ハウスメーカー社員が建てた家には、快適に暮らせる間取りの工夫や、美しい室内をつくる内装・設備など、参考にしたいポイントがたくさん盛り込まれています。今回は、上質な素材にこだわり、心からくつろげる住まいを建てた、三井ホームの営業部に在籍する社員の家を紹介します。

希望条件を絞り、土地探しをスムーズに

社員の家undefined建築模型

N邸の建築模型。南側からの日当たりは期待できないため、“LDKは2階に配して採光と通風を確保する”というプランはすぐに決まったそう。


今回ご紹介するNさんは、ご主人も奥様も三井ホームで営業を担当しています。そんなお二人が注文住宅を建てるきっかけになったのが、奥様が同僚の家の見学会に行ったことでした。

「妻の同僚が建てた家は、延床面積が約20坪ですがとても広く感じ、暮らしやすそうな間取りだったようです。その家を見た妻から“自分たちも土地を買って家を建てよう”と言われ、真剣に考え始めました」(Nさん)

まずは、二人の給与で払える予算と土地の希望条件を決めて、土地探しをスタート。希望の土地が見つかるまで数カ月程度かかるケースも多いのですが、Nさんの場合、探し始めてから2週間で土地が見つかりました。

「仕事柄、日当たりや風通しがよく、四角形で南道路といった“条件が良い土地”は限られていることは知っていますし、土地に多少の難があっても設計の工夫で快適な家が建てられることは分かっています。

なので、希望条件は予算に収まるエリアで都心に出やすいこと、駅から近いことの2つに絞ったため、すぐに土地を見つけられたのだと思います」。

購入したのは、広さ約35坪、北道路、建蔽率40%、容積率80%、北側斜線ありなど、やや厳しい制約のある土地です。しかし、ご夫婦が持つ家づくりに関する知識と経験、建築家やインテリアコーディネーターとの協同により、明るく快適な住まいを実現されました。

ランダムに配した正方形の窓が印象的な外観

社員の家undefined外観

吹き付けの外壁は明るく見えるように白をセレクト。玄関ドアはメンテナンスを考慮し、木調の鋼製ドアを選ばれました。


ここからは、Nさんのお住まいを具体的にご紹介しましょう。
外観は、ホワイトベースの外壁により、明るく上品な雰囲気を醸し出しています。ランダムに並べられた正方形の窓が、軽やかな遊び心を感じさせますね。

「北側は道路に面していますが、人や車の往来は多くないため、外からの視線や音はさほど気にせずに窓を配することができました」。

外観のアクセントは、縦のラインに張った石調のタイルです。駐車スペースにもなるアプローチや花壇に天然石を用いることで、建物とエクステリアにゆるやかな統一感が生まれました。

白い空間に無垢のチーク材が映えるLDK

住まいの中心は2階に設けた約16畳のLDKです。床材に使った無垢のチーク材が映えるように、壁と天井、キッチンは白で統一されました。

「私たちのこだわりの一つが、新入社員の頃にモデルハウスで見て以来気に入っていた無垢のチーク材を取り入れることでした。担当のインテリアコーディネーターには、チークの床材からイメージを膨らませ、室内全体をコーディネートしてもらいました」。
チーク材を使ったLDK

美しい木目と高い耐久性を持ち、古くから高級材として知られているチーク。そのチークをLDKの床全面に用いることで、ナチュラルな中にも落ち着きと上質感のある空間になっています。


LDKの天井高は空間によって異なり、吹抜けのリビングは約5m、ダイニング・キッチンは約2.4mあります。リビングの吹抜け部分は、三角屋根に見えるように天井材を張ったそうです。

「2階の屋根構造材は、当社オリジナルの『ダブルシールドパネル』を使用しています。断熱性の高い『ダブルシールドパネル』は、屋根からの太陽熱を室内に伝えにくいため、真夏でも熱がこもらず快適に過ごせます」

また、Nさんがお客様にいつもお勧めしている健康空調システム『スマートブリーズ』を導入されています。電源を点けたり消したりする方がコストもかかるため24時間使用していますが、電気代は真冬でも約1万5000円程度で済んでいるそうです。

「わが家のように、天井が高くて空間がつながっている間取りの場合、空調が効きにくく、冷暖房費が高くなりがちです。しかし『スマートブリーズ』のおかげで、経済的かつ一年中快適に暮らしています」。
社員の家undefinedリビング

高窓から光が差し込む、明るく開放感あふれるリビング。「以前の住まいと比べて、観葉植物が活き活きとしています。『スマートブリーズ』は人間だけでなく植物にも優しいようです」。


お気に入りの家具が映えるダイニング・キッチン

木製扉と人工大理石のカウンターは白で統一した、清潔感溢れるオープンキッチンです。キッチンとテーブルを一列に配して、空間をより広く見せています。

「幅2.6mのキッチンは、二人でも無理なく使えるサイズです。奥行は1mあり、キッチン側とリビング側の両方に収納が備えられています。リビング側の収納に印鑑や文房具など細々としたものを入れているので、リビングに収納家具を置く必要がなくなり、その分スペースを広く使えています」。

