看板商品「プレミアムチーズケーキ」、成城石井の商品開発の舞台裏!

成城石井のスイーツの看板商品「プレミアムチーズケーキ」

成城石井のスイーツの看板商品「プレミアムチーズケーキ」

バイヤーが世界中から厳選してきた輸入食材やワインを扱う「成城石井」は、2017年に創業90周年を迎えた高品質スーパーマーケット。そんな成城石井のセントラルキッチンで丁寧に作られている自家製の惣菜やスイーツは、そのレベルの高さでも人気です。

そこで今回、同社の菓子グループ長として数々のヒットスイーツを生み出しているパティシエの光野正三さんに、発展の歴史や商品開発について聞きました。

スイーツとパン専用のセントラルキッチンで、職人自らが開発

光野さんが入社したのは、1998年。まだデパ地下やコンビニのスイーツもそこまで注目されておらず、スーパーのデザートには手軽さや安さが求められていた時代に、成城石井のスペシャリテとなるようなデザートを開発することが、光野さんに託されたミッションでした。
菓子グループ長の光野正三さん。銀座「マキシム・ド・パリ」などで経験を積んだ。

菓子グループ長の光野正三さん。銀座「マキシム・ド・パリ」などで経験を積んだ

「当時はまだ『成城石井』が2~3店舗の頃で、店舗に設けた厨房で惣菜もスイーツも作っていました。和食・洋食・中華の3部門しかなく、スイーツに関しては洋食のシェフが片手間にプリンを作る、といった状態でしたね(笑)。アイテム数も、コーヒーゼリーやプリンなど4~5品しかありませんでした」

夏に入社した光野さんが最初に手掛けたのは、ブルーベリーのチーズケーキだったそうです。

「当時、いちバイヤーであった現社長の原が、『これ、最近仕入れたんですが、美味しいから使ってみませんか』と持ってきてくれたのが、ドライのワイルドブルーベリー。味の濃いこのブルーベリーを使って作ったチーズケーキが、最初の商品だったと思います」

自社で調達してきた高品質な食材を使うという成城石井のスイーツのコンセプトが、すでにこの時に確立されたようです。その後、スイーツが1つの部門として設立され、光野さんはスイーツ部門を大きく成長させていきます。

1996年には、南町田にセントラルキッチンが完成。さらに、2003年には惣菜部門と切り離し、スイーツとパンの専用の工場としてリニューアル。現在は1階で洋菓子、2階でパン、3階で和菓子を製造し、各店へ出荷しています。
南町田にあるセントラルキッチン

南町田にあるセントラルキッチン

「成城石井」では、本社商品部の商品開発の担当者が商品を開発をするのではなく、経験豊富な調理場で自ら腕をふるっている調理人たちが商品開発をしているのも特徴です。価格の設定に縛られず、自由な発想で考えた商品を提案する商品検討会は毎週開催され、社長も参加する厳しい審査を経て、毎月、惣菜とスイーツで約20品の新商品が並ぶといいます。

成城石井のスイーツでもうひとつ、素晴らしいと思うのが、余計な添加物などを加えないところ。原材料表記を見ると、実にシンプル。良質な素材が手に入るからこそ、素材の持ち味を生かす味づくりを行なっているのです。

濃厚さと本格感が魅力!看板商品の「プレミアムチーズケーキ」



「プレミアムチーズケーキ」

「成城石井」の全商品の中で売上ナンバーワンを誇る「プレミアムチーズケーキ」(821円)

光野さんが手掛けた最大のヒット作が、濃厚で本格的な味わいが評判の「プレミアムチーズケーキ」。2003年に発売され、現在は年間90万本を売る成城石井のスイーツの稼ぎ頭となっています。
ケーキ断面

たっぷりのレーズンとアーモンドは、ほかにはない食感!

「スイーツ部門が確立したこともあり、そろそろ成城石井といえばこれ!という代表的なスイーツを作りたいと考えたのが『プレミアムチーズケーキ』です。いずれはこういうお菓子をつくりたい!という構想はずいぶん前からあったのですが、まずは成城石井のスイーツのイメージを定着させてからと考え、発売までには3~4年を要しました」と、光野さん。
生地をつくるところ

生地には、こんなにたっぷりのスライスアーモンドが

素材の味を前面に出した、濃厚な味わいのお菓子が好きだという光野さんの「プレミアムチーズケーキ」は、3層構造。きび糖を使用したパウンド生地の上に、アーモンドとレーズンをアクセントに加えた濃厚なチーズクリームを重ね、たっぷりのアーモンドプードルとバターを使用したシュトロイゼルをのせています。

アーモンドのパリパリとした食感と、濃厚なチーズ、サクサクのシュトロイゼルが織り成すハーモニーが絶品! 1本で売られているので、つい食べ過ぎてしまう危険なおいしさにヤミツキになる人が少なくありません。
クリームを型に絞る

