貯蓄がまったくできず、第2子希望も不安の方が大きい

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、赤字家計に悩む30代の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

貯金ができず不安に

貯金ができず不安に



■相談者
めめっちさん(仮名)
女性/パート/32歳
大阪府/持ち家・マンション

■家族構成
夫(会社員/38歳)、子ども(2歳)

■相談内容
貯金がまったく貯まらないどころか赤字になる月のほうが多く、悩んでいます。主人の手取りが、残業代が少し入って28万円ほど(多いときで33万円ほど)ですが、もっと少ない月も多いです。私は現在、出産まで続けていた職場で少し働いています。大体月に1万2000円の収入です。子どもが満3歳になったら幼稚園に入れて私ももっと働こうと思っていますが、あと1年あり、それまで今のまま暮らしていくのは不安です。保育園は激戦区で条件も厳しく申込みすらできません。食費は目一杯節約しています。雑費には主人の通院代2万円、娘のオムツ3000円、ガソリン代4000円が含まれており、こちらもこれ以上節約する術が思い付きません。

主人のお小遣い3万円と通院代の中の自費診療分9000円を少し削らせてもらいたいのですが、お金の話をすると、機嫌が悪くなり、提案も却下されます。私が何か無駄遣いをしているのではないかなどと疑ってきますが、無駄遣いする余裕などなく、実際私のお小遣いはゼロです。主人に現実を直視して節約に協力してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

■家計収支データ
「めめっち」さんの家計収支データ

「めめっち」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)住宅ローンについて
ローン残高/2360万円
ローン開始/2013年6月、返済期間/27年9カ月(2041年3月まで)
(※実際は2006年に購入。2013年に借り換え)
10年固定/金利1.25%
固定資産税(年額)12万7000円

(2)幼稚園と奥様の収入について
想定される幼稚園費用/3万5000円(私立のみ)
想定される妻の収入/6万5000円

(3)医療費について
夫の医療費/月2万円のうち、今後も継続的にかかるのは6000円ほど。今は一時的な治療が加わり、コスト高となっている。

(4)ホーナスの使いみち
固定資産税/12万7000円、自動車コスト/8万5000円、旅行/10万円、夫の小遣い/3万円、その他/5万円、残りは貯蓄の予定
(転職1年目だった昨年は支給額40万円。今年は70万円に上がった。)

(5)加入保険の保険料の内訳
・夫/養老保険(40歳払込終了、死亡保障500万円、満期返戻金250万円)=保険料1万400円
・夫/低解約型終身保険(51歳払込終了、死亡保障390万円、長女18歳時に解約して解約返戻金300万円)=保険料1万5800円(※学資保険代わり)
・夫/収入保障保険(保険期間60歳まで、月額10万円)=保険料2800円
・夫/医療保険(終身保障終身払い、入院7000円)=保険料2800円
・妻/医療保険(終身保障終身払い、入院5000円、死亡100万円)=保険料2200円

(6)第2子、第3子について
2~3年後にもうひとり希望しているが、経済的な理由から悩んでいる。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 現状では2000万円+退職金が老後資金
アドバイス2 働き方次第で第2子出産もクリアできる
アドバイス3 克明な家計簿で視覚に訴える

アドバイス1 現状では2000万円+退職金が老後資金

将来を考えるといろいろ不安かと思いますが、まず認識していただきたいのは、今が家計的にもっとも厳しい時期だということ。出産し、妻が退職すれば、世帯収入は大きく下がります。多少の節約では改善されません。しかも住宅購入で貯蓄は減り、住宅ローンも抱えています。こういう状況では、どの世帯も家計的に余裕はないのです。

では、今後はどうなるのか。試算してみましょう。ご主人の転職によって今年はボーナスが30万円アップして70万円になります。ここが大きい。アップ分は確実に貯蓄に回します。

あと、保険料はそれなりに大きいですが、養老保険はあと2年で払込終了。低解約型終身保険も学資保険代わりということで、ともに継続してもいいと思います。それでも2年後には養老保険の支払いがなくなり、その分が貯蓄に回せます。

加えて、幼稚園に入園できて、奥様である「めめっちさん」が職場復帰されれば、収支で3万円のプラス。さらに、一時的にコスト高になっているご主人の医療費が、通常の6000円に戻れば、そこで1万4000円が浮きます。つまり、少なくとも2年後には毎月5万4000円、貯蓄できることになります。ボーナスのアップ分と合わせて、貯蓄ペースは年間95万円。2年後はご主人41歳ですから、定年までに1860万円程度は貯まる計算になります。今ある貯蓄を加えれば、ほぼ2000万円と考えていいでしょう。

