「医療保険で受け取れる給付金が、実際病院に支払うお金とかなりの開きがあるかもしれない」―――そんなことを耳にしたら心穏やかではなく、「いったい何のための保障なのか?」と疑問に感じてしまうかもしれません。

ここでは、実際の医療費支出にあった医療保障を準備するポイントを紹介していきましょう。

<ご相談者 男性 Kさん>
  • 現在42歳。最近再婚して、妻(40歳)と娘(7歳)と一緒に暮らしている
  • 都内の特許事務所で弁理士として勤務。仕事柄か、性格なのか、合理性を重んじる
  • 家族構成が変わり、将来を見据えて今一度しっかりした生活設計を組み立てようとしている
  • 年が年だけに、家族に迷惑をかけないよう、きちんとした医療保障を考えている

医療費負担、実際の支払い内容を見てみると……

病院会計窓口で支払い額を見て、ドキッ……

病院会計窓口で支払い額を見て、ドキッ……

Kさん:最近再婚して、妻と娘1人と一緒に暮らしています。前は家庭を省みずに失敗したので(苦笑)、今度はしっかり家族のことを考え、「家族ファースト」でいきたいと考えています。なかでも、医療保障は合理的なものをしっかり選びたいと考え、相談に来ました。

ガイド:「家族ファースト」ですか! 素敵ですね。家族の協力あっての仕事ですから。どこかで聞いたようなフレーズですけど(笑)。医療保障は納得のいく合理的なものがいいということですが、合理的とはどのようなイメージですか?

Kさん:以前、親が入院した際、実際に病院窓口で支払った自己負担額と、親が加入していた保険で出た入院給付金の差にビックリしたことがあるんです。それぞれの計算根拠の違いから生じるものなのだと一度は納得したものの、その後なんだかモヤモヤしてしまって。そこで、合理性のある商品がいいと思ったわけです。

ガイド:なるほど……。病院に支払った自己負担額、実は結構複雑な計算がされているんですよ。私も病院会計窓口の方から内訳などの詳細を聞いた際、「かなり面倒なんですけど」と自然と口からこぼれる本音を耳にしたことがあります。ちょうど、私の家族の請求書明細でわかりやすいものがあるので、1つの事例として紹介しますね。

Kさん:助かります! 当時、請求書を見てもよくわからなかったので。
領収書例

領収書例(クリックされると拡大されます)


ガイド:ここには左側の「医療諸費請求書兼領収書」と右側「レンタル用品利用請求書」があります。

Kさん:赤で囲んだ部分は保険分なので、「患者負担額は合計額の3割」と考えればいいんですよね?

ガイド:はい、おっしゃるとおりです。一方、保険外として青で囲んだ部分は食事負担額、差額室料、オムツ代などがあり、これらは健康保険適用外なので、規定どおり全額自己負担になります。そして、右側の「レンタル用品利用請求書」のように、患者が着る診察着やシーツなどのレンタル代も保険外として発生します。

Kさん:あー、思い出してきました。食事代だけでなく、レンタル代も日数分でかかってましたね……。

ガイド:そういう諸費用も無視できないですよ。この例では、実際に支払った額は赤で囲った保険の3割負担分と、青で囲った2つの保険外支出の合計になります。

実際の支払いに効率的に準備できる医療保険って?

ガイド:このように健康保険が適用される部分と、適用されない部分があるため、ちょっと複雑に見えるのです。では、これに則した医療保険を考えましょう。

まず健康保険が適用される保険分は、その治療内容によって金額が変わってきます。「日額5,000円」といった給付では、治療内容よりも入院日数によって給付額が変わるので、実支払い額とは合わないケースが多く見られます。しかし、最初から医療費実費分をカバーする保険であれば合理的で安心ですね。先ほどの請求書に当てはめると、患者負担額(3割)の62,730円が給付金として振り込まれるイメージです。

Kさん:足りるのかどうなのか、あれこれ考える必要がなく、ピッタリでわかりやすいですね。しかし、保険外などの負担にはどう対応したらいいですか? ひょっとして何本も医療保険を組み合わせるのですか!?

ガイド:その方法もありますが、ご想像のとおり、医療保険の請求に何か所も手続き申請するのは面倒ですよね?

Kさん:できることなら、1か所の窓口、1回の手続きですべてを終わらせたいです。

ガイド:では、実際の請求手続きなどを1か所の窓口でできるよう、1本の医療保険に絞り考えましょう。実費型医療保険に特約を上乗せする方法がありますが、いかがでしょう?

Kさん:必要なものだけを特約で上乗せするのですね。確かに合理的です。

次ページでは、保険料内訳を明確にして判断するプロセスを紹介します。