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医療費控除とは?対象となる医療費とは?

皆さんや皆さんと生計をともにする家族が1年間に自己負担した医療費が一定額を超えた場合、その超えた額を所得控除できる制度が医療費控除です。対象となる医療費は病院の窓口で払ったもの以外にも薬局で購入した薬、あんま、はりなどの施術費、通院の費用なども対象となる一方で健康診断や人間ドックといったいわゆる治療でないものは対象ではありません。

医療費控除対象となる医療費の例
●医師に払った治療費
●治療のための医薬品の購入費
●通院費用、往診費用
●入院時の食事療養・生活療養費
●歯科の保険外費用
●あんま、指圧、はりの施術費
など

控除対象とならない医療費の例
●健康診断、人間ドックの費用
●ビタミン剤、消化剤、体力増強剤等
治療のためでない医薬品の購入費
●自家用車で通院するときの駐車代や
ガソリン代
●予防接種費用
●妊娠検査薬や妊婦用下着購入費
●コンタクトレンズ代
など

医療費控除の額は

その年の1月1日~12月31日に支払った医療費から健康保険からの給付(高額療養費、出産育児一時金など)や生命保険会社からの給付(入院時給付金など)を引いた額が10万円または所得金額の5%のいずれか低い方を超えていれば、その超えた金額が医療費控除額となります。ただし年間200万円が上限です。

その年に支払った医療費-給付金保険金等-10万円または所得総額の5%(いずれか低い方)=医療費控除額(年間上限200万円)

セルフメディケーション税制とは

平成29年分からは薬局やドラッグストアなどで医療用成分を含んだ市販薬の購入について『セルフメディケーション税制』が受けられるようになりました。これは医療費控除の特例との位置づけであり医療費控除と両方同時に利用することはできません。また市販薬の中でも対象となる成分が決まっており、本来医者からの処方箋がないと使用できなかった医療用の83成分を一般向けに転用した薬(スイッチOTC薬:Over The Counter)のみが対象となります。

なお対象製品の多くには以下の共通識別マーク(一般社団法人 日本OTC医薬品情報研究会 の登録商標)が入っています。
セルフメディケーション識別マーク

セルフメディケーション識別マーク



セルフメディケーション税制導入の背景

現在日本の国民医療費は42兆円を超えており、国民所得に対する医療費の割合も年々増加の一途をたどっています(下図 厚労省データ参照)。また医療現場、特に大病院において外来患者数の増加を抑制するため国は種々の政策を打ち出していますが、それを税制面からも後押しする狙いが背景にはあると思われます。

出典・平成27年度 国民医療費の概況(厚生労働省)

出典・平成27年度 国民医療費の概況(厚生労働省)



前述したようにスイッチOCT薬は本来医療用であった成分を一般薬に転用したものですが胃薬(H2ブロッカー)や抗アレルギー薬(H1ブロッカー)、頭痛、生理痛薬(イブプロフェン)など疾患としては緊急性が低くかつ薬剤としては使用経験も豊富で比較的安全性の高い成分が対象となっています。ちなみに『セルフメディケーション』とはWHOでは『自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること』と定義されています。

※具体的な対象医薬費品の一覧は、厚生労働省ホームページの一覧をご確認ください。

医療費控除とセルフメディケーション税制の違い

『医療費控除』の対象となる金額は前述したとおりですが『セルフメディケーション税制』では対象となるスイッチOTC薬の年間購入額が1万2000円を超えた場合、その超えた額が控除対象となり年間控除上限額は8万8000円となっています。また『セルフメディケーション税制』を受ける際には適応要件が定められていますので下にまとめてみました。

医療費控除とセルフメディケーション税制の違い

医療費控除とセルフメディケーション税制の違い



いくら戻ってくるの?

皆さんが一番気になるのは『医療費控除』や『セルフメディケーション税制』でいくら戻ってくるの?ということでしょう。よく超えた部分つまり『医療費控除』ならば10万円を超えた額、『セルフメディケーション税制』ならば1万2000円を超えた額がそのまま戻ってくると間違えておられる方もおられますが、正しくは『医療費控除額もしくはセルフメディケーションによる控除額』に『所得税率』をかけた額です。所得税率はその方の課税所得金額によって5~45%と異なりますので課税所得の大きい方は戻ってくる額も当然大きくなります。

医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらを選択するのか

『医療費控除』は支払った医療費全てが対象ですが10万円を超えないと控除の対象となりません。一方『セルフメディケーション税制』はスイッチOTC医薬品のみが対象ですが1万2000円を超えると控除の対象となります。ハードルは『セルフメディケーション税制』の方が低そうですがスイッチOTC薬だけでその額を超えるのは少し難しい気もします。入院、手術を受けるような大きな病気をした場合は『医療費控除』を、そうでない場合は『セルフメディケーション税制』を考えてみるというところでしょうか。なお基本的には単純に超えた額(控除額)を比較してみて額の大きい方を選んでいいのではないかと思います。

医療費控除、セルフメディケーション税制を申告してみよう

毎年確定申告の時期になると国税庁ホームページには『確定申告特集』が組まれその中の『確定申告書作成コーナー』に沿って記入していくだけで申告書が出来上がります。

国税庁ホームページの『確定申告特集』

国税庁ホームページの『確定申告特集』



何もわざわざ税務署まで行って相談しなくても自宅にコンピュータさえあれば申請書の作成自体はそう難しいものではありません。また確定申告の期間は原則として、2月16日~3月15日だからと諦めておられる方がいるかもしれませんが『還付申告』いわゆる税金を取り戻す申告は年中いつでも受け付けてくれますので遅いということはありませんし控除対象の年以降5年間は受けることができます。この機会に皆さんもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

執筆・監修/井出やすひろ(CFP・一級FP技能士・MR)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。