総務・人事

評価が上がる!ビジネスでの手土産の選び方

お中元やお歳暮、あるいは挨拶のためや謝罪のため、ビジネスの中で手土産を持って行くケースはまだまだあることでしょう。しかし、手土産の効果を考えずに、どこに持って行くのにも同じ金額の同じ品物を選んではいないでしょうか? それはすごくもったいない!今回は手土産の効果とその選び方を徹底検証してみました。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

手土産でビジネス相手の評価を高める

手土産

仕事上の手土産の選び方


お中元やお歳暮、あるいは挨拶や謝罪のため、ビジネスの中で手土産を持って行くケースはまだまだあることでしょう。しかし、手土産の効果を考えずに、どこに持って行くのにも同じ金額の同じ品物を選んではいないでしょうか? それはすごくもったいない! 今回は手土産の効果とその選び方を徹底検証してみました。
そもそも手土産の購入費用はどこから出ているのでしょうか? そう、当たり前ですが、会社からです。会社は利益を追い求める組織です。ですから、全ての活動について、その費用対効果を厳密に考えなければなりません。手土産とて同じこと。その効果を最大限発揮できるように活用すべきなのです。

手土産一つにそこまで考えるのか? と、思うかもしれませんが、それは手土産の効果を軽く見ているからです。それを知ったらきっと……

手土産には2つの効果がある

手土産の効果とは? すぐ思いつくのは、渡した方への効果でしょう。そもそも手土産を渡す目的は、その方との関係を良好なものにすることです。自社の評価を高めることです。ですから、渡す方への好印象を与える効果、これは誰でもがすぐに思いつく効果なのです。

では、もう一つの効果とは? 一体何でしょう?

手土産をもらった方は、次にその手土産をどのようにするでしょうか? この次の動きにも思いを馳せると、手土産一つに対しても、いろいろと配慮できることに気づくはずです。

その方はそれを社内に持ち帰り、一人で食べる……、そんなことは多分あまりないはずです。その手土産を、受け取った方にもよりますが、

1. 自ら開封して、同一部内の方に一つ一つ手渡す
2. 庶務や事務の方に、みんなで食べるようにと手渡す
3. 社内でお菓子などが置いてあるところに、どこからもらったものなのかを明記して置いておく

おそらく、1か2が多いのではないでしょうか。

1の場合、「○○会社のAさんから頂きました」、と言って手渡すことでしょう。そうなると、当然小分けしてあるものの方が配りやすいはずですし、個別に包装してあるとなお助かるはずです。

さらに、その品物にまつわる一言があると、配る方も楽しいですし、手渡す相手とのコミュニケーションのきっかけにもなります。いま流行のものなのか、季節にマッチした旬なものなのか、なかなか手に入らないレアなものなのか。そのようなストーリーがあると効果倍増です。そうです、2つ目の効果は、渡した相手が手土産を社内に配るときに、コミュニケーションが活性化されるという効果なのです。プラス、手土産をもらった人の株もきっとあがるはずです!

2の場合でも同様です。庶務の方に手渡す際にその一言を添えて渡すはずです。そしてその庶務さんが開封して個々に渡す場合もそのストーリーが付いて回るのです。

3の場合はどうなるでしょうか? 「これなんなの?」と気づいた人が説明文を読み、歓声をあげ、人が寄ってきて、コミュニケーションが始まる……、同じ効果が期待できます。

受け取る相手を考えた手土産とは

以上のような二つの効果が十二分に発揮されることを考え、そして、手土産を受け取る人の立場に立つと、ビジネスにおける手土産には、以下の選定基準が見えてきます。

1. 配布しやすい個別包装されているもの
2. 社内のみんなですぐに楽しむことができるもの
3. 渡すときに一言語れるストーリーがあるもの


個別包装されたお菓子が最も適しているでしょう。切り分けが必要だったり、お皿やスプーンが必要な手土産だと、渡した相手に手間を取らせてしまいます。喜んでもらえると思って持参した手土産が「面倒」と思われては残念ですし、費用対効果で考えると、最悪の事態です。

そして、そのお菓子が老舗のものであったり、話題性があるもの、レアなもの、季節を表現する旬なもの、そのようなストーリーがあるものが良いでしょう。ちょっとした気遣いがあなたの会社全体の良い評判につながります。あるいは、出張先のお土産で、その地方でしか売っていない珍しいお菓子であれば、先方に渡す際にそれが会話を盛り上げてくれるでしょう。

日持ちの確認も重要です。相手が数日間手をつけないことも考えられますし、配布したけれどその場にいない人、すぐには食べない人のことも考えると、常温で保存ができ、日持ちのする、焼き菓子系が良いでしょう。フルーツや生クリームが含まれた洋菓子類は日持ちしないだけではなく、保存するのも大変です。取引先に冷蔵庫があるとも限らないので、避けたほうが良いでしょう。

数が足りないというリスクも考えて、事前に部内の人数を把握しておくことも必要です。もらった側として、同じ部内で配り切れないのは良いのですが、足りない場合は、いろいろと考えて配布しなければならず、かえって気を遣わせてしまうこともあり得ます。

そして、最も避けたいのは、相手先の駅前で購入したり、その道すがらに購入したものです。相手も気づくでしょうし、社内で配布した時に、それを指摘されると、配布した人が気まずい思いをしてしまいます。なにより、途中で気づいてあわてて購入したという事実がモロバレです。

また、相手のライバル会社の関係するものも、絶対に避けるべきです。その会社のことを良く知らない、配慮が足りない、という印象を与えてしまいます。

金額は3000~5000円くらいが一般的でしょう。取引先との関係性もありますが、あまりに高価なものは相手に気を遣わせてしまいます。

たかが手土産、されど手土産。

相手が受け取ってから、どのように社内で配布するかまで思いを馳せると、その効果を十二分に発揮するために、どのような手土産を選べばよいかが明白になりますね。

次に手土産を持って行く際は、こうしたことをぜひ考慮した上で、お選びください。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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