【今回のポイント】

若いサラリーマンの間では、「頑張っているのに、思うように収入が増えない」「将来の年金が充分にもらえるか不安がある」といった気持ちから、本業以外に得られる収入の道や、資産づくりに関心を持っている人は少なくないようです。

テレビ番組や雑誌記事で『サラリーマン大家さん』『不動産投資ブーム』などを特集しているのを見たり、会社の同僚や上司の経験者から聞いたりして、不動産投資への関心を高めている人も多いでしょう。

しかし、不動産投資に関心がある人のうち、「実際に収益物件を購入する人」となると、何割かに減ってしまいます。それは何故でしょうか。3つのステップで解説しましょう。


第1の壁/自分自身のプロファイリング(自己分析)

具体的な行動に踏み出せない理由→自分を過少評価している→購入能力を試算する

不動産投資への関心はあっても行動を起こさない人は、「できない理由/言い訳」を考えてハードルを自ら上げてしまい、先に進めない人が多いようです。たとえば、

「まだ若いから、不動産投資なんて早いのでは?」
「自分の年収では、投資用不動産なんて買えないでしょう」


といった疑問やためらいがあるのではないでしょうか。そこで、実際に不動産投資をしている人の考え方を見てみましょう。

<年齢>30代前半が理想?
まず、図1を見てください。これは東京23区内を中心にワンルームマンションの販売管理をしている日本財託が、収益不動産オーナーに対して行なった意識調査です。
図1.日本財託アンケート・不動産投資を始める理想の年齢

 


収益不動産のオーナーたちが、実際に不動産投資を始めた平均年齢は43.5歳である一方、不動産投資を始めるのに理想的な年齢1位は「30代前半」です。そして、4人に3人が「20~30代」を理想としています。理想と現実にギャップがあることの背景には、「もっと早く始めておけば、より大きな資産ができた」という思いがあるのではないでしょうか。

不動産投資を始める年齢は、早ければ早いに越したことはないでしょう。ただ、社会人になって間もない20代前半では、まだまだ収入も少なく、社会的信用力も付いていません。金融機関から融資を受けるのも簡単ではないでしょう。

そういう意味では、30歳くらいになるまで会社で実績を積み、社内で役職が就くなどして社会的責任を増し、同時に収入も増え、貯金が貯まってきた頃がちょうどよいタイミングだと思われます。


<年収>500万~700万円から可能
年収についてもデータから入りましょう。図2は、不動産投資専門サイト「ノムコム・プロ」の会員プロフィールから抜粋したものです。全体の4分の1が年収1,000万円以下で、600万円以下の人も1割弱います。
図2.不動産投資家の年収・ノムコムプロ

 


ワンルームマンションなどの区分物件であれば、年収500万円以下でも購入できますが、アパート一棟マンションになると、年収1,000万円以上でないと買えないと思っている人もいるかもしれません。しかし、年収700万円程度から購入可能です。

なぜなら、不動産投資ローンの融資限度を年収の10倍程度に設定している金融機関が多いため、年収700万~800万円あれば7,000万~8,000万円の一棟物件は充分に購入可能なのです。

また、年収だけでなく、資産背景も関係します。たとえば年収500万円でも、親に資産があるなどの場合は、一棟物件が買えるくらいの融資を受けられます。

以上のように、区分マンションなら年収500万円程度から始められ、アパートや一棟マンションなら年収700~800万円程度からチャレンジする人がいることを知っておきましょう。


第2の壁/投資の目標設定

何を買っていいかわからない理由→不動産投資の目標が曖昧→具体的ゴールを描く

「自分の年齢や年収でも不動産投資ができる!」と思ったら、関連の本を読んだり、セミナーに参加したり、ネットで物件検索をしたりと、次のステップに入るでしょう。そこから一気に購入に進める人もいれば、この段階で踏みとどまってしまう人も少なくありません。

不動産会社に問い合わせをして、購入可能な物件の提案を受けても、「これは買いだ!」という具体的な物件までたどりつけず、いつのまにか投資をあきらめてしまう人も意外に多いのです。

その原因は、不動産投資をする目的、目指しているゴールが明らかでないことです。富裕層の相続対策は別にして、サラリーマンであれば「収入アップ」と「資産形成」を目標にするのが一般的でしょう。それを前提に「いつまでにいくらぐらいの収入を得たい」といった目標を明確にすると、自ずと具体的に何を買えばいいのかがわかってきます。たとえば、下記のように絞っていきましょう。

ケース1:株や投資信託などの投資をしていて、不動産もポートフォリオに入れておきたい。
→まずは、区分ワンルームから購入する

ケース2:副業として給料プラスアルファの副収入が欲しい。
→月々数万円のお小遣いが欲しいなら、区分マンション1戸から。
月々10万円くらいの手取り収入を求めるなら、区分マンションでは複数戸、一棟マンションやアパートなら1棟購入する。

ケース3:定年より早めにリタイアして、不動産経営だけで生活できるようにしたい。
→月々30~50万円の手取り収入を確保したいなら、アパートや一棟マンションを3~4棟持つ。徐々に買い増して「手取りが〇万円を超えたら引退する」という人も多い。

ケース4メガ大家になって、子や孫に大きな資産を残したい。
→資産形成のスピードアップのため、法人化も見据えた戦略が求められる。

以上は、あくまでも一例です。これを参考に自分なりのゴールを描いてみてください。何を買えばいいか、具体的なイメージができるはずです。


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