クリームを型に絞るのも、職人が手作業で仕上げます

「プレミアムチーズケーキ」のレシピは現在も基本的には同じですが、使用するクリームチーズを見直したり、おいしさそのままで砂糖不使用の「プレミアムチーズケーキ ライト」を発売するなど、よりおいしく進化させてきました。

さらに近年は、「チョコレート&ラズベリーのチーズケーキ」、「北海道小豆と有機豆乳のチーズケーキ」など、季節ごとの限定フレーバーも人気。年間4~5品発売されており、これからの季節は、ほうじ茶味が登場予定だそう。秋にぴったりの和のフレーバー、楽しみですね。ちなみにどれにしようか決められない人には、4種の味が入ったアソートがおすすめです。

個性派スイーツ「モーモーチャーチャー」で新しい路線を開拓

モーモーチャーチャー

ネーミングもユニークな「モーモーチャーチャー」(431円)。

「プレミアムチーズケーキ」以外で人気なのは、ミルクに浮かべた特徴のある見た目のコーヒーゼリーや、濃厚なかぼちゃのプリンなど。そして、2015年3月の発売以来、成城石井発のスイーツとしてSNSでも話題になっているのが、「モーモーチャーチャー」。

シンガポール発祥のスイーツで、現地語では「ボボチャチャ」とも呼ばれています。ココナッツミルクにタピオカや緑豆、芋などが入ったお汁粉風のスイーツで、光野さんはレストランで初めて食べた時に衝撃を受け、カップデザートに展開できるのではと考えたそう。

「もっともこだわったのは、ココナッツのブランマンジェの食感です。お店で食べるようなお汁粉風の食感を出すために絶妙なやわらかさで固める素材を変えて試作を重ね、スプーンを入れるとすっとくずれるようなもろい食感に仕上げました。また、食べる直前にかき混ぜてもらうことで、お汁粉のような“ごちゃ混ぜ感”を楽しめるようにしました」
製造風景

「モーモーチャーチャー」の製造風景。下にブランマンジェ、上に具を盛り付けます

さらに、もう一つのこだわりが、やわらかい羽二重餅。「工場内に和菓子の製造ラインをもつ弊社ならではの強みを生かし、冷やしても固くならないお餅を開発しました。身近に和菓子の職人がいるのは、商品バリエーションを増やすのにもとてもいい環境です」。

さらにコク出しの隠し味として使われているのが、洋菓子には欠かせないアングレーズソース。フランス菓子の経験が長い光野さんらしいひと工夫が、どこにもない個性ある味わいを生み出しています。

さらに2017年夏には、同じく混ぜて食べるシリーズとして、香港スイーツの「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」も発売(現在は生産終了)。「モーモーチャーチャー」と同じココナッツのブランマンジェに、マンゴーソースやグレープフルーツのさわやかな味わいがマッチしていました。

こうした振り幅の広さも、世界各国から食材を仕入れている成城石井だからこその強みです。今後もどんなワールドワイドなスイーツが登場するのか楽しみです。


90周年記念商品「desica(デシカ)」も好調!

「desica(デシカ)」

素材と製法にこだわった「desica(デシカ)」シリーズ

成城石井の挑戦はさらに続き、2016年3月から創業90周年を記念して発売されているのが、最高峰のオリジナル商品のシリーズと位置付ける「desica(デシカ)」。成城石井の「職人の技」と「商品調達力」を掛け合わせ、究極のこだわりの味を提供するシリーズで、第一弾として発表されたのが、焼き菓子5品でした。

「desica(デシカ)」シリーズの魅力については、後日ゆっくり紹介したいのですが、最高品質といわれるフランス産小麦や、発酵バター、有機ココナッツシュガーなど素材はもちろん、食感や香りを生かす製法にまでこだわりぬいたものばかり!どれもとっても美味しいのですが、個人的にはホロホロと繊細な食感とココナッツの香ばしい風味が楽しめる「サブレココ」が大好きです。

また、個人的に大ファンなのが、ゼリーや季節のフルーツ杏仁豆腐などのカップスイーツのカテゴリー。なかでも杏仁豆腐は、愛媛県産不知火、山形県産アンデスメロンなど、季節ごとに異なるフルーツがたっぷりのっているのがなんとも贅沢!杏仁豆腐はもっちり濃厚な味わいで、ボリューム満点なのも嬉しいところです。

成城石井は、現在155店舗。近くに店舗がなくても、「プレミアムチーズケーキ」や「desica(デシカ)」などは通販でも購入できるので、ぜひ利用してみてくださいね。

<あわせて読みたい関連まとめ>
2017夏の成城石井エスニック惣菜!本格派のおすすめ10品
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。