就職・転職したら自分なりの目標を立てよう

介護スタッフ

介護職に就職・転職したら目標設定をしましょう

就職・転職にかかわらず、自らの目標を立てることはとても大切です。

「休日に予定を入れた場合」をイメージしてください。昼頃に友人と待ち合わせてランチ後は映画鑑賞、夕方にはさらに別の会に参加します。こうした明確な「ゴール」が設定されたことで、午前中にやるべきこと、外出時の準備、お目当ての映画の上映時間のチェックなどを余念なく行います。このように、皆さんは普段から無意識に段取りをしながら過ごしているのです。

この段取りに必要なのが、「こうありたい」「こうなりたい」という目標設定です。特に就職・転職して新たな第一歩を踏み出す皆さんにとって、それ自体がゴールではないのですから、まずは少し先の未来に向けて「自分のありたい姿」をイメージして下さい。

介護キャリアに「短期」「中期」「長期」目標を

スタート地点に立った皆さんは、大なり小なり自分にとって必要な情報を集めていることでしょう。「将来は相談員業務に従事したい」「地域で活動するケアマネジャーになりたい」「介護現場のリーダーもいいかも」と、いくつかのキーワードが頭の隅に残っているのではありませんか?

それらを漠然としたイメージで終わらせるのではなく、実際に実現可能な長期目標として置き換えます。もちろんそれが現実となるのは、3年、5年、はたまたそれ以上先かもしれません。そのまま頭に描くだけでは雲をつかむようで、とても気力が持たないでしょう。

そこで大切なのが、「短期」「中期」の目標設定です。短期であれば数日・1週間・1ヵ月単位、中期であれば数ヵ月・半年・1年といった単位になるでしょう。具体的にみていきましょう。

入職直後は「日」「週」で目標を立てる

現場を一人で任されるようになるまでは、「数日ごとの目標」を持つ感覚でいましょう。

多くの事業所では、入職時のオリエンテーションや各種研修を経て、現場での実施訓練が始まります。それはOJT(on-the-job training)と呼ばれ、先輩が見守る中で日常業務を通じた教育訓練を行うのです。

入居施設のスケジュールは、24時間単位の繰り返しです。この24時間を分解すると、入眠の時間、食事の時間、入浴の時間、レクリエーションの時間があり、加えて個人差の大きい排泄、移動、趣味の時間などがあります。さらに食事行為一つ取り上げても、食前準備、食事介助、服薬介助、口腔ケアなどに分類されます。またこれらは入居者の介護レベルに合わせて変化するために、何通りものパターンが存在するのです。

しばらくは、現場の情報やスキルを計画的に習得すべく、「今日習ったことを身に付ける」ことが目標になります。そのつもりで復習しながら、新しい学びの習得を日々の目標としてステップアップさせましょう。

また、「1週間目/現場の雰囲気に慣れる」「2週間目/配属先の入居者や職員の名前と顔が一致するようになる」「3週目/周りを見渡して、入居者やスタッフと会話ができるようになる」など、日々の業務目標をクリアしつつ、周囲との関係性をつくるための目標も立てましょう。

事業所の育成プランによりますが、厳密に日々設定した目標をクリアしていくと、2ヵ月目には日中業務の一人立ちを迎えることになるでしょう。要は研修期間を終え、スタッフの一人としてカウントされるようになるのです。

ひとり立ち後は調整力を高める短期目標を

指導者と並走する期間が過ぎると、施設勤務であれば早番・中番・遅番・夜勤などの担当が割り振られます。これをシフト勤務と呼び、24時間365日、スタッフ同士が時間リレーをしながら現場勤務にあたります。

入職者にとって、この時期の環境変化が最も大きいでしょう。分からないことが発生してもすぐに隣で答えを返してくれる先輩はいません。当たり前のことですが、日々の現場では指導期間中に教わった以外のイレギュラーなことが発生します。この時期は分からないことをそのままにせず、疑問点を質問し、理解することが目標になります。

最初のうちは、スケジュール通りに業務を進めることは難しいでしょう。入居者は思いたったら即行動する方も多く、体調の変化で予定を変更することも必要です。状況や環境に合わせながら時間内に仕事を終わらせるためには、何をどう工夫したらいいのか、現場を観察して思考しながら習得する必要があります。その日与えられた業務の進捗を意識し、予定を再調整しながら時間内に仕事を終えられる時間配分のバランスをつかむことが、この時期の目標となります。

落ち着く半年時点で中期目標を

入職6ヵ月前後になると、現場の多忙さに変わりはなくても日々の業務をある程度コントロールできるようになるでしょう。この頃から新たな仕事を任されるようになり、仕事に対する興味の幅も広がってくるはずです。

例えば、入居者単位で受け持ちを任される場合は、より深く入居者の方への理解を深め、その人に合ったケア計画を立てたくなるでしょう。「お風呂に入って頂く」が目標だった入浴介助も、「いかに気持ちよく入って頂くか」を考え、相手の反応を見ながら対応することが自分らしい介護につながります。ご本人のこだわりを尊重し、入浴中の会話を楽しみ、よりスムーズな介助方法を考え、入居者や他の職員にも提案できるようになってきます。

この頃になると、意識的、無意識的にかかわらず、観察しながら考え、計画を実行し、振り返るというPDCAサイクルを繰り返すようになっています。目標も数ヵ月単位で計画・実行する中期目標に広がります。

1年たったら長期目標を立てる

入職から1年経過すると、職場によっては新人、つまりは後輩が入職してきます。徐々に教える側へとシフトしていくのです。この頃になると、「自分が考える介護とは何か」いう問いが生まれる方もいるでしょう。

例えば、介護保険の中核の一つに「自立支援」があります。「できることはご本人にやって頂いた上で見守ること」が自立支援なのか、「さりげない関わりでご本人に『自分でできた』と感じてもらえること」が自立支援なのかなど、課題と向き合う度に思考が積み重なっていきます。目標に添って振り返りをしていれば、1年後に人に聞かれて自分なりの考えを言えるようになっているでしょう。

人は誰しも「成長したい」という欲求を持っており、仕事でもプライベートでも自分の目標に向かって自分自身をコントロールしていると実感できると、次の課題にチャレンジする意欲も高まってきます。

自分が決める短期目標や中期目標は気力を継続させるステップであり、最終的には長期目標である「なりたい自分」へと近づく手段です。大きな目標を達成するためにもすぐに取り組める小さな目標を設定してクリアし、毎日自分を誉めてあげてください。


介護・福祉職の方のキャリアアップについては、別記事「介護職における将来設計・キャリアアップの選択肢」「未経験者が現場経験を経て施設長を目指す場合」などでも解説していますので参照ください。


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