手紙の書き方・文例

上司や目上の人を褒める5つの言葉!失礼にならない上手な敬語とは

上司や目上の人を褒めるときは、言葉選びや表現を間違えると失礼になりかねません。相手を褒めたい、尊敬の気持ちを表したいという時に、うっかり使いがちなNG誉め言葉・褒め方と、上手な言い換え例をご紹介します。

井上 明美

執筆者:井上 明美

手紙の書き方ガイド

実は失礼になりかねない! 上司や目上の人への褒め言葉・褒め方

上司・目上の人への失礼な褒め言葉、褒め方

目上の人への褒め言葉、褒めたい気持ちはわかるけれど……

仕事上でお世話になったり、相手の行為に感動したりしたときなどに、目上の人を褒めたい、尊敬の気持ちを表したいということもあるものです。

人を褒めるという行為自体は決して悪いわけではありませんが、相手が目上である場合は、褒めるという行為は一歩間違えると偉そうに聞こえる恐れもあります。

そんな目上の人への褒め言葉・褒め方の注意点や言い換え例にはどのような言葉があるか見直してみましょう。  

上司・目上の人に使うと失礼な誉め言葉5つ

1:通ですね
2:さすがのセレクト/チョイスですね
3:すごい上手ですね
4:似合ってますね
5:何でもやられるんですね
 

上司・目上の人への誉め言葉の言い換え例……この言い方で伝わる!

1:通ですね
相手がその分野の知識に通じていることを述べたいようなときによく聞く表現です。特に趣味や芸などの領域のことを指す場合が多いでしょう。

しかし、たとえば、取引先の目上の相手にごちそうになった場合などに、「日本酒通として知られるだけあってさすがですね」などと言ってしまうのは何だか偉そうな感があります。

ここは「通であると聞いている」「○○にも詳しいとのこと」などの表現を敬語で述べる方が誤解なく伝わることもあるでしょう。

■言い換え例
「通でいらっしゃると伺っております」「○○にもお詳しくていらっしゃるとのこと」など。

2:さすがのセレクト/チョイスですね
「さすが」というのは、感動の気持ちも表しますが、たいしたものだと感心するさまなども表します。この感心するという点が少々引っかかることもあるのでしょう。

「さすがですね、すっかり感動いたしました」あたりならば、自分の感想や感動の気持ちを添えることで相手を評価する偉そうな印象も薄れてくる感はありますが、「さすがのセレクト/チョイスですね」では、やや直接的すぎる印象もあります。

もしも言い換えるなら「セレクト/チョイス」もときには日本語で、そして敬語に言い換えてみましょう。

■言い換え例
「お選びくださった○○は、○○にぴったりで……」など。例えばお酒を選んでくれたのならば「あらためてお酒との組み合わせの素晴らしさを実感いたしました」「料理との相性というのも重要なのですね」。

3:すごい上手ですね
まず「すごい」という言葉についてですが、びっくりするほど、並外れた、などの驚きや感動を表します。

また、「すごい」という形容詞は「すごい忙しい」ではなく、「すごく忙しい」という言い方が通常だと言われる点でも時折問題になることがあります。

しかし最近では、「すごい見事な出来映え」「彼はすごいおもしろい人だ」のように、副詞的に用いられることもあります。やや新しい使われ方とも言われ、意見が分かれるので、とらえ方に個人差がある、と思っておくのがよいかもしれません。

ここでは、「すごい」の使い方の正誤というより、偉そうに聞こえる点に気を配ったほうがよいでしょう。その意味で、「上手」「上手い」などの言い方が、気になるという場合もあります。

ましてや、相手が目上であったり、プロである場合に「この書(絵)上手ですね」では、自分がプロの相手を評価しているような感も否めません。ここは2に同じく、感想や感動を述べたほうが好ましいものです。

■言い換え例
「素晴らしくて、つい見入って/見とれてしまいました」「こんなふうに描けたら素敵ですね」など。

4:「似合ってますね」
こちらは単純に敬語に換えるべきでしょう。

■言い換え例
「お似合いでいらっしゃいますね」「いつもセンスが良くていらっしゃるので素敵だなと……」など。

5:何でもやられるんですね
こちらも間違いではありませんが、「やる」をいくら「やられる」と敬語にしても響きが俗っぽいですね。「ゴルフもやられるんですね」というような例ですが、「やる」を「やられる」ではない敬語にしたほうが品も良く響くでしょう。

■言い換え例
「何でもなさるなんて素敵ですね」「何でもおできになるのでうらやましく存じます」など。
 

直接褒めるより、「自分の感想として伝える」のがおすすめ

上司・目上の人への失礼な褒め言葉、褒め方

シーンに合わせて自分の「思い」を伝えてみましょう

このように、特に目上の人を褒めるという行為・言葉は案外難しいことがわかります。

最初に述べたように、相手を褒めたいという気持ちは決して悪いことではありません。ですが、相手が目上の場合は、自分の感想や感動した思いを述べることで、結果的には相手を婉曲に褒めることにもつながり、その方が誤解なくスマートに伝わるという点があるのでしょう。

相手に合わせて、ときにはほんの少し表現も工夫をしたいものですね。

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