コスト削減の7つのポイント

コスト削減の考え方

コスト削減の考え方

コスト削減は、こまごまとした施策の導入、業務改善ではその効果は限定的です。大きな視点で削減すべきターゲットを見定めて、根本的なところから見直すことが大事。ここでは、コスト削減を進める上で大切な7つのポイントを示します。
 

1. 狙いを定める

最初に行うべきは、データの把握です。

通信費・消耗品費・福利厚生費・リース費用等々、総務が管理している経費にどのような費目があるのかを明確にし、その上で各費目を構成している内訳を詳細に把握します。金額の少ない費目をいくら削減してもインパクトは小さいので、まずは金額の大きな費用に狙いを定めましょう。

例えば、光熱費のうちの電気代。
東日本大震災が発生した年の夏の節電では、多くの企業がエレベーターを止めました。しかし、オフィスの電気使用量においてエレベーターの占める割合は5%もありません。オフィスの電気使用量のほぼ半分を占める空調、4分の1を占める照明費用にターゲットを定めれば、大きな効果が期待できます。

2. ゼロベースで考える

費用項目からコスト削減を考える時には、業務単位・仕事単位でアプローチするケースがあります。この場合、その業務の存在そのものをゼロベースで考えると良いでしょう。

その業務の目的は何か、提供価値は何かを明確にして、「不要」と判断さできれば関連費用・人件費削減に大きなコスト削減効果が見込めます。

例えば「受付業務」。まったく不要な業務ではないでしょうが、コスト削減の事例として多いところです。

従来、正社員が常駐していたところを派遣で対応する、受付業務ごとBPOをする、さらには無人受付システムで対応するところも多くなってきています。世の中の最新サービスも見比べながら、自社の総務サービスを根本的に見直すことが大事です。

その業務が「必要」と判断された場合は、サービスレベルを下げられないかを検証します。必要以上に在庫を抱えているケース、必要以上に詳細な書類を要求しているケースなど、過剰サービス・業務が存在しないかを見つけ、現場や関連部署の状況を考慮しながらサービスレベルを落としていきます。

3. 現場に負担させる

各事業部門にコスト負担をさせることを考えます。総務部費用、あるいは本社費用とされているコストに対しては、現場のコスト意識は低くなりがちです。さらに、その費用内訳が見えないと適切なコスト削減施策が取りづらくなります。

費用負担の振り分けは面倒ですが、各部門にコスト負担をさせることで確実にコスト削減意識が芽生え、予算が厳しい部門は総務にコスト削減法を相談することもあります。

例えば、コピー料金。
個人にカードを持たせて、そのカードをかざさないとコピーができないシステムを導入している企業も多いでしょう。それで部署単位での利用料金が分かり、各部署のPLに反映できます。通信費も同様に振り分けることができます。

インパクトの大きい費用としては、家賃もあります。占有面積に応じて部署に費用按分すると、使っていない部分を返したり、効率的な使い方をしたりといった効果が期待できます。

4. 現場を巻き込む

コスト削減は、総務部単独で行うには限界があります。むしろ細かい積み上げのコスト削減は、現場の協力を得ずしてなし得ません。

例えば、文房具やコピーなどの消耗品のコスト削減は、状況確認から保管場所や数量変更などで現場の協力がないと行なえません。特に地方拠点などではその傾向が顕著でしょう。

ある企業の事例です。
現場を巻き込むため、経営層のお墨付きを与えた「コスト削減委員会」を組織し、その組織を通じて所属メンバーに役割意識を持ってもらいます。
そのメンバーが中心となり、所属部署のメンバーと協力しながら、机に眠っている文房具を徹底的に回収し、再利用します。また、一人が持つ文房具に基準を設け、不必要に文房具を抱え込まないように指導しています。さらに、小さな成功事例をこまめに全社にPRすることで、現場の協力が得やすい風土も醸成しています。

現場を巻き込むには説得力が必要です。そのためには、まずは総務部内で実践してみて、表れた結果をもとにして隣の部署を巻き込み、フロア内を巻き込み、そして本社、全社と横展開をしていく方法がよいでしょう。

ある企業では、ゴミの分別回収を全社導入する前に、総務部単独で実施しました。ゴミの量は減り、その結果を掲示しました。隣の人事部が「自分たちもやりたい」と申し出ました。その結果をまた掲示するうちに、次々と参加部門が増え、ゴミの量は減り、回収コストがみるみる削減できました。結果として、全社導入もスムーズに進んだのです。

5. 費用構造の基本理解

価格交渉の場合は、価格構造を正確に理解しておくと良いでしょう。イニシャルコストなのか、ランニングコストなのか。ランニングコストであればその内訳はどうなっているのか等です。

例えば、コピーのカウンター料金。
保守メンテナンス料金を含んでいるのか、トナー代を含んでいるのか。その保守メンテナンスは24時間365日対応なのか、そうでないのか。保守メンテナンスの発生頻度を考慮して、フルサポートまでは要らないという判断もあるかもしれません。ランニングコストはそれぞれの発生頻度を考慮して価格を見直します。

電気料金などは、大元の基本契約料金を変更することで大幅なコスト削減が可能となります。請求書が送られてきたら、そのまま支払処理をするのではなく、請求書の中身を購入先に説明してもらい、請求金額の構造を理解します。その上で「自社内でできること」「サービスレベルを落とせるもの」「大元の契約を変更できるもの」を見極め、コスト削減していきます。

6. 価格交渉の進め方

従来は提示価格でしか購入できなかったサービスが、規制緩和によって価格が自由化されるケースもあります。あるいは、一律価格で価格表があったとしても、法人契約・ボリュームディスカウントなどにより、個別に価格が設定されるケースもあります。

例えば、電気代。
従来からある地域独占の電力会社だけではなく、他業種が参入し、新電力からも電気を購入できるようになりました。新規参入企業のほうが往々にして価格が安く、その価格をベースに従来の取引先と価格交渉もできます。

企業グループを見渡し、大量に利用する企業を窓口にしたり、発注先を集約したり、対象を広げたりすることで価格交渉が可能になる場合もあります。

7. 短期と長期の視点

目先の即効性のあるコスト削減もあれば、多少イニシャルコストはかかっても、長期的に効果が出るコスト削減もあります。

例えば、事務所移転。
移転費用というイニシャルコストはかかりますが、今までよりオフィス面積を減らす、賃料の安いビルに移転するなどによって、移転後の賃料負担が確実に削減できます。あるいは、節電効果の高い空調、照明器具に入れ替えるという手もあります。初期費用は数年で回収でき、その後はコスト削減効果が積み上がります。

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