<今回のポイント>

中古マンションの設備が新築に負けない理由

中古マンションは設備が古い……は間違い。リフォーム実例から最新トレンドを見ていきましょう。

中古マンションは設備が古い……は間違い。リフォーム実例から、設備の最新トレンドをチェックしよう。


マンションの設備」というと、室内(専有部分)の浴室やキッチンなどの水回り、収納、照明、給湯器、ガスコンロ、冷暖房などのことを指すのが一般的です。賃貸用につくられた住まいと比べると、分譲物件は総じてグレードが高くて充実しています。

新築中古で、設備の良し悪しや新しさを比べれば、「新築のほうが優れている」と思うのが一般的でしょう。「新築<中古」なんてありえないと思うかもしれません。確かに、中古マンションが建設された当時のまま設備が変わっていなければ、その通りです。建物の築年数が古いほど、設備も古くなります。

しかし、設備類の多くは、故障や老朽化のためにおよそ10~15年で交換の時期を迎えます。そのため、築10年を超えるような中古マンションでは、居住者(所有者)自身が交換していたり、一度売却されて、次の購入者が入居したときにリフォームしたりして、新しい設備が入っていることも珍しくありません。

築年数の古いマンションのほうが大胆にリフォームされ、築浅物件より設備が新しいこともあります。単純に、築年数が古ければ設備も古いと考えるのは早計なのです。

また、自分で設備のリフォームをする場合、いまの「最新モデル」を取り入れることができます。新築マンションに採用されている設備は、企画・設計された時点、つまり1年半から2年前の最新モデルなので、マンションの設備の機能性や新しさが「新築<中古」という式も成り立つのです。そうなると、中古マンションは、今ある状態に加えて、どんな設備を付けられるかを想像しながらチェックすることも大切です。

今回は、不動産サイトノムコムの「中古購入×リフォーム」から、実際の事例で採用されているリフォーム事例を紹介していきます。

ちなみに、設備関係のリフォームでは、ユニットバス、トイレ、キッチン、給湯器などの水回りが人気です。多い価格帯の目安は図1の通りです。

図1.設備リフォームの価格の目安表

 


サイズも自在? 多機能化するシステムバス

まずはバスルームから紹介しましょう。

一般的なマンションでは、天井・浴槽・床・壁まで一体化で成型される「ユニットバス」が主流です。住戸の専有面積や間取りに応じて、おおよその規格サイズが決まっています。たとえば、3LDKの60m2台では「1317(130cm×170cm)」、70~80m2台では「1418」といった具合です。

これに対して、自分で設備のリフォームをすれば、規格サイズにとらわれないメーカーの製品を使ったりユニットの広さを自由にアレンジしたり、外国製のバスタブを組み合わせたりすることもできます。海外のクラシックホテルのような猫足バスやシャワーブースを設けることもできてしまうのです。

「明るく落ち着いた雰囲気のユニットバス」写真提供:野村不動産リフォーム)

「明るく落ち着いた雰囲気のユニットバス」写真提供:野村不動産リフォーム


または、大型テレビを付けることも可能です。新築マンションでテレビ付き浴室になっているケースもありますが、画面サイズが10インチ以下と小さめのケースが多いようです。最近は、キッチンや浴室に持ち運びできる防水仕様のタブレット型のモニターを使う人も増えていますが、ここまで大型だとやはり壁掛け式がベターでしょう。

「大型高画質の浴室テレビ。ユニットのインテリアも大理石風のシックな雰囲気。最近は、キッチンや浴室に持ち運びできる防水仕様のタブレット型のモニターを使う人も増えていますが、ここまで大型だとやはり壁掛け式がベター」写真提供:野村不動産リフォーム

「大型高画質の浴室テレビ。ユニットのインテリアも大理石風のシックな雰囲気」写真提供:野村不動産リフォーム


さらに、近頃は「ユニットバス」から「システムバス」に進化しているようです。サイズが選べるだけでなく、お湯張りから温度調節まで自動のフルオートバスや、消音タイプのジェットバスから、肩湯、打たせ湯、オーバーヘッドシャワーまで、多彩なバスタイムを楽しめる設備が登場しています。

「億ション」であれば、新築でもこうした多機能な設備もあるかもしれませんが、通常のファミリータイプではまずお目にかかれないでしょう。中古マンションなら、4,000万~5,000万円クラスの物件を購入して、「お風呂だけはくつろぎのスペースにしたい」という、一点豪華主義のリフォームを取り入れることもできるのです。


トイレにもデザインを!

トイレでは、デザイン性や省スペース性に優れた「タンクレストイレ」も人気です。手洗い器がコンパクトになって、狭いトイレ内にも別で設置できるようになっていることも、人気を後押ししています。

「余計なタンクがないためスッキリ。手をかざすと水が出て離すと止まる便利な自動水栓も併せて設置できる」写真提供:野村不動産リフォーム

「余計なタンクがないためスッキリ。手をかざすと水が出て離すと止まる便利な自動水栓も併せて設置できる」写真提供:野村不動産リフォーム


収納やディスプレイ台を兼ねた手洗いカウンターと一体型のシステムトイレも増えています。手洗い用の給水は元からあるトイレの給水配管から分岐し、排水は便器と同じ排水管に合流させる仕組みで、カウンター内に組み込んでしまうため、新しく給排水管を設置する手間やコストを省けるのも特徴です。

「照明による演出を加えてホテルライクなトイレ空間を創出することもできる」写真提供:野村不動産リフォーム

「照明による演出を加えてホテルライクなトイレ空間を創出することもできる」写真提供:野村不動産リフォーム


洗面化粧台の幅が広げられれば2ボウルに替えたいというニーズは高く、実践している例も多いです。洗面室に薄型の輻射熱式タオルウォーマーを付けた物件も、評判が良かったですね。暖房効果もあるので、冬場のヒートショック防止にもつながります。

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