ランボルギーニ/アヴェンタドール

SUVのスーパーカー、ランボルギーニウルス登場!!

ついに登場したランボルギーニの“スーパーSUV” ウルス。そのワールドプレミアが、このクルマのために規模を倍にした本社工場の披露も兼ねて、盛大に開催されました。ランボルギーニのこのクルマにかける意気込みが伝わってくる発表会の様子をお伝えします。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ウルスのため本社に新工場“リネア・ウルス”を建設

ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニ初のSUV、ウルス。「ラグジュアリーSUVであると同時に、スーパー・スポーツのダイナミズムも備える」“世界初のスーパーSUV”と謳われる。日本での価格は2574万円

コンセプトカーの衝撃的なデビューから、約5年。ランボルギーニからついに、SUVのウルスがワールドプレミアを果たした。否、ランボルギーニ曰く、ウルスはSUVではない。スーパーカー級のSUV、ということで彼らは特に“スーパーSUV”(SSUV)と呼んでいる。

期待の新星である。ランボルギーニのウルスにかけた意気込みのほどは、そのワールドプレミアの“方法”に、既に現れていた。ランボルギーニの場合、新型車のデビューはジュネーブショーで、というのがこれまでの常識だった。ところがウルスは、モーターショーとは一切関係なく、本社で盛大に披露することを、もう随分と前から我々プレスにも伝えていた。
ランボルギーニ ウルス

会場となった新工場のライン横に、ウルスが飾られた

どうして、本社で行ったのか。それは、ウルス本格生産のための、新ファシリティの披露も兼ねたかったからだ。ウルスの生産にあたって、ランボルギーニは本社工場の規模を、何から何まで倍にした。面積、工場、人員、そして生産台数、全てを、だ。ランボルギーニ史にとって、最大の画期となることは間違いない。それゆえ、全世界からVIP顧客やディーラー関係者、投資家、プレスなどを招いた新工場での披露パーティ、という一大イベントを企画したというわけだ。

盛大な披露パーティ。ディナーは生産ラインで

ランボルギーニ ウルス

発表会は従来の本社工場のちょうど真裏に建設された新工場“リネア・ウルス”で行われた

実際、そのお披露目は、盛大なものだった。“リネア・ウルス”と名付けられた新アッセンブリーラインは、従来の本社工場のちょうど真裏に建設された。広々とした工場は、インダストリー4.0の最新方式で、最大日産20台のウルスを生産することができる。同時に、その完成クオリティを引き上げ、効率よく生産システムを運用するため、従来のモデルを含んだ広大な検査ラインまで新設した。現在は、ウラカンと同様にグループ会社から塗装済ボディやパワートレインの供給を受けてはいるが、近い将来にはペイント工場も完成するらしい。
ランボルギーニカウンタック

歴史的名車が、入口だったタイムトンネルを模した舞台を駆け抜ける

ランボルギーニ LM002

こちらは80年代後半に市販されたランボルギーニのSUV、LM002

披露パーティは、夜、その新工場内にて行なわれた。タイムトンネルを模した入口から中へ。すでに着飾った紳士淑女で賑わっている。旧知の幹部やコレクターを見つけてはハグで挨拶。近況を報告し合う。

カクテルタイムが終わると、いよいよウルスの披露パーティが始まった。ミウラ、カウンタックといった歴史的名車がタイムトンネルを駆けぬける。そのあとを追いかけて、80年代後半に市販されたランボルギーニのSUV、LM002が姿をみせた。そう、ランボルギーニには時代に先駆けてSUVを市販したという歴史があったのだ。
ランボルギーニ ウルス

スピーチを行うランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏

ランボルギーニ社の幹部による熱烈なプレゼンテーションののち、静かに、そして厳かに、二台の、イエローとグレーのウルスが現れた。爆音はない。それが新しい時代の幕開けであるかのように、ウルスはあくまでも冷静に登場した。しかし、そのクルマについて語られるスペックや仕様は、熱い。とても、熱い。曰く、650馬力の4L V8ツインターボにより、0-100km/h加速は3.6秒。なるほど、スーパーだ。
ランボルギーニ ウルス

ラインとラインの間にテーブルを設置した盛大な“ディナー会場”

正式な披露が終わると、ガラディナーだ。テーブルは、なんと、新工場のラインとラインとの間に設営されている。今、正に組み立てられようとしているウルスたちの脇で、われわれは美味しいイタリア料理に舌鼓を打った。
ランボルギーニ ウルス

広く、清潔で整然とした新工場のアッセンブリーライン。最大日産20台のウルスを生産することができる

翌日、改めて訪れた新工場に、ボクは素直に感動した。昨夜は暗くてよく分からなかったけれども、とてもゆったりとしていて、働きやすそうだ。同じような光景を、ボクはアウディスポーツの新工場でも見ている。人に優しい工場。以前、CEOに就任したばかりのステファノ・ドメニカリはこう言っていた。「会社の規模が倍になっても、大切なことは、みんなが家族のような気分で、ランボルギーニを造るという誇りを抱きつつ、働ける環境を造ることだ」と。なるほど、この工場なら、喜んでランボルギーニを造ってみたいと思った。

魅惑のインテリア。後席は居住性も確保

ランボルギーニ ウルス

ボディサイズは全長5112mm×全幅2016mm×全高1638mm、ホイールベース3003mm。乾燥重量は2200kgとなる。全体の2/3がボディ、残り1/3がウインドウという、ランボルギーニのスーパースポーツの比率を採用する

ランボルギーニ ウルス

650ps/850Nmを発生する、4LのV8ツインターボをフロントの低い位置に搭載。8ATが組み合わされている。状況に応じて車高を変更してくれるアダプティブ・エア・サスペンション・システムも備わった

ランボルギーニ ウルス

トルクベクタリングやリアホイールステアリングを備えた4WDを標準化。0-100km/h加速3.6秒、最高速度305km/hとされた

肝心のウルスはどうだったか。コンセプトカーよりはルーフラインが高くなり、後席の居住性をしっかり担保している。せっかくのSUVである。実用的でなければ造る意味がない。個人的には、エクステリアよりもインテリアの方が強く印象に残った。特にセンターコンソールまわりのデザインが面白い。まるで飛行機のコクピットのようだ。早く操作してみたいと思わせる。それは魅惑的なインテリアだ。
ランボルギーニ ウルス

ランボルギーニらしいデザインの室内空間。走行モードを選択できるドライビング・ダイナミクス・コントロールはSTRADA/SPORT/CORSAに加え、NEVE(雪上)を採用。TERRA(オフロード)とSABBIA(砂漠)という2つがオプションで用意される

ランボルギーニ ウルス

後席は3座仕様を標準装備、オプションで独立2座も用意されている。ラゲージ容量は616~1596L

ウルスには二つの顔がある。ノーマルと、オフロードパッケージだ。アプローチアングルを考えたオフロードパッケージのほうが、顔つきがシャープで、ダイナミックに思えた。自分で買うなら、オフロードパッケージにスポーツシート、後席2座の仕様にするだろう。

ランボルギーニのSUV。それは単に時流に乗っただけの企画ではない。ファミリーでも使える待望のランボルギーニ。ウルスがランボルギーニブランドへのとば口になる日がやってきた。

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