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海外での格安プリペイドSIMカードの使い方・比較

海外でスマホを利用するとき、SIMフリースマホに現地の格安SIMカードを差して、通信料をおさえることもポピュラーになってきました。日本であらかじめ購入できる海外用プリペイドのSIMカードの使い方と比較、LINEは使えるのか、など気になる情報をまとめました。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

海外のスマホ利用、ネットに接続する3つの方法

海外でのSIMカード・格安プリペイドSIMの使い方・比較

海外旅行中もスマホが使えると何かと便利

海外旅行中、スマホをネットにつなぐ方法はいろいろあります。それほど積極的に使わないのであれば、ホテルやカフェのフリーWi-Fiのみで十分ということもあるでしょう。一方、メールをチェックしたり、SNSにリアルタイム投稿したり、地図アプリを活用したり……と常時ネットに接続してフル活用したい場合は、以下の3つの方法から選ぶことになります。
 
  1. 大手キャリアの国際ローミングサービス(海外パケット定額)を利用する
  2. 海外用のWi-Fiルーターをレンタルする
  3. 格安SIMカードを利用する

今回は、このうち「3.格安SIMカードを利用する」について、もう少しくわしく説明します。

<目次>  

格安SIMカードの仕組みと海外で使えるSIMカードを用意する方法

SIMカード

SIMカード。サイズは3種類ある

「SIMカード」とは、通信事業者が契約者の情報を記録したICカードのこと。これをスマホに装着することで、通信が可能になります。大手キャリアに比べて通信料が安いキャリアのSIM、いわゆる「格安SIM」を利用すれば、通信料を節約できます。

すでに日本でも「格安SIM」や「格安スマホ」がポピュラーですが、日本で契約する格安SIMは、基本的に海外のデータ通信(国際データローミング)に対応していません(※海外で電話ができる音声ローミングに対応しているものはあります)。海外でおもに使いたいスマホの機能はインターネットなどのデータ通信だと思いますので、海外で使えるSIMカードを以下のいずれかの方法で用意する必要があります。
 
  1. 日本で海外用のプリペイドSIMカードを購入していく。
  2. 渡航先の携帯電話ショップなどで現地キャリアのプリペイドSIMカードを購入する。

また、格安SIMカードを使うには、SIMカードを自由に差し替えられる「SIMフリースマホ(端末)」が必要です。SIMフリースマホの入手方法は以下の2通りがあります。
 
  1. SIMフリースマホとして売られているスマホを新たに購入する
  2. いま使っているスマホのSIMロックを解除する(※SIMロック解除にはキャリアごとに受付条件あり)
 

パケット定額、レンタルWi-Fi、SIMカードのメリットとデメリット

冒頭にあげたネット接続する3つの方法のうち、どれにしようか悩む人もいると思います。メリットとデメリットをまとめました。

■大手キャリアの海外パケット定額サービス
<メリット>
  • 手続きが簡単
  • Wi-Fiルーターなどの機器を持ち歩く必要がない
<デメリット>
  • Wi-FiルーターレンタルやSIMカード利用にくらべて通信料金が高い
  • 設定を間違えると高額請求のリスクも……(でもこれは気を付ければ防げます)
■Wi-Fiルーターレンタル
<メリット>
  • 1台のWi-Fiルーターを家族や友だちと共用できる
  • 大手キャリアの海外パケット定額サービスにくらべて料金が安い(※ただし、SIMカード利用よりは高い場合も)
<デメリット>
  • Wi-Fiルーターの持ち歩きが必要
  • Wi-Fiルーターの充電が必要
■SIMカード
<メリット>
  • 料金が安い
  • プリペイドなので高額請求の心配がない(※自動チャージサービスを利用する場合はのぞく)
<デメリット>
  • SIMフリースマホを用意する必要がある
  • SIMカードの入れ替えや設定が多少面倒(※ただし、現地の空港にあるショップ等でSIMカードを購入すれば、スタッフが設定してくれるケースが大半)
  • 普段使っているスマホのSIMカードを差し替える場合、電話番号が変わってしまい、旅行中にかかってきた電話を受けられない
 

日本国内で購入できる海外用プリペイドSIM比較

一般的に、海外のSIMカードは現地で買ったほうが安いのですが、あらかじめ日本で購入することもできます。日本で購入するメリットは、現地に到着したらすぐに使えること、購入時やトラブル時に言葉の問題がない安心感などがあげられます。また、複数の国を旅する場合、現地のSIMカードだと国が変わるたびにSIMカードの差し替えが必要になることもあります。

国内で手に入る海外用プリペイドSIMは、データ通信専用のものと、音声通話やSNSも使えるものがあるので、使用スタイルによって選ぶとよいでしょう。

料金は、あらかじめ一定額をチャージしておき、使った分だけ差しひかれる従量制やお得なパック料金があります。パック料金は有効期限があるので、使い切れるかを考えてプランを選ぶとよいでしょう。また、データ通信の料金は国や地域によって、また事業者によっても差があるので、渡航先の国・地域の料金設定をチェックしておくと安心です。

