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スポーティーな末弟、ホンダ「CB1100RS」登場

クラシックな外観で大いに日本のファンを会得したCB1100。その四年後にはCB1100EXというバリエーションモデルを発売し、人気が再燃しました。それからさらに3年たった今年、2017年にCB1100RSというバリエーションモデルを発売。タイヤのインチ数が変更されたCB1100RSは他に二台と比べてどうか?実際に都内の通勤で試乗してインプレッションします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

広がりを見せる「CB1100」ワールド

2010年に登場したCB1100

2010年に登場したCB1100


2010年に発売されたCB1100。伝統的なネイキッドスタイルを踏襲したデザインは近年流行りのストリートファイターデザインやネオクラシック系デザインとは異なり、1990年台前半のネイキッドバイクブーム世代にも刺さるデザインとなっています。

2014年に登場したCB1100EX

2014年に登場したCB1100EX



発売から4年後の2014年にはバリエーションモデルのCB1100EXが発売されました。CB1100EXはスポークホイールを採用し、さらに伝統的なデザインとすると共に大容量燃料タンクを採用するなど、使い勝手を高めたことで人気となりました。

2017年に登場したCB1100RS

2017年に登場したCB1100RS


それからさらに3年後、2017年1月に発売されたのが今回登場するCB1100RSです。最大の特徴は17インチホイールを採用したこと。他の二台が18インチホイールを採用しているのに対してCB1100RSは17インチホイールを採用しています。専用の足回りを与えられ、スペックだけ見ればスポーティーな性能を与えられているバリエーションモデルと言えます。

他のシリーズにも試乗してきましたが、発売から7年という歳月の中で確実に進化してきたCB1100シリーズ。

今回も都内の通勤で一週間試乗してインプレッションをお届けします。

まずはCB1100RSの装備をチェック!

CB1100RSはインチ数が変わっただけでなくタイヤが太くなった

CB1100RSはインチ数が変わっただけでなくタイヤが太くなった


CB1100RSが採用した17インチホイール。インチ数が他の二台と変わったのはもちろんですが、タイヤの幅も他の二台がフロント110mm、リア140mmなのに対して、フロント120mm、リア180mmを採用しています。

1000ccクラスのネイキッドバイクとしては標準的なサイズといえますが、他の二台が細いタイヤを採用しているだけに特に後ろから見た際にはタイヤの太さが目をひきます。

ウインカーはコンパクトなLEDタイプを採用

ウインカーはコンパクトなLEDタイプを採用


またウインカーがコンパクトなLEDタイプを採用しているのもCB1100RSの特徴。クラシックな丸型ウインカーが装備されているほかの二台に比べてシャープな印象です。

リザーバータンク付のリアサスペンションはストロークが長い

リザーバータンク付のリアサスペンションはストロークが長い


足回りはリザーバータンク付のリアサスペンションやアルミ製のスイングアームなど高級感溢れるスポーティーな仕上がり。

公式に発表されているわけではありませんが、CB1100RSのリアサスペンションは若干長い印象を受けました。タイヤがインチダウンしたのに他の二台に比べてシート高が高いのはサスペンションが長いからかもしれません。

シート高は785mmとバリエーションモデルの二台と比べて最も高く設定されています。元々シートも広めになっており車重もあるバイクなので足つき性はあまり良いとはいえません。

丸型LEDヘッドライト

丸型LEDヘッドライト


更に2017年モデルからは他の二台も含めて丸型LEDヘッドライトとアシスト&スリッパークラッチが標準装備となっています。

丸型LEDヘッドライトは非常に明るく照射範囲も広い印象です。夜間の視認性は間違いなく良いといえますし、一部の社外品は雨の日には視認性が悪かったりしますが全く問題ありませんでした。

最近各メーカー大排気量車両に搭載することが増えているアシスト&スリッパークラッチはクラッチの操作が軽くなりシフトダウン時のエンジンブレーキで後輪ががロックするのを軽減する機構。

大排気量車両になればクラッチも重くなりますが、400ccバイク並みに軽く感じました。私のように通勤でバイクを使う方はストップ&ゴーが多くなりますが、これなら左が疲れることもなさそうです。

豪華装備のCB1100RS!走行性能はどうだ?

CB1100RSサイドビュー

CB1100RSサイドビュー


久しぶりのCB1100シリーズの試乗となりましたが、以前試乗したCB1100と比べると若干軽快さがスポイルされている印象を受けました。乗り心地という点で見ても若干硬くなっている印象です。

その理由は足回りのセッティングの違いによるものでしょう。まずタイヤサイズが太くなったことでコーナリング時や高速走行時の安定感は更にアップしましたが、走り出しの軽快さは失われています。

CB1100RSのリアのサスペンションはストロークが延びているような印象を受けましたが、今までのCB1100シリーズと比べて若干硬くなっている印象です。

ただ降りてから見てみたところサスペンションには予めスプリングを縮めておくプリロードがかかっていました。プリロードをかける事でサスペンションは硬く感じるのでセッティングを変えれば乗り心地重視にもできそうです。

全体的にCB1100RSはスポーティーに仕上げられている印象です。町乗りレベルだと一番乗りやすいのがCB1100、次にCB1100EXという印象でした。

ただCB1100RSが街中で乗りにくいのか?と問われればそれはノー。低速から強力なトルクで走り出すことが可能で、一度高いギアに入れてしまえばある程度速度が上がってもシフトダウンすることなく走行することが可能です。

足回りもスポーティーなセッティングになっているとはいえ、よいしょ!と気合を入れて倒しこむ動作は必要なくスムーズにコーナリング旋回に入ることが可能です。

ラジアルマウントされたブレーキキャリパー

ラジアルマウントされたブレーキキャリパー


乗りやすさという点ではさらに特筆すべき点があります。CB1100RSのフロントブレーキにはラジアルマウントブレーキキャリパーというスーパースポーツやスポーティーな大排気量バイクに搭載されることが多い機構が装備されています。

ブレーキのかけはじめから「ガツン」と前のめりになりそうなほど効くかな?と思って走り出してみましたが、そんな事は無く優しく扱いやすいブレーキシステムです。

かけはじめは優しくグッとブレーキレバーを握ればしっかりと効くブレーキなので扱いやすくよく効くブレーキといえるでしょう。

CB1100RSは全てのシチュエーションを高次元でこなせる一台

CB1100は軽快で町乗りを快適に走れる車両。CB1100RSはスポーツ走行を好む人向けの装備が備わっている車両と言えます。

ただあくまで三台乗り比べた場合の印象であって、CB1100RSを一番初めに乗ったら町乗りもスポーツ走行も高次元でこなせる一台。という印象を持ったでしょう。

また2017年モデルからはCB1100RSとCB1100EXにはETC車載器とグリップヒーター及び専用インジケーターが標準装備となりました。

徐々に暖かくなってきているとは言え、雨の日には気温がグッと下がる時期です。先日の雨の日にはグリップヒーターを使うことでかなり快適に走行することができました。

また個人的にはデザインも以前乗っていた初期型CB400SFを髣髴させるクラシックなネイキッドスタイルなのも1980年生まれの私には刺さるポイントです。

選択肢が増えて自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができるようになったCB1100シリーズ。コレだけは間違いないのはどのバリエーションモデルもネイキッドバイクらしく汎用性が高く、どのような用途も高次元にこなせるでしょう。

軽快な無印CB1100、スポーティーなCB1100EX、その間ぐらいのCB1100EX。さぁあなたはどのCBを選びますか?

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