本業以外にバイトもすべきと思うができません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、低収入のため貯蓄ができない50代の男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

なかなか貯金ができない悩み

なかなか貯金ができない悩み



■相談者
アカレンジャーさん(仮名)
男性/契約社員/50歳
九州/賃貸住宅

■家族構成
妻(専業主婦/40代)

■相談内容(原文まま)
毎月の収入が15、16万円でボーナスは無しの工場の契約社員として働いています。毎月1万円の貯金がやっとで、収入を上げたいのですが仕事が終わってからバイトの口もなく現在に至っています。女房は、体が弱く仕事は無理なのです。もう少し貯金を増やしたいと思いますが、どうしたらよろしいでしょうか?ちなみに今年は、原付バイクの自賠責保険、家賃の保険更新等で約5万円が必要になります。毎年3月には町内費4000円が必要。以上になります。

■家計収支データ
「アカレンジャー」さんの家計収支データ

「アカレンジャー」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)妻の健康状態について
幼少の頃のケガが原因で、仕事自体が無理とのこと。相談者も仕事をさせることは望んでいないし、本人もその気持ちはない。ただし、通院や薬の服用はない。それでも妻のサプリメントは絶対に必要とのこと。

(2)現在の仕事について
現在の仕事はインターネットで見つけたもの。時給は1100円前後、勤務日数は月20~22日で不定休。残業はほとんどない。厚生年金には加入。

(3)他の仕事
「他にバイトを」という気持ちはあるが、実際に体力的にきびしく、したとしても現在の仕事が休みの日にできるものに限定される。

(4)公的年金について
夫婦それぞれ、年金がどのくらい支給されるかはまったく不明(ねんきん定期便で確認したこともない)

(5)ご実家について
ご夫婦の実家ともに資金援助も移り住むことも無理

(6)クレジットの返済
カードローン(キャッシング)による借入。完済は2020年2月。

(7)通信費の内訳
インターネット月4200円、固定電話2000~3000円、携帯電話二人で約9000円、テレビ受信料4400円

(8)車両費について
月に一度のレンタカー費用(月に一度野菜や米などの食料品を買い出しのため)+原付バイクのガソリン代

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 ダブルワークよりも健康管理を優先すべき
アドバイス2 クレジットカードの利用は今後NG
アドバイス3 セーフティーネットとしての社会保障制度を知る

アドバイス1 ダブルワークよりも健康管理を優先すべき

ご相談のメール、拝見いたしました。

文面だけでの判断ですが、とても楽観視できないという印象です。そのもっとも大きな理由は、50代で貯蓄がほぼないに等しく、結果的にアカレンジャーさんご本人の人的資本だけが頼りだということ。仮に、ご本人が病気やケガで倒れたら、ご夫婦ともきびしい状況に追い込まれると考えられます。

したがって、アカレンジャーさんがダブルワークされることには反対です。適当な仕事がなく、まだ始めていないようですが、休日はしっかり身体を休めることを優先させてください。

収入アップを模索するとなると、まずは転職。インターネットで探しても、ハローワークに出向いて相談してもいいと思います。行動することが大切です。現在の仕事では、厚生年金に加入されているのが良かった点です。転職されるとしても、厚生年金加入は条件として加えましょう。

その関連で確認してほしいことは、国民健康保険料を支払っているということ。一般に厚生年金と健康保険はセットです。厚生年金に加入しながら国民健康保険料を支払うというのは、ほとんど聞きません。どのように社会保険に加入しているか、しっかり確認しておきましょう。

また、奥様の健康状態の詳細はわかりませんが、外で働くことはできないとのこと。であれば、例えば内職のような仕事は無理でしょうか。時給換算すれば割りの合わない仕事が多いかもしれませんが、月1万円でも現金収入があることは、今の家計に十分プラスです。また、働くことで生活により張りが出ることも、可能性としてはあるはずです。

もちろん、自宅でできる仕事であっても労働には変わりはありません。中には苦痛に感じるものもあるでしょう。そこは奥様とよく話し合った上で検討してみてください。

アドバイス2 クレジットカードの利用は今後NG

家計管理については、そもそも全体の支出が少ないのですから、無駄と呼べる部分はさほどありません。節約されていることも十分伝わってきます。しかし、少なくともすぐに資金が必要になったとき(急病など)に対応できる程度の貯蓄は、家計には不可欠です。したがって、我慢できる部分はカットしていかなくてはなりません。

手がつけられるのは通信費となります。固定電話では、携帯があればさして必要ではないので。携帯料金にしても、もしスマホでネットも見るのであれば、パソコンのインターネット環境は不要のはず。スマホもしくは携帯の料金プランも再度見直し、通話のうち簡単な要件程度なら無料のショートメールで済ませる。いろいろと工夫をして、少なくとも全体で5000円くらいは下げたいところです。

また、当座の資金がないときに便利なのはわかりますが、クレジットカードの利用は原則、今後NGとしてください。リボ払いでの支払いも怖いですが、もっとも避けるべきはキャッシング、カードローンの類いです。今の家計でしてはいけないことは、固定支出をこれ以上増やさないこと。ましてや、金利が2ケタにもなる負債を背負います。クレジットとの付き合いは、今の支払いを最後にしてください。

アドバイス3 セーフティーネットとしての社会保障制度を知る

最後に、経済的に困窮しそうになったとき、その前に何らかの対応がすぐに取れるよう、福祉関連の社会保障制度をご自身なりに知っておくことが大切だと思います。市役所の福祉課や地域の福祉事務所に出向き、資料を揃える、あるいは担当者に相談するのもいいでしょう。

また、奥様は障害者に認定されるかどうかも、まだ未確認ならしておくべぎだと思います。仮に認定されれば、いろいろと経済的支援やサポートが受けられます。

アカレンジャーさんからすれば、生活まで行政に頼るのは不本意かもしれません。できれば、ご自身の収入だけで生活を支えたい気持ちもあるはずです。しかし、何かあったとき、ただ途方に暮れるのでは、何も解決しません。とくに、経済的な困窮で心まで折れてしまうのが大変怖いと、私は感じています。

今すぐに頼るのではなく、あくまで将来のセーフティーネットとして、ここまではできないがこういうサポートなら受けられる。それを知っているだけでもいざというとき慌てないで済むはずです。

目指すべきはご夫婦とも健康第一で、収入が少なくとも70歳までは働く。少しずつでも貯蓄が増えれば、気持ちにも余裕が生まれます。無理せず、焦らず、自分のペースで頑張ってください。

教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  

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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ



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