NISSAN(日産)

日産の新型リーフ、本当のところはどうなのか評価した

フルモデルチェンジを果たし、より魅力的になった日産の新型リーフ。性能も向上しているが、果たして買いなのかどうか。先代リーフを2台購入したガイドが購入を検討しているドライバーに向けて、新型リーフの評価と注意すべきことをまとめた。購入を真剣に検討している人は必見だ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

性能は全く問題ナシ! 実航続距離も200kmはいくだろうが

日産、新型リーフ正面画像(2017年)

日産の新型リーフ、フルモデルチェンジして性能は向上した

何かと話題の電気自動車ながら、現時点で購入対象になるのは『日産リーフ』のみ。果たして「買い」だろうか? 結論から書くとクルマの完成度や魅力度について高く評価しながら「待ち」ということになる。なぜだろうか? 先代リーフを2台購入した私が紹介したい。

新型リーフの性能については「全く問題無い」と言い切っておく。満充電すれば実力で240km(冬場ヒーター使うと200km程度)くらいの航続距離を持つし、外出先で困ったら日産ディーラーに行けば急速充電器があるため、30分の充電で200km近く走れるだけの電力を確保出来る。

性能が十分なら、何が問題なのか?

新型リーフundefinedバッテリー画像(2017年)

バッテリーの劣化は避けられない。納得できる値段で交換できるようにしてほしい

クルマとしての性能も必要にして十分。加速などスポーツモデルと言っても良いほど。では何が問題か? エンジン車と比べた時のコストパフォーマンスである。電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池は無限の寿命を持っているワケでなく、5年くらい使うと新車時の80%くらいの容量に減る。

初代リーフの場合、新車時に130kmほどだった航続距離が100kmになってしまう、ということ。納得出来る費用でのバッテー交換プログラムなどあれば問題無いのだけれど、日産は何のアナウンスもしなかった。私は何度か記事を書いたりするなど日産に対し質問をしたのに、無回答。

結果、従来型リーフは中古車市場で価値が認められず、驚くほど安価な売買相場になった。下取り査定も、ほとんどゴミの金額。かといって航続距離100km(ヒーター使うと60km)のクルマに乗り続けるのも悩む。初代リーフユーザーは売ると損。乗り続けるのも修行という厳しい状況に直面している。

バッテリー交換費用に問題を抱え続けるリーフ

日産、新型リーフundefinedナビ画像(2017年)

充電スタンドは増えたし、探しやすくなっているが

新しいリーフはバッテリー容量が大幅に増え、5~6年乗った時も従来型よりずっとマシになった。けれど新しいリーフのバッテリー交換についても日産は全くアナウンスしていない。中古車価格の暴落は十分考えられる上、5~6年後に登場する電気自動車と比べたら、全ての点で性能は低いだろう。

ということで従来型リーフより少し状況は良いものの「二階に上げて階段を外す」ような流れは継続中。強いて言えば来年追加されるさらに電池容量多いタイプなら(現在の40kWhから60kWhになり実用航続距離360km程度)、10年経っても実用航続距離240kmを確保出来る。

60kWhバッテリーモデルに期待だが、同価格帯は魅力的なクルマが多い

日産、新型リーフundefinedバッテリー走行イメージ画像(2017年)

60kWhモデルなら、10年たっても航続距離240kmは確保できそう。車両価格がどうなるか

60kWh搭載モデルが納得出来る価格で販売され時点で「買い」としておく。ただ400万円の予算で「魅力的なクルマ」を探すと、輸入車を筆頭に多数のチョイスがある。3~5年乗った後のリセールバリューの高さを期待出来るモデルも少なくない。高い査定額の出るクルマなら、乗り換えも容易。

考えてみたら、やがてイヤでも電気自動車を買わなければならない時代がやってくる可能性が出てきた。だったら最後に楽しくて魅力的なエンジン車を買っておき、数年後に乗り換えるというチョイスなどもいい。電気自動車が大好きな私も、次は楽しいエンジン車を選ぼうと思っている。

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