教育資金は保険で別途用意できていますので、これに退職金を加えればそれがそのまま老後資金となります。あくまで試算ですが、現状では大きく不安になるほどの数字ではないでしょう。逆に言えば、今以上に節約をしなくても、今後貯められる部分をしっかり貯めれば、これだけの資金を用意できるということです。

アドバイス2 働き方次第で第2子出産もクリアできる

とは言え、先の試算でも、家計リスクがゼロというわけでは、もちろんありません。とくに、希望されている第2子を出産された場合です。

少なく見積もっても、お子さん一人、大学卒業までの教育費を含めた一切の子育て費用として1000万~1100万円は見ておきたいところ。つまり先に示した2000万円の貯蓄は半分以下になるということです。退職金額は不明ですが、それを加えて老後資金として安心できるかどうか。そもそも退職は20年以上先の話です。退職金に大きく依存することは、それだけでリスクなのです。

加えて言うと、今回値上がった、マンションの修繕積立金ですが、今後また上がる可能性も頭に入れておくべきです。

対策としては、めめっちさんの働き方がポイントになります。職場復帰で収入6万5000円とありますが、収入から見てパート的な働き方のはず。できればフルタイムが望ましいと思います。正社員のメリットは、収入アップだけではありません。厚生年金に加入することで、将来手にする公的年金の金額を引き上げることができるのです。

働き方でもうひとつの提案したいのは、ご夫婦とも65歳まで働くということ。収入は今より下がっても構いません。定年後、公的年金支給となる65歳(現行制度の場合)まで無収入が続くのと、多少でも収入を得るのでは、資金的な部分はもちろん、精神的にもまったく違います。

アドバイス3 克明な家計簿で視覚に訴える

さて、めめっちさんのメインのご相談である、ご主人に「現実を直視して節約に協力してもらう」ためにはどうすればいいか。

これまでは話をしても相手が不機嫌になるだけ、とのこと。それがどういう理由かは想像の域を出ませんが、少なくともご主人は転職をされて、今年は収入アップが望めるわけですから、「自分のすべきことはしている」という気持ちかもしれません。

一方、めめっちさんにしても、育児をしながらいろいろ家計のために切り詰めているのに、そういう努力を認めず、協力的になるどころか、逆に無駄遣いをしているのではという疑いを掛けられる。これでは、ストレスは膨れる一方でしょう。

そこで、克明な家計簿を作成してはどうでしょう。お金の「入り」と「出」を明確にし、支出内容を明らかにする。領収書やレシートも添付します。1カ月ではなく3カ月程度データができれば、それをご主人に提示して、家計の現状を知ってもらう。口で伝えるだけでなく、視覚にも訴える。これで少なくとも、めめっちさんの嫌疑も晴れ、普段の努力も伝わるのではないでしょうか。

家計は家族の協力が不可欠です。一方的に相手に何か求めるのではなく、それぞれに我慢すべきところはしていかなくてはなりません。今すぐ、何かを削るべきという家計ではありませんので、焦らずじっくりと協力関係を築いてください。

今後、めめっちさんがフルタイムで働くようになれば、さらに夫婦の協力関係が求められます。今から徐々にその準備をしていきましょう。

最後に住宅ローンについて。完済がご主人62歳のとき。短縮できるに越したことはないですが、このままでも構わないと思います。

ただ、現状10年固定で金利1.25%ですが、今なら0.5%台のローン商品出ています。借り換えると、毎月5000円前後、支払いが減ることになります。もちろん、借り換え手数料が発生しますので、それを考慮した上で得かどうか。あるいは、全期間固定にして、手数料を加えた総支払額が今と変わらないなら、それで安心(金利上昇の不安がなくなる)を買うとういう方法もあります。金融機関で一度試算してもらってはどうでしょう。

「めめっち」さんから寄せられた感想

結婚と同時に購入したマンションが分不相応な買い物だったのではと悩んでおりましたが今が一番大変なとき、今すぐ何かを削らなくてはいけない家計ではないとの診断、救われた気持ちになりました。早速詳細な家計簿をつけ始め、現状を明確に把握してもらい夫と協力して地道にコツコツ貯蓄していこうと思います。この度は本当にありがとうございました。


教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  

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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武



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