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投資信託を買う人はなぜお金持ちになれないのか

資産運用をしようというとき、多くの人は投資信託を買おうとするでしょう。もちろん、投資信託が生きる場面はありますが、一般的に、投資信託は考えるのが面倒くさいという人が買う商品です。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

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積み立て投資であれば少額の資金から始められるが……

資産運用をしようというとき、多くの人は投資信託を買おうとするでしょう。もちろん、投資信託が生きる場面はあります。たとえば手持ち資金が少な積み立て投資であれば少額の資金から始められいという場合でも、ます。初心者にとってはハードルが低く、手軽な方法ではあります。

また、個別銘柄の情報が入手しにくい新興国市場、海外在住の外国人が買うには手間暇がかかるなど、投資環境が未整備な市場にもアクセスできるというメリットもあります。

しかし一般的に、投資信託は何をやっていいかわからない人、何をやっているのかわからない人、考えるのが面倒くさいという人が買う商品です。

それはなぜかという理由を、投資で資産を成す人が、なぜ投信よりも個別銘柄を好むのか、その理由に置き換えて解説したいと思います。

実際、投資で財を成した人のほとんどは、投信ではなく株やドルなどの個別銘柄で儲かっています。私の周りの投資仲間(いずれも億超え)もみな、個別株投資です。

お金持ちは(お金持ちになれるポテンシャルを持つ人)、つねに自分の判断と行動に「理由」や「根拠」を求めます。

「なんとなく上がりそうだから」「世間が注目しているから」というのは博打か宝くじと同じで、彼らはそんなあやふやな理由でお金を出すことを良しとしません。

だからその銘柄の事業環境や成長性を調べます。それは、株価そのものよりもむしろその企業が持つ価値に着目するということです。

そして、「この企業の本来の価値と、現在の株価には乖離がある。そしてこの乖離は、将来修正される見込みがある。つまり将来は株価の上昇が見込めるはず」という根拠を得ます。

そういう自信を持てるならば、あえて資金を分散させる必要はないでしょう。上がるかどうか不透明なものに分散させるより、「上がる」であろう銘柄に資金を集中させたほうが儲かるからです。

もちろんその予測が外れることもありますが、彼らはその理由を分析し、次の予測につなげようとします。そうやって試行錯誤を続ければ、精度も上がってくるでしょう。

それはたとえば、仕事で言うところの仮説検証サイクルと同じと言えます。

ではお金持ちが資産を分散させないのかというと、そうではありません。彼らの分散投資とは、そういう個別銘柄の組み合わせなのです。
株にしろ債券にしろ金(ゴールド)や不動産にしろ、「これは儲かりそう」という個別銘柄を複数探し、その総体で(結果的に)分散できているということです。

では投信を買う人で、そこまで突っ込んで分析する人はどれだけいるでしょうか。もちろん詳細に調べる人もいると思いますが、それはどの商品の手数料が安いかなどがメインで、投信を構成するひとつひとつの銘柄の価値には興味がない人がほとんど。良くて「〇〇が△△パーセント」という構成比率くらいでしょうか。

つまり彼らは価値ではなく、価格しか見ていないということです。だから投信の価格が上がれば喜び、下がれば悲観するなど、価格変動に翻弄されます。

価格にしか興味がないから、「成長が見込まれる合理的な根拠」よりも、イメージ先行で選びます。たとえば「インドは人口が多いから伸びそう」「ブラジルはオリンピックがあるから有望」「分散しておけば安心」などといった、漠然とした印象や思い込みで選択する傾向があります。

彼らは、自分では良い企業を見抜けない、あるいは見抜く目を持っていないということです。それはつまり、良い企業とそうでない企業を判別する指標を持っていないのと同じこと。そうしたことを考えるのも面倒。でも個別株はリスクがあるのでイヤ。

しかしそういう姿勢は、人生の全方位に影響を与える可能性があります。たとえば伸びそうな人材とそうでない人を見分ける、取引すべき相手とそうでない相手を見分ける、自分のスキルの将来がどうなるかを見分ける、商品やサービスの成長性を見分ける、などです。あるいは、リスクがあることにも挑戦するマインドとか。

そう考えると、投信を熱愛する人は、仕事の実力も大したことのない人かもしれない、と疑った方が良いかもしれません。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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