私たちの身のまわりには多くの「更新」が存在します。ただ更新といっても、その方法は異なり、「どうしてそんな解釈になった!?」というものも。

ここでは、よく耳にする医療保険の誤解に焦点をあて、健康状態や入院給付金の受け取りが更新に影響を与えるのか、具体的には保険料金額に影響を与えるのかどうかを解説していきます。誤った理解をしないよう、しっかりと保険の本質を押さえてください。

<ご相談者 男性 Oさん>
  • 41歳男性、建築士として独立して活躍中。自身で設計したガレージハウス付きの戸建て住宅に住む
  • 36歳のときに離婚。現在、独身。機会があれば再婚してもいいと思っているが、正直1人がラクで、結婚よりも今後の人生を楽しむ気持ちが強い
  • クルマ好きで、毎週末日帰りドライブに出かける

本当に「一生そのまま」で大丈夫?

ライフスタイルは変わったのに、保険はそのまま。はたして、このままで大丈夫?

ライフスタイルは変わったのに、保険はそのまま。はたして、このままで大丈夫?

Oさん:過去にいろいろありまして、今は1人で生活しています。平日は建築士としてがむしゃらに働き、土休日はもっぱらクルマを楽しむ日々。もちろん、自動車保険にもしっかり入っていますが、今日はライフスタイルが変わったのに何も変更せず放置している医療保険の相談にきました。

ガイド:わかりました。今どのような医療保険に加入しているのでしょうか?

Oさん:元妻が選んだ、一生涯保障内容が変わらない終身タイプだったはずです。当時、妙にいろんな契約更新が重なって、元妻いわく「一生そのままという内容が魅力的に見えた」ため契約したそうです。でも、すでに生活形態が変わってしまっているので、「一生そのまま」でいいのかどうかは正直疑問ですよね(苦笑)。

ガイド:おっしゃるとおりです(苦笑)。以前選んだものが、現在もマッチするとは限りません。金融商品も進化しており、自身の生き方に合わせ、選び直していくほうが最終的に納得度は高くなるでしょう。

Oさん:自身の人生を振り返っても、一生そのままのものより、適宜更新していくもののほうが圧倒的に多いと感じています。

ガイド:たとえば、どんなことですか?

Oさん:自身に近しいことであれば建築士の資格更新。それ以外にも自動車保険の更新など、数えあげたらきりがありません。

ガイド:へ~、建築士も資格の更新があるんですね!

Oさん:よく考えると「一生そのまま」なんて、とても少ないですよね。

自動車保険と違い、医療保険は入院・手術が更新後の保険料に影響しない

Oさん:更新って形式的な手続きで済むものと、きちんと審査されるものがありますよね。医療保険は入院してお金を受け取ってしまうと、自動車保険のように等級が悪化して保険料が上がったりするんですか?

ガイド:いえいえ! 勘違いされている方が多いのですが、保険料は年齢に応じて上がり、入院したことで上がることはありません。また、入院や手術したからといってペナルティを受けるわけではなく、その有無に関係なく更新できます。更新時は健康状態の告知も不要ですから。

Oさん:そうなんですか! 入院や手術をすると、なぜか更新後の条件が悪くなるような気がしていました。勝手な思い込みは危険ですね。契約と更新条件の根本をしっかり把握しないと……。

ガイド:更新は「ある契約期間が満了したとき、その契約をさらに継続すること」です。契約ごとに手続きの要件は変わり、たとえば自動車保険は車両や運転者といった条件に加え、保険金の受け取り実績(等級)を加味して保険料が設定されます。一方、医療保険は年齢・性別による統計をもとにした料率で保険料が決まり、更新の際は年齢・性別に応じて保険料が設定されます。入院などの給付金の受け取りをペナルティとして、更新後の保険料を上げることはありません。

Oさん:つまり、入院した人も、していない人も更新時の保険料は同じということ?

ガイド:そうです。病気や不慮の事故は誰にでも起こる可能性があり、年齢・性別のグループ全体で助け合うというのが保険の根底にある考え方です。発生リスクが高い年齢になると、その年齢の保険料は引き上げられますが、個別に入院したからといって保険料を引き上げられるというわけではないんです。

Oさん:本人の運転技術などによってもリスクが変わる自動車保険とは、大きく違いますね。そういえば、医療保険で「無事故給付金」という、ボーナスに似た給付があると聞いたのですが……。

ガイド:はい。契約後一定期間、保険を使わなければ5万円や10万円といった健康祝い金を受け取ることができる医療保険もありますよ。しかし、最初から無事故給付分を含めて保険料が高めに設定されているので、注意してくださいね。

Oさん:お得と思っていたのですが、そういう仕組みだったのですね……。よくわかりました。

次のページでは、進化する医療保険の一例「実費保障型」を紹介していきましょう。