ビジネスマナー/接客・接待・訪問のマナー

部下をやる気にさせるコツは、上司の「質問力」!

やる気のない部下・自信のない部下にどう接したらいいのか、悩んでいる上司の方も多いことでしょう。人のモチベーションを上げ、成長させるためには、実は指導やアドバイスよりも「質問力」が大切です。リーダーが「質問力」を上げ、部下やチームメンバーをやる気にさせるノウハウとコツを解説します。

寿  マリコ

執筆者:寿 マリコ

ビジネスマナーガイド

質問力1

部下を育てていくために「質問力」は重要です。


「質問力」とは?相手に「きっかけ」を与える

どうしたら部下の仕事に対するモチベーションを上げることができるのか、人材育成に悩んでいる上司も多いでしょう。
あなたは、どのような質問を部下に投げかけていますか?

質問することによって、知りたい情報や考え、気づき、意欲などを引き出す力のことを「質問力」と言います。

「質問」というと、「自分が情報を得るために使うもの」という印象がありますが、「相手に考えたり気づいたりする”きっかけ”を与える」という重要な役割もあります。

上司が「質問力」を上げると、部下の行動が変化が変化し、問題解決が円滑に進みます。部下が自分で考えて動くようになるのでマネジメントはラクですし、上司と部下の信頼関係も深まります。

部下育成のために、「質問力」は欠かせない要素なのです。


質問力2

「質問力」を上げると、部下との信頼関係を深めることも可能です。


質問の種類…目的によって使い分けよう

質問の種類には、
  • クローズド・クエスチョン
  • オープン・クエスチョン
  • 5W1Hのクエスチョン
などがあります。
質問する場合は、相手に何を答えてもらいたいのか、目的が何なのかによって使い分けます。

  • クローズド・クエスチョン
会話を始めるきっかけとして用いたり、相手の考えや情報などを確認したい時の質問に用います。

YesかNo、○○と○○のどちらかなど、答えに制限がある質問に回答してもらいます。考えや情報などを素早く得ることができます。

【例】
質問者:「商品AとBでは、どちらが人気ですか?」
回答者:「商品Aです」

  • オープン・クエスチョン
相手に気づきや考えることを促したい時の質問に用います。
回答者に、制限なく自由に答えてもらいます。幅広い答えが出るというメリットがあり、回答者が新たな気づきを得ることが可能です。

【例】
質問者:「商品Aの人気が高いようですが、その要因をどのように考えますか?」
回答者:「品質にとことんこだわったことで、お客様にとって価値のある商品だと判断して頂けたことだと思います」

  • 5W1Hのクエスチョン
5W1Hとは、
  • When(いつ)
  • Who(誰)
  • Where(どこ)
  • What(何)
  • Why(なぜ)
  • How to(どのように)
のことを指します。

・情報を得る時、確認したい時の質問には、
  • When(いつ)
  • Who(誰)
  • What(何)
を用います。

【例】
質問者:「新製品の発表会はいつですか?」
回答者:「来週の土曜日です」

・相手の考えや気づきを述べてもらいたい時の質問は、
  • What(何)
  • Why(なぜ)
  • How to(どのように)
を用います。

【例】
質問者:「プロジェクトを成功させるために、何が必要だと思いますか?」
回答者:「マイナスな要因に対して、できるだけ早く対処することだと思います」


「良い質問」「良くない質問」とは?

質問には、良い結果を導き出す「良い質問」と、そうではない「良くない質問」があります。

良くない質問とは、たとえばミスをした部下に対して、「どうしてこんなことができないんだ?」「何度言えばわかるんだ?」などの、「答えが出せないような質問」です。

このような質問をされても、部下は「申し訳ありません」と謝るほかなく、これでは何の気づきを得ることができないため、問題解決につながりません。

部下が考えることを阻むような質問は、成果に導くプロセスを部下自身でつくり出すことが困難となります。

これに対して良い質問とは、部下に考えるきっかけや気づくきっかけを与える質問です。

きっかけを与える質問は、部下が成果を達成するプロセスを自分で考え、答えを導き出して行動できるという、部下の成長へとつながります。

良い質問を意識すると、質問力が向上します。
以下は質問力を上げるコツについての説明です。参考にしてみてください。

質問力3

部下の成長は、いずれあなたにも成果となって戻ってきます。



「質問力」を上げるコツ1…具体的な質問で、答えを導きやすくする

■具体的な質問で、答えを導きやすくする
「○○について、どう思うか?」「○○するには、何をしたらよいか?」という質問に対して、思うように回答が得られない場合、「○○の改善に必要なことを考えてほしいが、どうだろうか?」など、聞きたいポイントを具体的に質問します。

【例】
上司:「業績を○○の目標まで上げるために、チーム力の改善に必要なことを考えてほしいが、どうだろうか?」


「質問力」を上げるコツ2…良い結果について、要因を質問する

■良い結果について、要因を質問する
悪い点ばかりを指摘しても、部下のモチベーションは下がっていく一方です。

部下のやる気を引き出したい場合は、良い結果の質問をしてみましょう。その際に、どのようなことで良い結果に導くことができたのか、その要因を質問します。良い結果の要因を質問することで、部下に良いパターンの気づきがもたらされるでしょう。

【例】
上司:「先日のプレゼンとても良かったと聞いたのだけど、いつもとどう変えたの?」


「質問力」を上げるコツ3…可能性を広げる質問をする

■可能性を広げる質問をする
「この範囲で」という質問をあえて設けずに、可能性を広げる質問をします。

制限に縛られることなく自由に考えてもらうことで、多くのアイデアを出すことができるため可能性が広がります。自由に発想することで、部下のやる気も増すでしょう。

【例】
上司:「予算の制限がないとしたら、どんな企画を立てますか?自由に考えてみてください」


質問力アップで部下が変わる!

いかがでしたか?「質問力」を上げると、部下とより良い関係が築けるでしょう。また、部下にやる気を持たせ、部下の行動を変えることができるでしょう。

部下の成長は、本人に良い結果をもたらすだけではなく、いずれあなたにも成果となって戻ってきます。
質問力を上げるコツ3つ、部下への質問に取り入れてみてください。
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