ダイニングテーブルの横に設けられた正方形の窓は、Nさんのご希望だそうです。

「工事中に見たとき、正方形の窓と、その90度横にある窓の高さが微妙に違っていました。経験上、高さや凹凸など細かなディテールをきれいに揃えた方が、空間の完成度がより高まることを知っているので、その場で職人さんにお願いして水平に揃えてもらいました」。
社員の家undefined白いキッチンは三井ホームのオリジナル

白いキッチンは三井ホームのオリジナル。ダイニングテーブルと椅子は、イタリアの家具ブランド『Cassina』からセレクト。


ちなみに、2階はキッチンを中心とする回遊動線の間取りです。

「行き止まりのない回遊動線は、家事を効率よく進めたい方に人気の間取りですが、動線を確保するためにそれなりの広さが必要になります。

通常、わが家ぐらいの広さの家で回遊動線を採り入れるのは難しいのですが、建築家に工夫してもらうことで実現しました。回遊動線上にパントリー、洗面・トイレ、階段、リビング、ダイニングがあるので、家事はもちろん、上下階への移動もスムーズにできます」。

寝室には美しく使いやすい身支度コーナーを

1階にある主寝室には、広いウォークインクロゼットを隣接しました。ウォークインクロゼットの入り口の前には、鏡とオープン棚を設えた身支度コーナーが設けられています。

「このオープン棚は、少し厚くした壁に棚板を差し込んだ造りです。一般的なオープン棚は、棚板をL字金物で支えたり、チェーンで吊るような造りが多いのですが、余分なディテールがない方がすっきりと美しく見えるので、この造りにこだわりました」。
社員の家undefined寝室

寝室にある身支度コーナー。バッグやアクセサリーなどはオープン棚に収納しています。棚を支える金物がないことで、余分なディテールのない、すっきりと美しいコーナーになりました。


1階は、寝室、ウォークインクロゼット、洗面・浴室、階段、玄関が回遊動線でつながる間取りです。朝は、身支度から外出までスムーズにできますし、帰宅後は玄関から洗面室を通りクロゼットに行き、室内着に着替え、二階へと上るそうです。

「近頃、料理をしながら洗濯やお風呂掃除がしやすいように、浴室・洗面室をキッチンの近くに配する間取りが増えています。でも、わが家のライフスタイルではこのような“家事の同時進行”が難しいので、浴室と洗濯機のある洗面室は1階に配し、帰宅動線や洗濯動線を短くすることを優先しました」。

明るく広く見える工夫が詰まった玄関・階段

玄関や階段スペースにも、Nさんの経験と知識がちりばめられています。

「玄関に設けたニッチ(壁の一部をくぼませてつくる飾り棚)の形は、横長の方が空間に拡がり感を与えます。さらに、片側の横壁を取り払うことで“その先”があるように感じさせ、より広く見せるようにしました」。
社員の家undefined玄関

玄関扉を開けた正面の壁に設けたニッチ。ニッチ内の壁面にはモザイクタイルを貼ることで視線を集め、ディスプレイを強調させています。


Nさんがお客様にお勧めすることが多い三井ホームオリジナルのステンドグラスも、家を建てたら取り入れたいと考えていた素材でした。そこで、毎日眺められるように、一日に何度も通る階段の窓に設置されました。
社員の家undefined階段の踊り場

階段の踊り場に取り付けたステンドグラスの窓。淡い黄色のガラスが、ホワイトベースの室内空間のアクセントになっています。


予算内で希望を実現するコツは?

無垢のチーク材やステンドグラスの窓など、希望されていた上質素材を取り入れたNさんのお住まいは、快適に暮らせる間取りも実現しながら、費用は予算内で収められています。

「予算内で希望を実現するコツは“お金のかけどころ”を決めることです。例えば、広さを重視するのであれば、内外装や設備は標準仕様のものにする。または、広さは必要最低限にして、内外装や設備にこだわるという方法があります。

わが家は後者の方法に近いですね。特にチーク材は、今後おそらく輸入規制がかかり、さらに希少で高価な樹種になるので、思い切って贅沢に使いました。それもあり、広さは必要分に抑えています」。

建物が大きく広くなると、その分、費用は高くなるものです。“新居には収納がたっぷり欲しい”という方もいますが、使用頻度が低いモノの収納場所に費用をかけるぐらいなら、捨てられるモノは捨て、本当に必要なスペースを見極めた方が予算を抑えるのには効果的でしょう。

「新居への希望が多い人ほど、自分で“お金のかけどころ”を決めるのは難しいかもしれません。希望を的確に理解してもらえて、自身の経験を通じたアドバイスがもらえるような営業担当や建築家と相談しながら、プランにメリハリをつけると良いと思います」。

さらにNさんは、営業担当の立場から、予算は早めに伝えてもらう方が家づくりを無駄なく進められるとお話されます。

「予算を伝えるのには抵抗があるかもしれませんが、信頼できそうな人だと感じたら早めに伝えて頂いた方が、より的確なご提案ができます。

例えば、施工例をご案内するとき、予算が分からないと、とても広くて立派な家にお連れする可能性があります。でも予算をお聞きしていたら、それに近い家をご案内できます。その方が予算内でできる間取りの工夫や室内・外観の雰囲気が分かるので、参考になるはずです」。

プランにメリハリをつけることで、希望を実現しつつ予算に合わせた家づくりができるのは注文住宅のメリットです。営業担当や建築家のアドバイスを上手に活かし、満足できる住まいを手に入れてください。

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