再婚

セックスレスが原因で離婚した夫婦の例……再婚できない心の傷とは?

夫婦間のセックスレスが離婚の原因として取り上げられることが多くなりました。実際、結婚相談所にはセックスレスで離婚をした人もいます。今回は夫が拒否するセックスレスで夫婦が離婚に至り、心に傷を負った女性のケースを紹介していきたいと思います。

佐竹 悦子

執筆者:佐竹 悦子

再婚ガイド

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夫が拒否するセックスレスも離婚の原因になり得る

セックスレスが離婚の原因のひとつになっている

セックスレスが離婚の原因のひとつになっている

離婚の原因としては、相手の浮気や金銭問題が挙げられますが、実はセックスレスが原因で別れてしまう夫婦も少なくありません。

結婚前にはそれなりに性交渉があったけれど、結婚して子どもが産まれたらレスになってしまった、年齢と共に回数が減り、今ではまったくない……というお話を聞くことは多々あります。私が経営する結婚相談所でもそういったエピソードがありますので、紹介したいと思います。
   

セックスレス離婚の例:淡白な夫とは結婚後、完全なセックスレスに

3年以上のセックスレスの果て、離婚を決意

3年以上のセックスレスの果て、離婚を決意

恋愛結婚したAさん(女性)は3年以上のセックスレスの果て、離婚して私の結婚相談所にやってきました。

「たしかに、もともと前夫は少し淡泊なタイプではありました。とはいえ、デートの際にホテルに行くこともありましたし、結婚前は普通に性交渉がありました。でも、結婚した初夜の日に何もなかったんです。“結婚式で疲れてしまったのかな?”と思い、次の日に淡い期待をしていたらまた肩透かし……。女性からせがむのもどうかと思って我慢しましたが、いつまで経ってもその気配はありませんでした」

たまりかねて、彼女から「どうしたの?」と切り出してみたものの、彼は「自分でもわからない」と答えるのみ。それから彼女は、さまざまな文献を読み、エロティックな下着やネグリジェで迫ってみたり、滋養強壮剤を飲ませてみたり、エッチな動画を流してみたり、室内の照明を変えたり……。寝室の模様替えや色彩効果がいいと聞き、寝室のカーテンもソファも壁紙もピンクにしたそうですが、彼の態度に変化は見られません。

彼女なりに努力し、思いつくことは試したのですが、旦那さんは「どうしてもその気になれない」の一点張りだったそうです。

「これは身体的な病気かもしれない」と病院にも行きますが、「機能的には問題ない、心因的なものでしょう」と診断され、夫婦でカウンセリングにも通ったそうです。

このように彼女は何とか治そうと努力し、3年の月日が経ちました。それでも劇的な変化はありません。

Aさんが一生懸命になるのにはもう一つの理由がありました。それは、「セックスレスで女性としてさみしい」というだけでなく、比較的晩婚だったため、「早めに子どもが欲しい」というのものでした。

それなのに彼は「もう僕は無理だから、新しい人と結婚していいよ」「僕との子どもは望めないから、もう別れよう」と諦めるような発言を繰り返すようになります。

プレッシャーをかけると逆効果だろうと無理強いしないように心掛け、さみしいとは口にせず、彼の負担にならないように耐え続けたAさんでしたが、とうとう疲れてしまい、離婚になったそうです。
 

セックスレス離婚の例:「この人は、“デキる”かどうか?」

セックスレスによる離婚後もトラウマに

今度こそはと、理想の相手を探すが…

離婚後、Aさんはすぐに再婚相手を探し始めました。実は、Aさんはとてもセクシーで魅力的なルックスの女性です。旦那さんをその気にさせるため日夜努力を怠らなかったので、長い結婚生活でくたびれることもなく、自然と性的な魅力を身につけていたのでしょう。

しかし、出会いの場ではそれがアダとなってしまいます。今までさみしかった思いを理解してほしい、と相手を探してみたそうですが、寄ってくる人は体目的ばかり……。

呆れたAさんが結婚相談所に来たのはそんなタイミングでした。きちんと結婚の意志があり、素性の分かる独身男性と、結婚を見据えたお付き合いをしたいとハッキリとした口調で話してくれました。

ところが、ある問題にぶち当たることになります。

「いくらマッチングしても、この人は本当に“デキる”んだろうか? そんな風に疑ってしまうんです。もし交際中にそういう関係になれたとしても、結婚した途端にセックスレスになってしまったら……という不安もあって……」

結婚相談所は、性的な関係になったら「成婚退会する」という決まりがあります。これは、結婚の約束もなしに性交渉し、遊びの関係にならないよう会員を守るためで、多くの結婚相談所に共通するルールです。しかし、彼女は結婚前に知りたい。いや、デキると知ってもそれが結婚後も続けられるのかわからない……と疑心暗鬼になってしまいます。

「毎日毎日、こんなことばかり考えている自分が嫌なんです!」

そんな感情が溢れだした彼女は爆発し、ワンワンと大泣きしました。もう嫌だ、と。そして満たされなかった自分、欲求不満の自分。ふつうに子どもが欲しいだけなのに、どうしたらいいのかわからない不安。こんな悩みから開放されたい、と。

カウンセリングを受けた結果、「しばらく婚活を休みましょう」ということになり、結局、結婚相談所を休会することになりました。とても魅力的な女性でありながら、セックスレスによる離婚がつらく影を落としてしまった悲しいできごとだったのです……。
 

離婚理由には性の不一致も含まれる……まずは「早めの治療」を

離婚理由で多くをしめる「価値観の違い」には、性の不一致、つまりセックスレスも含まれます。そして、セックスレスというと女性側が拒否するもの、というのはもはや昔の話。今や、男性の勃起機能不全障害によるセックスレス離婚は少なくありません。

結婚していても完全なるセックスレスであれば、子どもが欲しいという願いも叶わなくなるので、強く望む方から離婚を切り出すこともじゅうぶんあり得ます。問題がある男性の方から、女性の将来を考えて身を引く事例も少なくありません。

パートナーとの性については、とてもセンシティブな問題でなかなか病院に行けないかもしれません。しかし、まずは早めの治療やカウンセリングが解決への第一歩となることがあります。

もちろん、Aさんのようにそれでもうまくいかず、心の傷になってしまうこともあるかもしれません。それでも、ただ時間だけが過ぎてしまい後悔する……ということにならないよう、行動してみていただきたいものです。

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