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不倫や浮気からの再構築……関係修復を成功させる夫婦とは

夫が浮気や不倫していたことがわかったあと、浮気された妻たちはどういう対応をとり、どうやって家庭や夫婦関係を再構築していくのだろうか。あるいは維持できずに離婚してしまう場合もあるのだろうか。3つの例から、妻がどう向き合ったかを考える。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫の不倫や浮気から夫婦関係を再構築する方法とは

不倫や浮気からの再構築。どう向き合えばいいのか。

不倫や浮気からの再構築。どう向き合えばいいのか。


夫の不倫を知ってしまい一悶着あったあと、妻である女性たちはどうやって家庭を再度やり直そうとするのだろうか。「許せない」と怒ったところで、日常生活は進んでいくもの。夫への気持ちをどう立て直せばいいのか。経験者たちの声を聞いてみた。  

浮気・不倫から再構築する方法:思い切りケンカする

アイコさん(42歳)が夫の浮気を知ったのは1年前。その時点で、夫と浮気相手との関係は1年を過ぎていたという。

「なんだか様子がおかしいなと思いながらも、見て見ぬ振りをしていたんですよね。事を荒立てたくなかったし。ただ、夫が出張と称して女と旅行していたのがわかってさすがにブチ切れました」

その発覚の仕方もすごい。アイコさんがテレビを見ていると、「台風で飛行機が飛ばなくなった」というニュースで某空港の映像が流れた。そこに夫と見知らぬ女性が偶然映り込んだという。その空港は、夫が出張先として言った場所とはかけ離れていた。

「そこに、夫から『仕事が長引いて、延泊することになった』とメールが来たんです。『テレビに映ってるよ』と返信してやりました。翌日帰ってきた夫は、子どもたちが寝たあと、私の前でいきなり土下座。それを見たらカッとなって、夫をぼこぼこに殴りつけてしまいました。悔しかったし、悲しかった。『私のことが嫌いになったなら離婚すればいいじゃない』『こそこそほかの女とつきあうなんて最低!』と泣きわめきながら思ったことは全部言ってやった。すっきりしました」

そんな彼女を夫は「嫌いになんてなってないよ」と抱きしめたのだという。結婚して15年、お互いに心のうちをさらけ出した大げんかを何度か繰り返し、今は前よりも理解し合っているような気がするそうだ。

「夫婦って、日常生活に埋もれてお互いの気持ちが見えなくなっていくんでしょうね。子どもがいると親としての比重が高まるし。夫の浮気がわかった時期はつらかったし、今でも傷は痛むけど、お互いをしっかり見つめ直すことができたのはよかったかもしれない」

アイコさんは晴れやかな笑顔を見せた。
 

浮気・不倫から再構築する方法:冷戦状態が続く家庭も

「悲しい、つらい」ではなく、「自分だけずるい」と思ってしまった。

「悲しい、つらい」ではなく、「自分だけずるい」と思ってしまった。


アイコさんはストレートに感情を爆発させたが、真正面から事実を受け止められない妻たちも少なくない。

「私が夫の不倫を知ったとき、最初に思ったのは『ずるい、無責任』でした。同じように働きながら、家事や育児は私の負担のほうが多い。もともとそういう不満をもっていたから、『自分だけ息抜きしやがって』という怒りが先に立ちました」

ミナさん(38歳)の率直な感想だ。職場と家庭に縛りつけられている感じが強く、精神的な余裕がないところで発覚した夫の浮気。ずるいという怒りのあとは、呆れて冷ややかな感情が残るだけだったという。

「もともと夫のことを信用していなかったのかな。あぁ、やっぱりこういうところでずるく立ち回る人だったんだなと、冷たく見ている自分がいました。だから夫が謝っても『謝るくらいなら、少しでも早く帰ってきて家のことをやってよ』としか思わなかった。下の子が生まれた8年前から、ほとんどセックスレス状態でしたが、夫が『仲直りしようよ』と近づいてきたときは蹴り飛ばしましたね。あの事件以来、必要以上の会話もありません」

今は10歳と8歳の娘たちを通して会話をしている状態。もちろん子どもたちも両親の不自然さを感じ取ってはいるようだ。

「今回の件があって、私はもう夫への興味を一切なくしていることがよくわかりました。子どもたちが大きくなったら離婚も視野に入ってくるでしょうね」

必要最低限のことだけを話しながら、家庭を維持していくつもりだとミナさんは言う。
 

夫婦関係を再構築できず、離婚した夫婦たちも……

夫の不倫が発覚後、何とかやり直そうとがんばってきたが、とうとう離婚したという女性もいる。カズエさん(48歳)だ。

「25年近く一緒にいたんですけどね。夫は自分が経営している小さな会社で、部下の女性に手をつけていた。あちらにも子どもがいたんです。私がそれを知ったのは4年前。私も会社で経理の仕事をしていたので、本当に灯台もと暗し。知らないのは私だけだったんでしょう。夫は『妻としてきみは立派すぎたんだ』と妙な言い訳をしていました」

現実問題としてカズエさんに出て行かれたら、家庭はともかく会社が成り立たない。夫は離婚だけはしないでほしいと言った。カズエさんも、一時期はやり直す方向で自分を奮い立たせたという。

「でも無理でした。夫の顔を見ると吐き気や頭痛に悩まされて。家を出て仕事をしている娘や大学生の息子も『お母さんの好きにすればいい』と言ってくれたので、半年ほど前、離婚しました。ただ、今も私は夫の会社で働いてはいます。他人になって冷静に夫を見ると、まあ、よくこんな人と四半世紀近くも一緒にいたなあと思うことが多くて(笑)。これからは自分の人生を取り戻していくつもりです」

夫の浮気は夫婦の試金石でもある。これからどうしていくのか、ゆっくり考えてみてもいいのかもしれない。

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