老後資金準備の目標額はいくら? 年金がないとしたら?

自分の理想の生活を描きながら計算してみて、不足する額が老後資金準備の目標額となります

自分の理想の生活を描きながら計算してみて、不足する額が老後資金準備の目標額となります

それでは、具体的に老後資金として必要な額はどのくらいになるのでしょうか?
それを知るためには、老後の生活費にどれくらいかかるのか(支出面)と、老後の収入はどのくらいなのか(収入面)に分けて整理してみる必要があります。

総務省の「家計調査」(2017年)によると、平均的な老後の生活費は夫婦2人世帯で1カ月あたり約27万円です。これは、勤労者世帯の平均的な生活費の6~7割で、老後は現役時代よりも少ない生活費で暮らしているのが現状です。自分の場合はどのくらいになりそうか、現在の生活費から見積もってみるのもよいでしょう。

また、よりゆとりある老後生活を送るために必要な額は、1カ月あたり約35万円(公益財団法人 生命保険文化センター/2016年 より)必要という調査もあります。これまでできなかったような旅行や趣味など心のゆとりが持てるようなイベント的な費用も見積もっておいた方がよいでしょう。

一方で、考えておかなければならないのが、年齢とともに支出が多くなるリスクに対応する費用です。年齢が高くなると、若いころに比べて病院にかかったり薬を服用することが多くなったり、医療費の自己負担は大きくなる傾向にあります。これらは予備費として別枠で考えておいた方がよいでしょう。

次に老後の収入です。その収入の中心となるのは、公的年金です。現在では高齢者世帯の所得の約7割が公的年金となっています。もし公的年金をまったく受け取ることができず、他の収入もないという場合は、老後にいくら必要で準備しなければならないのでしょうか?

65歳から90歳までの25年間では以下のようになります。
 
公的年金がなかったら

もし公的年金がなかったらどうなるか


公的年金などの収入がまったくないとしたら、夫婦世帯で平均的な生活をする場合で約8,100万円、ゆとりある生活をしたいなら約1億500万円も自分ですべて準備しなければなりません。これらをすべて貯蓄などでやりくりしていくのは大変です。さらにより長生きした場合にはこれ以上にかかるケースも出てきます。

 

老後資金準備の目標額はいくら? 会社員編

公的年金は高齢となって働くことができなくなったときなどのリスクに備えて社会全体で支える社会保険制度です。原則20歳から60歳の人は全員国民年金に加入して保険料を納付します。また、会社員については、20歳前、60歳以降も70歳まで厚生年金に二重に加入します。したがって、老後になったときは、それまでの保険料納付期間と厚生年金であれば報酬にも比例した年金を一生涯受け取ることができます。

したがって、さきほど計算した老後に必要な額(支出総額)から公的年金の収入を差し引いた金額が本当に準備しなければならない老後資金の目標額となります。なお、公的年金の額は働き方などによって一人一人異なります。

自分の年金見込額については、50歳以上の人であれば、毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」に将来の見込額が記載されています。

50歳未満の人は将来の見込額は記載されていませんが、日本年金機構のホームページ上の「ねんきんネット」で年金額を試算することができます。自分の額について、一度確認してみるとよいでしょう。

ここでは、平均値を使って算出してみます。まず会社員の例をみてみましょう。

会社員夫婦世帯の公的年金の平均的モデル額は、現在1ヵ月約22万円(2017年度)となっています。ただし、夫が平均的収入で40年間会社員として就業し、妻がその期間すべて専業主婦であったと仮定した世帯となっています。
 
公的年金収入を加味した不足額を考える

公的年金収入を加味した不足額を考える(会社員世帯の例)


このように、現在の会社員モデル世帯で見てみても、平均的な生活をする場合、25年で約1,500万円、ゆとりある生活をしたいなら25年で約3,900万円が不足してしまうので、その分は自分で準備しなければなりません。より長生きした場合にはこれ以上にかかるケースも出てきます。

自分の理想の生活を描きながら計算してみて、不足する額が老後資金準備の目標額となります。