肩こりの人に多い「首の痛み」の原因は?

ふとした日常動作で首の痛みに気づく人も多いようです

ふとした日常動作で首の痛みに気づく人も多いようです

日常的によくみられる「肩こり」では、首や肩周り、背中にかけての不快な重さや鈍痛、張り感、筋肉の硬さなどの自覚症状が起こります。肩周りが何となく重いだけでも体調がスッキリしないものですが、肩こりの症状とセットで、うつむく姿勢がつらい、上を見上げると痛みが出るといった「首の痛み」を訴える方は少なくありません。

首の痛みは、頚椎や椎間板などの疾患が原因のこともあります。しかし、病院で検査を受けても特に異常が見られないものもあり、日常動作でとても気になる首の痛みや不快感を抱えている方も多いのです。

■「首の痛み・不快感」の訴えの実例
  • 車の運転で顔を左右に向けた時に痛みが出る
  • 洗面所でうがいをしようと上を向くと痛い
  • スマホを使おうと顔を下へ向けた時に痛む
  • デスクワークを続けていると首がつらくなる
など。肩こりのある方は、これらの症状に当てはまるものはないでしょうか?

首の筋肉に負担をかけやすい姿勢……頭部前方突出

首の筋肉に負担をかける姿勢のひとつに顎を突出し首が反り気味になる状態があります

首の筋肉に負担をかける姿勢のひとつに顎を突出し首が反り気味になる状態があります

病院での検査では問題が見つからない「首の痛み」がある場合、肩こりにも関係の深い、頭を動かしたり姿勢を支えるたりするはたらきのある筋肉の不調が絡んでいる可能性があります。見た目でも分かりやすい姿勢の傾向として「頭部前方突出」の姿勢が挙げられます。

首から頭にかけて体の前方で保たれるような状態です。顎を突き出し首を反らせるような姿勢で、頭を支える働きをする筋肉である僧帽筋上部線維や後頭下筋群などへの負担が大きくなってしまいます。これにより頚椎に付着する筋肉が過度に緊張してしまうため頚椎の動く範囲が制限され、これにより首の痛みを生じやすくなると考えられます。

同時に骨盤の傾きや胸椎・腰椎など背骨のカーブも変化している場合があります。いずれも「猫背姿勢」「悪い姿勢」といった、見た目の印象にも関わるものですが、姿勢的な負担も大きく、疲労しやすくなるので、早めに対処するのがよいでしょう。

首への負担による肩こり・首の痛みを軽減するために

「頭部前方突出」の姿勢になる背景には、毎日の生活習慣があると考えられます。パソコンを使用するデスクワークの時間が長かったり、机や椅子が体に合っていない場合の座り姿勢が定着していたりする場合など、日々の何気ない習慣が影響している場合が多いのです。

肩こりの悪化や、首の痛みはもちろん、その周辺の筋肉が緊張すると、頭痛などの他の症状にも繋がります。頭の位置が前方にある姿勢が癖になってしまっている場合、まずは簡単なエクササイズで、軽減を目指しましょう。

肩こり・首の痛みに有効な「縮めて伸ばす」首ストレッチ

うつむき姿勢が多い人やデスクワークで首の後ろ側の筋肉が緊張しがちな人は、ゆっくりと首の後ろ側を伸ばしていきましょう。

顎を上げると痛みが出るなどツライ場合は、無理に行わず、肩をすくめるだけにとどめても良いです

顎を上げると痛みが出るなどツライ場合は、無理に行わず、肩をすくめるだけにとどめても良いです

1.両肩をすくめると同時に少し顎を上げ、首の後ろ側を縮めるポーズを3秒間とります。

首の後ろ側が各角度で気持ちよく伸びるようにゆっくり動かしましょう

首の後ろ側が各角度で気持ちよく伸びるようにゆっくり動かしましょう

2.両肩の力を抜き、頭部を下げて左から右・右から左へと弧を描くように2往復頭を動かし、首の後ろ側をストレッチしましょう。

「1」「2」を3~5回繰り返します。

顎引きリラックスエクササイズ

頭部が前方へ位置する姿勢になることで、本来あるべき頸椎のカーブが損なわれがちに。頸椎のカーブを意識したエクササイズを試して頚部をリラックスさせましょう。

手に首の後面を押し付ける際は、強めにせず軽く行いましょう

手に首の後面を押し付ける際は、強めにせず軽く行いましょう

1.両手を首の後面に当て、顎をゆっくりと引きます。この時、手に首の後面を押し付けるよう3秒間キープします。

手を組んだ方が頭が安定しやすい場合は、組んでかまいません

手を組んだ方が頭が安定しやすい場合は、組んでかまいません

2.押し付けていた力を抜き、両手に寄りかかる様に少し顔を上げてみましょう。大きく1回深呼吸をしてリラックスさせます。(顔を上げた時に気分が悪くなる人はすぐに中止して下さい)

腕を挙げておくのはツライと思いますので、いったん腕を下し脱力した後に「1」「2」を3~5回繰り返してみましょう。


※ 首の痛みの他にも手・腕にしびれが出る・指がうまく動かせない・力が入らない・痛みが悪化する・痛みが軽減することがない・夜間もつらいといった場合は、他の疾患が隠れている可能性があります。早めに医療機関を受診するようにしましょう。

■参考論文
頭部肢位の違いが後頭下筋群の形態に及ぼす影響(文京学院大学保健医療技術学部)(PDF)
注:実際の解剖写真の掲載があります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。