国のエネルギー基本方針にZEH普及が明記された2010年から7年。ZEHはどこまで進化したのでしょうか? 最新調査でその実力を紹介します。

国の目標は「2020年までにゼロエネルギー住宅を新築の標準的仕様に」

環境にやさしい住まい

環境にやさしい住まいに

地球温暖化ガスの排出量削減が世界的な課題となっている今、国内においても住宅の省エネルギー化は最重要課題のひとつに位置付けられています。そこで注目が集まっているのが、「ZEH」(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギーハウス)です。「ZEH」とは、住まいの断熱性・省エネ性能を上げることに加え、太陽光発電など創エネルギーを導入し、エネルギー収支をゼロまたはプラスにする住まいを指します。

政府はエネルギー基本計画で、「2020年までにZEHを標準的な新築住宅とする。2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」という政策目標を設定しています。2015年12月に、経済産業省資源エネルギー庁が国のZEH定義を明確化したことをうけて、ZEH普及の機運が盛り上がっていますが、政府が目標に据えた2020年まであと3年。ZEHの普及はどの程度まで進んでいるのでしょうか?

太陽光発電システム搭載住宅の65%が『リアルゼロエネルギー』達成!

ガイドが勤務するセキスイハイムでは、ZEH相当か、それ以上の実績を持つ『リアルゼロエネルギー住宅』の普及にいち早く取り組んできました。そして、国のエネルギー基本方針にZEH普及が明記された2010年から「どの程度まで『リアルゼロエネルギー住宅』が達成されたのか?」という調査を毎年、実施しています。その最新データをもとに、太陽光発電システム搭載住宅のゼロエネルギー達成度合い、年間の光熱費収支など実態を紹介しています。

ここで取り上げるのは、太陽光発電システム搭載住宅を対象にした調査。2015年1月から12月までに入居済みの2658邸を対象に、2016年1年間の消費電力量、発電電力量、電力量収支を分析し、ゼロエネルギー住宅の実現状況を調べたものです。下のとおり、本調査では評価区分を4つに分類しています。
ゼロエネルギー住宅の実現状況の区分(出典:セキスイハイム「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度 及び蓄電池搭載邸の運転実績調査[2016]」)

ゼロエネルギー住宅の実現状況の区分(出典:セキスイハイム「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度 及び蓄電池搭載邸の運転実績調査[2016]」)


(2)~(4)は国のZEH判定に使う計算式を使用していますが、(1)の「家電込みゼロエネルギー住宅」はセキスイハイム独自の基準です。国の定義では、ZEHは住宅の設計段階に評価するものとされ、エネルギー収支の計算対象は冷暖房・換気・照明・給湯などの住宅設備に限られます。しかし実際に暮らすとなれば、それら以外の電力消費も想定されます。つまり、冷蔵庫やテレビなどの家電、IHヒーターといった調理器具などですね。するとZEHが達成できない可能性も出てくるのです。

セキスイハイムではこうした現実をふまえて、家電・調理の電力消費量も含めた上でエネルギー収支がゼロになるかどうかを集計しています。よりリアルな暮らしのシーンに基づいた調査といえるでしょう。

そして、下が最新の調査結果です。(1)家電込みゼロエネルギー住宅が40%、(2)ZEH相当の住宅は25%、つまりZEH相当以上の『リアルゼロエネルギー住宅』が65%に達したことになります。特に(1)の伸びが著しく、収支実績値で見た家電消費込みのリアルなゼロエネルギー住宅が普及していることが分かります。
リアルゼロエネルギー住宅の状況(出典:セキスイハイム「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度 及び蓄電池搭載邸の運転実績調査[2016]」)

リアルゼロエネルギー住宅の状況(出典:セキスイハイム「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度 及び蓄電池搭載邸の運転実績調査[2016]」)


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