また、通信料のほかに、初期費用としてSIMカード代金が1000~3000円程度かかります。1~2日の短期の旅行だと割高になってしまうこともあるので注意してください。

以下に日本国内で購入できる主な海外用プリペイドSIMをご紹介します。

■HISモバイル「変なSIM」
データ通信に対応。通常のSIMカードに貼り付けて使用する。元のSIMと変なSIMは専用アプリで切り替え可能。海外68の国と地域に対応。
【料金】
・SIMカード本体:1980円
・通信料例:1日(24時間)あたり200MBまで500円など

■IIJmio 海外トラベルSIM
データ通信と音声通信(音声通話+SNS)に対応。42の国と地域で料金一律。
【料金】
・SIMカード本体(初期費用):3000円税抜
・通信料例:スタートパック(データ+音声):4600円(データ量500MB+音声通話<発着信合計>30分+SMS(送受信合計)25通付き)※14日間有効 など

■トラベルSIM
通話とデータ通信に対応した「トラベルSIM anyware」とデータ通信のみに対応している「トラベルSIMデータ」がある。
●トラベルSIM anyware
通話とデータ通信に対応。100か国以上で受信が0円。世界113か国以上に対応。
【料金】
・SIMカード本体:2750円税別
・通信料例:1MB/0.019USドル単位の従量課金
●トラベルSIMデータ
データ通信に対応。150カ国以上対象で格安データ通信ができ、60か国以上ではお得な格安パックも使用可能。
【料金】
・SIMカード本体:1870円税別
・通信料例:14日まで使える125MBパック 25USドルなど

■MightySIM(マイティーシム)
データ通信のみ、100カ国以上が対象。料金体系はパック料金のみで大容量ほどお得。
【料金】
SIMカード本体:690円
料金例:データ通信500MB 2200円(※Zone1、有効期間30日間)など
 

現地でSIMカードを購入する方法と注意

現地の携帯電話会社(キャリア)が販売するプリペイドSIMカードは、現地の携帯会社ショップで購入できます。空港に窓口があるキャリアも多く、なかには自動販売機で購入できる国もあります。
 
日本女子大学家政学部卒業消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。

日本女子大学家政学部卒業消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。


旅慣れた人は、リーズナブルさと手軽さから、現地SIMを利用する人が多い印象です。台湾旅行の際に、SIMフリーの格安スマホ「HUAWEI nova」を持参し、現地SIMカードを購入して利用したAll About節約ガイドの和田由貴さんは実際に使った感想を次のように話してくれました。

「現地のSIMカードを空港で購入しました。空港で購入した理由は、入国後、電車やバスの経路を見たり、地図を調べたりするので、すぐにネットにつなぎたかったからです。

桃園国際空港(台北)の第1ターミナルは、入国ゲートを出たすぐ近くにSIMを販売している窓口があります。窓口で購入する場合は、店員がSIMの差し替えから設定までしてくれるので不安はありません。一方、自動販売機などでSIMを買って自分で設定する場合、APN(アクセスポイント)設定がうまくできず、つながらないということもあります。

台湾では、中華電信の5日間使い放題(電話番号付き)のSIMをNT$300(約1100円)で購入しました。SIMは現地で購入したほうが安く買えますが、不安な場合はAmazonなどでも購入できるので、日本で事前に購入して設定を予習しておくと安心だと思います」

なお、和田さんのように新規でSIMフリー端末を用意しなくても、古いiPhoneなどのスマホをSIMフリー端末にして、海外旅行時に使うことができます。
 

現地でSIMカードを入れ替えてもLINEは使える?

SIMカードを差し替えた場合、LINEが使えるか気になる人もいるかと思いますが、いつも使っているスマホのSIMカードを入れ替えても、LINEは基本的に問題なく使えます(ネット通信に規制がかかる国や、通信環境が整っていない国では使えない可能性もあり)。これは現地で購入したSIMカードでも、日本で準備した海外用プリペイドSIMカードであっても同じです。

ただ、現地SIM用に2台めとしてSIMフリースマホを用意し、LINEアプリをインストールして使う場合は、アカウントの引継ぎが必要です。

SIMカードの入れ替えによって電話番号が変わってしまうので、「機種変更前のスマホで事前に引き継ぎの許可設定しておくこと」と「メールアドレスにキャリアメール以外を設定しておくこと」を忘れないようにします(LINEのアカウントを引き継ぐ方法はこちら)。

また、旅先で使うSIMフリースマホにアカウントを引き継ぐと、日本で使っていたスマホからトーク履歴が削除されてしまうので、必要ならバックアップをとっておく必要があります(トーク履歴のバックアップ方法はこちら)。

ちなみに海外専用のSIMフリースマホでLINEを利用する場合、アドレス帳からの自動検索ができないといったこともあります。また、帰国後は日本で使っているスマホへの再引継ぎも必要です。使い方次第ではありますが、LINEを利用するなら、日本で使っているスマホのSIMカードを差し替えるほうがシンプルかもしれません。


SIMカード利用のメリットはなんといっても価格が安いこと。海外でもスマホでのデータ通信を思うぞんぶん楽しみたいという人は、SIMカード利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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