ストレス

毎日がつまらない?人生の充実感を変える思考法

【現役カウンセラーが解説】つまらない、時間がない、持っていない、できない、やったことがない、自信がない、お金がない……。ストレスを感じやすい方の話には、「ない」がつく言葉が多いものです。自分の周りの「ある」もの、「いる」ことに目を向けることで、人生の充実感は変えられます。毎日をよりよくするために、普段何気なく発している言葉との付き合い方について考えてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

ストレスをためやすい人には「ない」がつく話が多い

落ち込む女性

「話し相手がいない」「つまらない」…。語尾に「ない」がつく話を「ある」や「いる」がつく話に替える魔法を、実践してみましょう

私がカウンセラーとして実感することは、ストレスを抱えている人の話には、語尾に「ない」が言葉がつくことがとても多く、「ある」や「いる」の言葉がとても少ないということです。

つまり、「チャンスがある」「支えてくれる人がいる」「自分には力がある」といった言葉を聞くことはとても少ないのですが、「つまらない」「時間がない」「持っていない」「いない」「できない」「やったことがない」「自信がない」「お金がない」という言葉を聞くことはとても多いのです。

しかし、こうした「ない」がつく話を聞くにつれ、「それは、本当に“ない”のだろうか?」という疑問が浮かびます。

たとえば、カウンセリングで「私の人生は、とてもつまらないんです…」といった悩みを聞くことがよくあります。たしかに、今生きている人生はその人が理想とするような生活ではないかもしれません。しかし深く話を聴いていくと、周囲にはその人を支えくれる人がいたり、仕事を続けていたり、健康面や生活には困っていなかったりと、まったく絶望的な状況ではないことが多いのです。

このように、人生を充実させるために役立つ資源を既にたくさん持っているのに、それらを活用して自分が思い描くような人生を送れていないことにとらわれ、がっかりしたり、自信を失ったりしている人が多いように感じるのです。
 

「ある」もの「いる」ことを思い出すと、自分が持っている豊富な資源に気づく

窓辺で頬杖をつく女性

「ある」もの「いる」ことに気づき、それらをしみじみ味わうと、たくさんの恵みを受けていることに気づくことができる


「ない」という言葉が多いのは、「ない」ことへのこだわりが強いためだといえます。しかし、「ある」ことや「いる」ものに意識を向ければ、その人は結構たくさんの資源を持っていることに気づくことができます。

このような「ない」ことへのこだわりは、長い人生で形成してきた考え方のくせであり、何気なく思い浮かんでしまうものです。したがって、「この考え方のくせに縛られて、つらい状況に生きていると思い込んでいるのではないか?」と、一度振り返って考えてみるのがお勧めです。

そして「ない」という言葉が頭に浮かぶたびに、自分が体験して「いる」こと、自分の周りに「ある」ものに目を向けていきましょう。たとえば、「つまら“ない”毎日」から「楽しいことが“あった”瞬間」へ、「〇〇ができ“ない”」から「環境を変えればできる可能性が“ある”」へ、「お金が“ない”」から「稼ぐ力やチャンスが“ある”」へ……。

このように「ない」という言葉が思い浮かんだ時には、身近な「ある」ものや「いる」ことに意識を向けていきましょう。すると、自分が既にたくさんの資源を手にしており、理想に近づいて生きていると気づくことができます

こうして、「ある」や「いる」という言葉で自分の生活を満たしていきましょう。すると、「ない」にこだわり、憂うつや不安になる必要はないのだということに気づくことができます。
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