前月の給与明細』から『前月給与から前月の社会保険料を差し引いた額』を出したのち、その額と『扶養人数』から国税庁ホームページの『賞与に対する源泉徴収税額の算出率表(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/data/15-16.pdf)』を用いて求めます。まずは『前月給与から前月の社会保険料を差し引いた額』の計算です。
 
前月給与明細例

前月給与明細例



この例では『前月給与から前月の社会保険料を差し引いた額』は329,619円です。また給与明細から『扶養人数』(注5)は2人(紫の○)です(明細に書いてない場合もあります)。その後、国税庁ホームページの『賞与に対する源泉徴収税額の算出率表』を用いて税率を求めます。

(注5)平成30年から配偶者を扶養人数にカウントする基準が変わっています(源泉控除対象配偶者)。具体的には配偶者の所得が85万円以下(パート収入のみなら150万円)で扶養している人の所得が900万円以下(給与収入のみなら1120万円)であれば人数としてカウントされます。
国税庁HP 賞与に対する源泉徴収税額算出率表

国税庁HP 賞与に対する源泉徴収税額算出率表


この例では賞与にかかる『源泉徴収税率』は6.126%となります。
 

賞与の手取り額を自分で計算してみよう

今まで計算してきた(1)健康保険料、(2)厚生年金保険料、(3)雇用保険料、(4)所得税(源泉徴収税)を『賞与額面』から引くと『賞与の手取り額』となります。

賞与手取り額=賞与額面-《(1)健康保険料+(2)厚生年金保険料+(3)雇用保険料+(4)所得税(源泉徴収税)》

ただし冒頭でも触れたように(4)所得税(源泉徴収税)は年末調整もしくは確定申告で正式に決まりますので、あくまでも暫定でボーナスから引かれていることと、途中で触れたように(1)健康保険料は健康保険組合のある会社にお勤めの方は独自料率ですので正確な金額を出す際にはそちらを使用するとよいでしょう。


監修・文/井出 やすひろ(CFP・FP1級技能士・MR)

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